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<歯科助手の年収>知っておくべき相場と適正水準とは

その他

歯科医院の経営において、優秀な歯科助手の採用と定着は大きな課題のひとつです。
そんな中、「どれくらいの給与が適切なのか分からない」とお悩みの院長先生も多いのではないでしょうか。

本記事では、歯科助手の平均年収や地域ごとの違いや、給与設定時に考慮すべきポイントについて説明していきます。

歯科助手の平均年収について

まず、全国的な歯科助手の年収相場を確認しておきましょう。目安を知ることで、貴院の給与設定が市場と比べてどの位置にあるのかを把握できます。

2025年2月時点の「求人ボックス 給料ナビ」によると、歯科助手の全国平均年収は約339万円です。
これは月給換算で約28万円に相当し、初任給は22万円前後が相場とされています。

また、正社員の給与分布では、314万円から407万円の範囲に多くの方が位置しており、全体の給与幅は314万円〜1,059万円と、広めであることが特徴です。

参考:求人ボックス 給料ナビ|歯科助手の年収

地域別年収

都道府県 平均年収
北海道259万円
青森245万円
岩手268万円
宮城288万円
秋田236万円
山形265万円
福島259万円
茨城288万円
栃木288万円
群馬288万円
埼玉259万円
千葉288万円
東京403万円
神奈川317万円
新潟259万円
富山259万円
石川288万円
福井288万円
山梨259万円
長野288万円
岐阜259万円
静岡288万円
愛知317万円
三重288万円
滋賀288万円
京都288万円
大阪346万円
兵庫288万円
奈良288万円
和歌山259万円
鳥取259万円
島根259万円
岡山288万円
広島288万円
山口288万円
徳島288万円
香川259万円
愛媛259万円
高知259万円
福岡288万円
佐賀230万円
長崎259万円
熊本259万円
大分259万円
宮崎230万円
鹿児島259万円
沖縄230万円

引用元の「平均年収.jp」によると、東京都の平均年収は403万円最も低い沖縄県では230万円とされており、最大で173万円もの地域差があることがわかります。

引用:平均年収.jp|歯科助手の年収

経験年数による年収の変化

歯科助手の年収は経験年数とともに段階的に上昇する傾向があります。キャリアステージごとの相場を把握しておきましょう。

未経験・新卒
年収は200~250万円程度からスタートします。この段階では基本的な受付業務や簡単な診療補助を担当することが多く、給与も基本給中心の構成となります。

経験3~5年
年収は280〜320万円ほどに上昇するのが一般的です。診療補助のスキルも安定し、予約管理や治療説明のサポートなど、より責任ある業務を任されるようになります。

経験10年以上のベテラン
年収350~400万円以上の方もいらっしゃいます。
このレベルでは、新人指導や院内業務の改善提案などにも関わるようになり、高い専門性と信頼性が評価のポイントとなります。

年齢別給与

年齢年収月額給与
20〜24歳231万円14万円
25〜29歳231万円〜281万円18万円
30〜34歳222万円〜322万円20万円
35〜39歳229万円〜333万円21万円
40〜44歳253万円〜374万円23万円
45〜49歳297万円〜419万円26万円
50〜54歳339万円〜449万円28万円
55〜59歳336万円〜446万円28万円
60〜65歳203万円〜446万円19万円

引用:平均年収.jp|歯科助手の年収

歯科医院の規模・診療科目による年収の違い

勤務先の特徴によっても、歯科助手の年収には違いが出てきます。

個人経営の歯科医院
250〜320万円がひとつの目安です。家庭的な雰囲気の中で働ける一方、給与水準は比較的控えめになる傾向があります。

✅ グループ医院や大規模な医療法人
320〜380万円とやや高めの年収設定が一般的です。人事制度が整っており、昇進・昇格の仕組みも明確になっているケースが多く見受けられます。

矯正歯科や口腔外科など、専門性の高い診療科
歯科助手の年収も比較的高くなります。特に矯正歯科では、長期治療に伴う計画説明や器具管理など、専門知識を求められる場面が多く、〜400万円の年収の方もいらっしゃいます。

資格・スキルが年収に与える影響

歯科助手の収入を上げていく上で、資格の取得やスキルアップは非常に効果的です。

たとえば、歯科助手資格認定試験に合格すると、月額5,000〜10,000円の資格手当を支給する医院さんもいらっしゃいます。

また、歯科医療事務検定を持っていると、受付や保険請求などの業務において正確さが証明され、小規模医院では特に重宝したいスキルとなるでしょう。

その他にも、電子カルテ操作ビジネスマナー接遇スキルなど、業務を円滑に進めるためのスキルも評価の対象となります。こうしたスキルを持つスタッフは、患者さんとのコミュニケーションにも優れ、医院全体の質の向上にも貢献してくれます。

歯科助手の給与を決める際に考慮すべき要素

給与設定を検討する際には、次のような要素を総合的に評価する必要があります。

職務内容と責任の重さ

受付業務のみを担当するスタッフと、診療補助や患者説明、予約管理などを幅広くこなすスタッフでは、求められるスキルや責任の重さが異なります

たとえば、矯正装置の管理やインプラント治療の説明補助など、専門性の高い業務を任せる場合は、基本給とは別に手当の支給も検討しましょう。適切な評価が、モチベーション向上やスキルアップの促進につながります。

勤務時間と勤務体系

勤務時間や勤務形態は給与決定の重要な要素です。フルタイムとパートタイムの区別を明確にし、それぞれに適した給与体系を構築しましょう。

フルタイム勤務では月給制が基本ですが、土曜日の出勤や残業の有無に応じて、手当を加算することで働きやすさを確保できます。

パート勤務の場合は時給制が主流ですが、経験やスキルに応じて段階的に時給を設定することで、長期的な定着につながりやすくなります。

地域の物価水準

地域の生活コストを考慮した給与設定は、人材確保において極めて重要です。

都市部は、家賃や交通費などの負担が大きいぶん、給与も高い傾向です。給与が低めの地方は、通勤手段に制限があるケースもあるため、マイカー通勤手当の導入なども有効です。

医院の立地に応じて柔軟な制度を設計していきましょう。

医院の経営状況

医院の売上や来院数の増減に応じて人件費率(一般的に25〜30%が目安)を意識した給与設計を行うことも重要です。

人件費率 = 人件費 ÷ 総収入 × 100

もちろん無理な高待遇は経営の安定を損なう可能性があります。

ですが、業績が安定しており、かつ人件費率が許容範囲内であれば、給与を見直すことで定着率アップや応募者数の増加も期待できます。

経営シミュレーションや人件費率の計算は税理士、労働条件や雇用契約の適正化は社労士がそれぞれ専門ですので、必要に応じて連携して相談することをおすすめします。

採用活動で意識したい「給与の書き方」

求人に含めるべき情報

求職者が就職先を検討する上で大切な『給与』。
効果的に求人に掲載するには、応募者が知りたい情報を分かりやすい書き方で記載することが不可欠です。

給与については、基本給の他に各種手当の内訳を具体的に示しましょう

【記載例】

総支給:180,000円〜
・基本給:160,000円
・皆勤手当:10,000円
・歯科助手手当:10,000円
・通勤手当:上限5,000円 / 月

上記のように、手取り額をイメージしやすい書き方だと親切ニャ!

【定着率UPのために】評価の基準は決まっていますか?

先生の医院では、「給与UPの評価の基準」が明確に決まっていますか?

経営・組織コンサルティングを展開する株式会社識学の調査によると、「評価の基準が不明確であることに不満を感じている」と発表されています。

■人事評価制度に不満の理由

1位「評価の基準が不明確」48.3%
2位「評価結果が報酬に反映されない」30.9%
3位「評価する人によって厳しさに差がある」28.1%

参考:人事評価の“モヤモヤ”に関する調査|識学

「給料UPのためにどう頑張れば良いかわからない」「頑張っても評価されているかわからない」状態が、離職の原因になり得るのです。

離職防止の為にやみくもに高い給与を設定するのではなく、まずは「スタッフの頑張りをを正当に評価できる人事評価制度」を整えることが大切です。

まとめ:適正な給与設定で優秀な人材を確保

歯科助手の年収設定は、医院経営においてとても大切なポイントです。

地域別の年収を参考にしながら、医院の方針や求める人材・スキルに合った金額に調整していきましょう。

また、経験やスキル、担当してもらう仕事の内容をしっかり評価し、評価の仕組みを見える化することで、”お互いに納得感のある給与”にすることができます。

適正な給与と評価の仕組みを整え、優秀な歯科助手の採用・定着を目指しましょう。

スタッフの採用にお悩みの先生はこちらのセミナーをご覧ください。

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