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歯科医院の勤務医の年収は?歯科医師(勤務医)採用のポイントを解説!

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こんにちは、なるほど!デンタル人事編集部の中山です。

歯科医院 勤務医というワードを聞いて「なんだ?」と思われた方が多くいらっしゃると思います。

後ほどご紹介いたしますが、実は若い世代の歯科医師を中心に歯科医院を開業するのではなく、

勤務医として働くことを希望する方が増えています。

現在、歯科医師を採用したいが中々応募がこないと悩まれている先生も多くいらっしゃるかと思います。

今回の記事では、そういった勤務医の採用を考えられている院長先生に向けて、

歯科医師の働き方の傾向や年収、採用のポイントについてご紹介します。

そもそも今の歯科医師の国家試験合格率は?

毎年どのくらいの人(数)が歯科医師になっているのでしょうか。

旺文社 教育情報センターのデータによると2022年の歯科医師国家試験の合格率は61.6%となっており

10年前の2012年の合格率71.1%に比べ、より国家試験の難易度が高まっていることが窺えます。

2022年の合格者数は1,969名と、毎年およそ2,000名の方が歯科医師の資格を取得していることが

わかります。

しかし、歯科医師の高齢化が進む現代において、国家試験の難易度が高まったことで、若い歯科医師

の成り手が減少してきている今、今後の歯科医師の減少は避けられない状況といえるでしょう。

https://eic.obunsha.co.jp/eic/pdf/kokushi/2022/0401_4.pdf

引用:第 115 回 歯科医師国家試験結果(2022年4月1日 旺文社 教育情報センター)

実は女性歯科医師が増加傾向?

そんな中で近年、女性の歯科医師の割合が増えてきています

2022年の合格者数、1969名の内男性が1,065名女性が904名と男女比の差は

ほとんどないことがわかります。

これは近年、産休・育休制度など働き方改革における動きが、家庭と仕事の両立を促していることで

女性の歯科医師が増えている傾向にあると考えています。

厚生労働省のデータによると、2020年時点での女性歯科医師の割合が

4人に1人となっており、10年前の2010年では5人に1人の割合に比べ増加していることがわかります。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/20/dl/R02_1gaikyo.pdf

引用:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(令和4年3月17日 厚生労働省)

歯科医院を開業したいと希望している割合は?

実際に歯科医院を開業をしたいと望む人がどのくらいいるのか、JDCnavi 研修が

令和元年度に歯科医師臨床研修修了予定の歯科医師からとったアンケートによると

「10年後にどこで働いていると予想しますか?」という質問に対して

開業と答えた方が、全体の15%に止まっており、近年では開業よりも

勤務医を希望する方が多い結果となっています。

https://www.jdc-navi.com/blog/details.jsp?id=208

引用:10年後の働き方は、開業?勤務?どっちが多い?(2021年7月2日 JDCnavi 研修)

歯科医院の勤務医を選ぶ方が増えている理由3選

なぜ近年、勤務医として働くことを選ぶ方が多いのでしょうか。3つの理由をご紹介します。

歯科医院の勤務医としての年収に満足している

デンタルサポート株式会社が行なった「転職やキャリアに対する意識調査」によると

年収500万~600万円の勤務医が最も満足度の高い結果となりました。

そこまで高い年収は必要ない…と感じている歯科医師の方も多いのが要因の一つとなっています。

歯科医院の経営の知識がないから

開業をするためには、もちろん経営の知識が必要です。経営の知識・ノウハウを教える医院

も少なくはありませんが、全ての医院で教えているわけでもありません。また開業に際し人員を

募集したりなど、やるべきことがたくさんあります。開業をする際の懸念材料の一つともいえるでしょう。

歯科医院開業によるリスクを感じたくない

先ほどもご紹介しましたが、開業するとしなければならないことがたくさんあります。

人員の募集もそうですが、新規の患者さんを集患しないといけません。そのためには広告を出さなければ

なりませんし、医院を建てる費用に加え、資金調達にも錯綜することでしょう。

開業するのも魅力的ですが、こういった懸念材料が多いのも事実です。

https://www.dentalsupport.co.jp/info/20221124/

引用:歯科医師対象「転職やキャリアに対する意識調査」(2022年11月24日 デンタルサポート株式会社)

現在、歯科医院を開業している歯科医師の割合は?

ここまで勤務医のデータを見てきましたが、次に開業医についてのデータを見ていきたいと思います。

厚生労働省のデータによると

2020年の診療所で働いている歯科医師は85.4%、そのうち代表者として働いている人の割合は54.8%

診療所で働く歯科医師の約半数が開業医だということがわかります。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/20/dl/R02_1gaikyo.pdf

引用:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(令和4年3月17日 厚生労働省)

歯科医師が開業を選ぶ理由3選

ではなぜ開業する(している)歯科医師が多いのでしょうか、3つの理由をご紹介します。

理想の歯科医院(治療)を追求したい

理想の歯科医院を作りたい、理想の治療を追求したいというのは、開業する理由の中でも最も多く

挙げられています。勤務医として働いていて徐々に開業への意識が強まる場合もありますし、

元々の人生設計(プラン)の中に入っていたという方もいらっしゃいます。

内装やデザインなど自由にできる

先ほどもご紹介した理想の歯科医院に近いかもしれません。自分の思い描く歯科医院、

コンセプトに合わせた内装またデザインを自由にすることができます。開業したらこんな

歯科医院にしたいと思い描いている歯科医師の方も多いのではないでしょうか。

勤務医との年収の違い

勤務医と違い、開業医として成功していけばその分収入を得ることができます。

令和元年には開業医の年収は平均1,000万円を超えており、年収を上げることを目標にされている方も

多くいらっしゃいます。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/22_houkoku_iryoukikan.pdf

引用:第22回医療経済実態調査の報告(令和元年度 11月 厚生労働省)

歯科医院の開業医と勤務医の年収の平均と違いは?

先ほど簡単に開業医と勤務医の年収の違いをご紹介しましたが、ここで改めて詳しくご紹介します。

歯科医院の開業医と勤務医の年収と差は?

開業医の平均年収は、1,400万円程となっております。

一方、勤務医の平均年収は、690万円〜700万円程となっており、約2倍近い差が生まれていることがわかります。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022

引用:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚生労働省)

都市部と地方での歯科医院の勤務医の年収の差は?

2022年「賃金構造基本統計調査」によると、都道府県別の歯科医師年収は

都市部よりも地方の方が高いという結果になっています。

ただ、データが取れていない都道府県もありますので、あくまでも参考程度に見ていただければと思います。

TOP10は以下の通りです。

1位:大分県(約1,024万円)

2位:鳥取県(約954万円)

3位:沖縄県(約928万円)

4位:熊本県(約868万円)

5位:佐賀県(約846万円)

6位:群馬県(約860万円)

7位:新潟県(約830万円)

8位:神奈川県(約809万円)

9位:千葉県(約765万円)

10位:岩手県(約764万円)

https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003445758

引用:賃金構造基本統計調査

経験年数による歯科医院の勤務医の年収の変化は?

平均年齢が高い方が年収も高くなっている傾向にあります。

特に20代の平均年収と30代以降の平均年収の差は顕著であり、

70歳以降の場合は大幅に年収が下がってしまうという特徴があります。

年齢年収(万円)
~19歳
20~24歳210.2
25~29歳464.1
30~34歳642.2
35~39歳991.8
40~44歳1,004.1
45~49歳1,252.4
50~54歳1,082.3
55~59歳1,199.4
60~64歳1,047.5
65~69歳
70歳~585.2

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022

引用:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚生労働省)

歯科医師(勤務医)を採用する方法とは

ここまで開業や勤務医についてご紹介してきました、依然として現在開業をする歯科医師が多い中、

今後は勤務医が増えてくることが予想されます、そんな時代背景に合わせ

現在、歯科医師不足で悩まれている院長先生、人事のご担当者様にはチャンスになります。

今回は、今後歯科医師(勤務医)を採用するうえでのポイントを3つご紹介いたします。

ターゲットとなる歯科医師を決定する

採用を行う上で、ターゲット設定は重要なポイントになります。

ターゲットを設定することで、その人に向けた訴求(アピール)や求人票の作成などを行うことができます。

ターゲットを設定しないまま、採用活動を行なってしまうと

「年齢が高い人しか応募してこないな…」

「採用したのはいいけど、全然スキル足りないじゃん…」

とミスマッチになってしまう可能性が高くなります。

また、ターゲット設定はより具体的に行うことがおすすめです。

おすすめなのが、ペルソナ設定

性別や年齢、趣味、家族構成など細かい情報まで設定して作り上げましょう。

採用したい人をイメージしやすくなるので、この人を採用するために…と

採用担当者の中でもアピールポイントなど決めやすくなります。

競合となる歯科医院を調査する

あなたは、地域にある他の歯科医院が歯科医師の採用を行っているかどうか

ご存じですか?ライバル医院の情報を知らずに採用を進めることは危険です。

注目すべき点は2つ

  • どんなアピールポイントで出している?
  • どんな給与で出している?

自院独自のアピールポイントを出そうとしても、中々難しいことだと思います。

逆にライバル医院の情報を見ることで「こんなアピールポイント」があったのかと

気づきを得られ、自院のアピールポイントにも活かせるかもしれません。

また、給与の相場を確認することも重要です。歯科医師に限らず、仕事を探している求職者が

最も重要視する項目の一つと言えるでしょう。なかなか応募がこないと感じているあなたも

相場と自院の給与を今一度比較・確認してみましょう

自院の採用サイト(ページ)で情報を発信する

歯科医師のために求人に関する情報を発信することは必要不可欠です。

そのために自院の採用サイト(ページ)を有効的に活用しましょう。

ぜひ取り入れたいコンテンツは3つ

  • スタッフインタビュー
  • 業務の様子、院内の雰囲気(写真または動画)
  • 募集要項

多くの方が求めているのは、実際に働く姿がイメージできるような情報

また、給与や福利厚生などの条件面です。

スタッフインタビューで自院のありのままを伝えたり、その中で院内の様子

や業務を写真や動画を使って上手く求職者に伝えましょう。

募集要項にも工夫が必要です、あくまでも実際に働く姿をイメージしたいと

考えているので、仕事内容や1日の流れなどより細かく伝えることが重要です。

その中で、実際に働いている先生をモデルにするとより作りやすいでしょう。

歯科医師の採用で注意すべきポイントとは?

ターゲットを決める際の注意点

先ほど、ペルソナ設定についておすすめさせていただきましたが、

ペルソナをそのまま採用基準にしないようにしましょう。

あくまでイメージを具体化することになりますので、採用基準とは分けましょう

ペルソナを採用基準にしてしまうと、必要な資格や経験を持っていない方を

採用してしまうことになりますのでミスマッチが起きてしまいます

また、採用選考時にペルソナを意識した質問をしてしまうと就職差別につながる恐れがあります。

以下が配慮すべき項目となります。

採用選考時に配慮すべき事項

<本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

<本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条などに関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<採用選考の方法>
・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図等を提出させること」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

公正な採用選考の基本

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm

採用サイトの注意点

歯科医師のニーズに合った情報を掲載する

ひと口に歯科医師といっても、年齢や性別などによって求める情報は異なります。求職者は何を知りたいのか、アンケート調査を行い、データを公開している会社もあります、自院がどの年齢層、性別を求めているのかを明確にした上で、ニーズに合ったコンテンツ・情報を掲載しましょう
また、同じ情報を何年も掲載し続けるのは勿体ありません、求職者のためにアップデートを加えていきましょう。

もっと学びたい方のために

また、院長・事務長・採用担当者の方のための「歯科衛生士 採用セミナー」を開催しております。DHが応募したくなる求人票の作り方や競合医院に勝つ方法などをセミナーの中でご紹介しております。興味のある方はぜひご参加ください。

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