※この記事は歯科医院向けです。
昨今、スタッフ不足に頭を悩ませていらっしゃる先生方は少なくないと思います。
多くの媒体がある中で「費用をかけて利用しても、なかなか思うように採用できない」「忙しいので採用代行会社に丸投げしている」という先生方も少なくありません。
一昔前はハローワークや人材派遣会社、求人雑誌などが主流でしたが、現在ではWEBサイトが主力となっており、既に利用されている方も多いのではないでしょうか。
従来の「正社員・パートやアルバイト」という雇い方だけではなく「スポット(単発)勤務」という新しいスタイルも登場し「気になるけれど良くわからない」「いきなり来てちゃんと働けるのか不安」などといったお声も耳にします。
今回は求人媒体の一つである「ビジネスマッチングアプリやサイト」について、利用した歯科衛生士の感想などを交えながらご紹介していきます。
貴院の人手不足解消の一手段として、ぜひ参考になさってください。
スタッフの求人に用いる媒体の種類
新しくスタッフを採用しようと考える時に用いられている媒体は主に4つです。
- ハローワーク
公共職業安定所とも呼ばれます。
求職中の方や求人事業主の方に対して、さまざまなサービスを無償で提供する、国(厚生労働省)が運営する総合的雇用サービス機関です。
参考:ーハローワーク 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/hellowork.html
- 人材紹介サービス
登録した医院や歯科衛生士などの情報から、社内独自の方法によりマッチングをして紹介してくれます。面接の日程調整など、細々した作業を任せられるため負担が少なくなりますが、その分費用は嵩みます。
- ビジネスマッチングアプリ・サイト
求人ウェブサイトやアプリなどを通して、マッチングする相手を探せるサービスです。
プロフィールや希望する案件を登録し、条件が合いそうな相手が見つかりお互い承諾すれば、マッチング成立となります。
- 自社採用サイト
自院のホームページとは別に設ける、スタッフを採用するためのサイトです。
他の媒体では伝わりにくい医院の雰囲気や方針、スタッフの声や院長の人柄などまで伝えることができます。
ビジネスマッチングアプリ・サイトとは
歯科業界におけるビジネスマッチングアプリ・サイトとは、人材を求めている歯科医院と働きたい人を結びつけるシステムやサイトのことです。お互いの希望がマッチングした時だけ、成り立ちます。
これらを利用することで、効率的にスタッフを見つけられる可能性があるといえるでしょう。
さらに医院や医院の特徴などを知ってもらいたい先生にとっては、この先出会うかもしれないスタッフに医院の存在を知ってもらうきっかけともなるかもしれません。
歯科衛生士は、意外と応募しない医院のことも見ているもので「ここの医院は求人募集を頻繁に出している」などといった状況を把握しています。それにより「働きにくいから人が辞めて再募集している」と思われる可能性もありますが、ここは求人の書き方によるところが大きいでしょう。
もし「増患のため」「寿退社により新しいスタッフを募集」などと書かれていたら、マイナスに捉える人は少ないと思います。
求人マッチングアプリ・サイトを活用するメリット
マッチングアプリやサイトを用いることで、次のようなメリットを得ることができます。
①多くの歯科衛生士に医院を知ってもらえる
最大のメリットは、歯科衛生士や歯科助手などに効率よく医院を知ってもらうことができる点です。ビジネスにおいては「見込み客の獲得」に相当しますが、歯科医院の求人活動の場合は「スタッフ候補が獲得できる」と置き換えられるでしょう。
自らアプローチを行うというより、情報を見たスタッフ候補からの連絡を待つというスタイルです。
②スカウト機能などでアプローチできる
「なかなかいい人材が来ない」「すぐにでも人材を確保したい」とお悩みの場合は、登録情報などから自院に合いそうだと思う人を見つけて、積極的にアプローチすることも可能です。
応募を迷っている人にとっては、スカウトは一歩背中を押すきっかけになることもあるでしょう。
③自院に適したサービスを選ぶことができる
様々なビジネスマッチングアプリ・サイトがあるため、予算やシステムなど自院の方針に合うものを選択することができます。
求人マッチングアプリ・サイトのデメリット
メリットがある反面、やはりデメリットも存在します。この項では、どのようなデメリットが考えられるのか具体的にあげていきます。
①成果が出るまで時間がかかる
求職者と歯科医院を結びつけるという場を提供する機会のため、実際に雇用する人が決定するまでは時間が必要です。また問い合わせやマッチング成立があっても、いざ見学や面接を行ってみたら「思っていたのとは違った」と見送られてしまうケースもあります。
②必ずマッチングできるわけではない
ビジネスマッチングアプリやサイトを利用したとしても、新しい人材が決定するどころか応募さえないということもあり得ます。掲載内容は自院の雇用条件だけではなく、特徴や方針の見せ方など魅力を感じさせられるようなアピールの仕方をすることが大切です。
③人材の情報が不明確なこともある
登録されている人の情報は、全て本人の自己申告になります。認定資格などであれば選考する際の1つの基準にすることもできますが、特に技術や経験に関しては主観的になりがちです。また勤務していた医院や個々によっても異なるでしょう。
後で「話が違う」「話に聞いていたほどできないじゃないか…」ということにならないよう、雇用関係を結ぶ前にきちんと確認しておくことが重要です。
気になる費用!料金体系は主に3つ
以下の3つのような料金体系を導入している媒体が多いです。
- 月額型
無料プランと有料プランがある場合に導入されていることが多いです。選択したプランによっては、毎月一定額を支払います。 - 成果報酬型
雇用契約が成立した時に、費用が発生します。給与金額の20~30%程前後を手数料として支払います。 - 課金型
掲載は無料ですが、単発勤務や雇用などの契約が発生した時に費用がかかります。
「せっかく予算をかけたのに反応がない」というリスクは回避できますが、課金される金額はやや高めでしょう。
歯科医院と歯科衛生士を繋ぐマッチングアプリ・サイトを紹介!
この項では、歯科医院の院長先生や採用担当者向けのマッチングアプリ・サイトをいくつかご紹介していきます。
特徴や料金などを比較する際の参考になさってください。
グッピー求人
既にお使いの方も多いと思いますが、求人情報が閲覧される度にポイント消費され、成功報酬が発生しないのが特徴です。費用を抑えつつ、新たな人材を採用できる可能性があります。
課金方式 | 閲覧課金型(クリック課金) |
料金 | ・登録費用、採用成功費用0円 ・1閲覧120円(10,000円=10,000pt~購入可能) |
契約期間 | なし |
スカウト機能 | あり |
掲載開始 | 最短翌日 |
特徴 | ※年間792万人が利用の実績 ※スポット勤務のみ募集 可 |
運営会社 | 株式会社グッピーズ |
公式HP | https://www.guppy.jp/service/ |
ジョブメドレー
掲載するに当たって費用はかからず、採用が決定した時に成功報酬を支払うという仕組みです。
グッピーとともに利用されている先生方も多いという印象があります。
課金方式 | 成功報酬型 |
料金 | ・初期費用、掲載費用0円 ・採用決定時 40,000円~ |
契約期間 | なし |
スカウト機能 | あり(毎月200通無料) |
掲載開始 | 自身で作成:5〜10営業日程度 代行作成:最短当日~5営業日以内 |
特徴 | ※原稿の作成代行 無料 ※スポット勤務のみ募集は特になし、通常募集とともに記載あり |
運営会社 | 株式会社メドレー |
公式HP | https://job-medley.com/dh/ |
HANOWA
スポット勤務をメインとしたマッチングアプリです。実際に勤務してもらい「この人ならぜひ来て欲しい」と思えてから採用することも可能です。
また現スタッフが有給を取りたい時や、急病で来られない時などの臨時ヘルプとして利用している先生もいらっしゃいます。
課金方式 | 成功報酬型 |
料金 | ・初期費用、掲載費用0円 ・紹介手数料:報酬の33%(税込) ・別途:対象パートナーへの報酬、交通費、振込手数料(勤務者一人あたり250円(税込)) ・正規雇用(オメデトウ制度利用)時:330,000円(税込) 【オメデトウ制度とは】 複数回マッチング後、双方の同意があれば常勤やパートとして雇用することができるシステム。 |
契約期間 | なし |
スカウト機能 | あり(無料) |
掲載開始 | 掲載代行なし。1週間程度詳細の入力がない場合は不足箇所を運営にて代行入力(ホームページ参照の上) |
特徴 | ※スポット勤務の募集 可 ※お試し勤務 あり(給与支払いあり) ※勤務日数に制限あり |
運営会社 | 株式会社HANOWA |
公式HP | https://hanowa.net/lp-dc |
デンタルシーク(アプリ)
カルテコンピュータなどの歯科医用レセコンなどを提供している株式会社ノーザのサービスです。
利用する際には、アプリのダウンロードが必要になります。
課金方式 | 継続課金型 |
料金 | ・登録無料 ・プレミアムプラン 月額16,500円(税込) プレミアム会員に登録することでマッチング成立に有効な「メッセージ付きいいね」が都度購入可能となるほか、マッチング成立後にトーク機能を使ったやり取りを行うことができるようになります。 |
スカウト(いいね)機能 | あり |
運営会社 | 株式会社ノーザ |
公式HP | https://dental-seek.com/ |
デンタルマッチ
登録のあった歯科衛生士の中から、医院の提示する条件に合いそうな人を紹介してもらえます。まずはお試しで勤務してもらい(給与支払いあり)、お互いが良ければマッチング成立、となります。
課金方式 | 成功報酬型 |
料金 | ・初期費用、掲載費用0円 ・1ヶ月以内の有期雇用契約を締結した場合:1日あたり5,000円(税抜) ・1ヶ月を超える有期雇用または無期雇用契約を締結した場合:応募者の理論想定年収の20%(税抜) |
契約期間 | なし |
スカウト機能 | なし |
特徴 | ※お試し勤務 あり ※スポット勤務の募集 可 |
運営会社 | シャープファイナンス株式会社 |
公式HP | https://medicallives.com/product/medicalshift-dm/ |
歯科院長図鑑
「院長から就職先を探す」ためのマッチングサービスです。
掲載内容は「院長の考えや人柄」がメイン。給与などの条件面ではなく、院長をきっかけに医院を知ってもらえるので「この先生と一緒に働きたい!」と思ってくれる歯科衛生士と出会うことができます。
退職理由の上位にもあがっている「院長とスタッフの人間関係」といった問題も生じにくくなり、スタッフの定着にも繋がるでしょう。
課金方式 | 継続課金型 |
料金 | ・ライトプラン 掲載0円 ・スタンダードプラン 月額4,980円 |
契約期間 | なし |
スカウト機能 | なし |
特徴 | 院長や医院への理解を深めてもらえるため、医院にマッチした歯科衛生士とのマッチングが可能です。 |
運営会社 | 株式会社ナインデザイン |
公式HP | https://shika-incho-zukan.com |
ビジネスにおいて「ブランディング」は必要不可欠なことですが、歯科ではなかなか馴染みのない方も多いのではないかと思います。集患する際にはもちろん、良い人材を集めるためにもブランディングは重要です。
どの媒体を用いるのかに関わらず、他院との差別化を図り貴院の魅力を伝えるためには、集患においても採用活動においてもブランディングは欠かせません。掲載情報を作成する際には、ぜひこの点を考慮して作ってみてください。
求人マッチングサイトを利用する際に注意すべきこと
求人マッチングアプリやサイトを利用する際に気をつけていただきたいポイントは、次のような点です。
①各サイトの特徴を理解する
それぞれのサイトにより、特徴は異なります。ややこしく感じることもあるかもしれませんが、しっかり確認・比較した上で自院に適したサービスを選択しましょう。
②実績や登録者数を確認する
今までにどのくらいの人が利用し、どのような実績があるのかをチェックしましょう。
マッチングできる確率の目安にすることもできると思います。
③料金や価格を確認する
利用するアプリやサイトにより、料金体系は様々です。いつ・いくら費用が生じるのか、しっかり確認しておきましょう。
④掲載情報の作成に力を入れる
ここが一番大切だと思います。求人原稿を専門に作成する人がいるわけですから、決められた文字数で医院のことを魅力的に伝えるなんて、難しくて当たり前ですよね。
もし代行作成してもらうとしても、元の情報を伝えるのは院長先生です。
一度棚卸しをして、自院の魅力について考え直してみるのも良いかもしれません。
→【関連記事】歯科衛生士が応募しやすくなる募集要項にするには
https://dental.naruhodo-jinji.com/archives/20404
⑤掲載内容は正確に
例えば「診療時間を記載していて、実際の勤務時間はそれよりも長い」「正社員にあってパートにはない福利厚生をパートの募集条件に記載している」などといったことはありませんか?
「いいなと思って応募して面接を受けたら、実際は違った…」そんな歯科衛生士の声は残念ながらよく聞きます。
意図せずなってしまうこともあれば、そもそもミスしていたり、応募してもらうために敢えてどちらとも取れるような記載の仕方をする、ということもあるかもしれません。
このような記載は、医院への印象を悪くします。大抵の応募者は、がっかりしたり医院への信頼度が下がってしまったりするからです。
もしめでたく採用となった場合でも、このモヤモヤは残ったままになりますので、先生方、本当に気をつけてください!
特に代行を利用する場合は「丸投げはしない」ことをおすすめします。
診療をしながらの採用活動が大変なことは重々承知ですが、最終的に「良いスタッフと出会えるかどうか」「良い関係を築けるかどうか」は院長先生次第です。任せられるところと、力を入れるべきところの区別は明確にしておきましょう。
実際に利用してきた歯科衛生士の感想
ここでは私が歯科衛生士を20年以上続けてきた中で出会った人たちと話したことや、体験したことなどを共有させていただきたいと思います。
グッピーやジョブメドレーは長くあるサービスのため、ほとんどの人が見ています。
多くの人に見てもらえるメリットはありますが、利用者側としては検索条件で絞っても件数が多く、正直見るのが大変だと感じることもあります。
また「この医院のことをもっと詳しく知りたい」と思った時にはホームページまでチェックしますので、ぜひそちらも整備しておかれることをおすすめします。
最近認識されつつある「スポット(単発)勤務」は、抵抗のある先生方もいるかもしれません。
実際のところ、フットワークが軽い人が多いため、自発的に動いている人が多い印象です。いきなり知らないところで働こう、と行動できる人ですから、ある程度の技術や対人スキルは持ち合わせている可能性が高いと思います。
中にはとんでもない人がいるという話を聞いたこともありますが、私が出会った人はどの人も積極的で話しやすく、気さくな人ばかりでした。こればかりは、お会いしてみないと何ともいえないですね。
個人的にはマッチングした衛生士業務に留まらず、既存スタッフについての相談をいただいたり「自院を見て何か提案できるようなことはないか?」「おすすめのアイテムは?」「~について、勉強会はしてもらえる?」「(持っている資格について)あの資格はどうなの?」「WEBサイトのライティングをお願いしたい」などとお話をいただくこともありました。
前提として条件や相性が合えばですが、スポットという形で人を受け入れるからこそ得られるものもあると思います。
「手数料が高い、使いにくい」などといった先生のお声も聞いていますが、違う視点での意見が得られたり、勉強会や直接スタッフに指導などのきっかけが作れるのであれば、人員不足や歯科衛生士の教育にお困りの方にとっては思わぬプラスのリターンが生じるということもあるのではないでしょうか。
マッチングサイトは上手に使うことが大切!
今回は、ビジネスマッチングアプリ・サイトについてお話しました。
マッチングアプリやサイト上では、どうしても給与や時間などの条件面がメインになってしまいます。単発で利用したい場合にはそれで十分かもしれませんが、理想のスタッフと出会うために用いたいのであれば、ただ掲載していても成果は見込めません。
マッチングは、あくまでも医院を知ってもらうための「きっかけ」だと考え、より理解を深めてもらうための『求人採用サイト』を設けておくのも良い方法だと思います。
マッチングサイト(認知) → 求人採用サイト(理解を深める)の流れを作ることで、より多くの求職者から厳選したDHの採用に繋げられるのではないでしょうか。
「条件面だけでなく医院の中身を知ってほしい」
「まずは話してみてから応募するか否かを決めてほしい」
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