人事担当者必見!歯科衛生士を新卒採用するからこそ得られるメリット

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スタッフの新規採用をお考えの場合、即戦力を求める先生方は少なくないと思います。特に退職などにより人員が不足している場合にはその傾向が高いのではないでしょうか。

もし新卒で歯科衛生士を採用するとしたら、教育をするための時間や労力がどうしても必要になります。すぐに仕事を任せることは難しいため、人員不足の際には敬遠してしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、新卒だからこそ得られるメリットをお考えになったことはありますか。

今回は、歯科衛生士の新卒採用のメリット・デメリットや採用フローなどについて、中途採用と比較しながら解説していきます。これから新規採用をお考えの先生方は、ぜひ参考にしてください。

新卒採用とは?

「新卒採用」というと、3月に学校を卒業した人を採用することを思い浮かべる方が多いと思いますが、実際はどうなのでしょうか。まず最初に「新卒」とはどのように定義されているのか確認していきましょう。

一般的に新卒とは「就業経験のない学校を卒業して間もない学生」つまり「3月末に卒業または卒業見込みの学生」のことを指します。

しかし厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」によると、卒業後3年以内を新卒扱いとすべきものとされています。この指針からわかることは、新卒とは卒業した直後だけではないということです。人事担当者の方は、この点を念頭に置いておきましょう。

一方「既卒は、主に「学校を卒業後、正規に働いていない人」のことを指します。正規に働いていない人が対象となるため、卒業後に進学し退学した場合や、アルバイトで働いていた場合もこれに含まれます。

新卒採用と中途採用の違い

採用方法には新卒採用と中途採用がありますが、両者はどのような点が違うのでしょうか。

まず大きな違いは、その目的にあります。新卒採用では「将来のリーダーを育てること・組織の活性化」が大きな目的ですが、中途採用の目的は「スタッフを増やすこと」です。

スタッフの増員は欠員を補充するだけではなく、人員を強化し診療の質やサービスを向上させる上でも必要不可欠になります。また、新しい人材が入ることで新たな価値観やノウハウが得られる可能性もあるでしょう。他にも次のような違いがあげられます。

  • 入社時期・・・新卒は4月入社、中途採用は通年入社可能。
  • 選考・準備期間・・・新卒採用で在学中に内定した場合は数ヶ月以上。中途採用は長くても数週間程度で入社することが多い。
  • 教育コスト・・・新卒の場合はまっさらな状態のため、教育コストも高くなる。中途採用はある程度の知識や技術が身についているため、安く抑えられる。
  • 人件費・・・新卒では医院で定める初任給からスタート。中途採用では、経験に応じて給料を高くせざるを得ない。
  • 即戦力になるかどうか・・・新卒採用では全てのことを一から教育する必要がある。中途採用は医院の方針に沿った方法を覚えてもらえば、即戦力として活躍してもらえる可能性がある。

新卒採用のメリット・デメリット

新卒採用の場合、知識や技術について多くのことを教える必要があるため、院長や既存スタッフの負担がかかることは避けられないでしょう。

しかし、新卒採用だからこそ得られるメリットがあります。ここでは新卒採用のメリット・デメリットをご紹介していきます。

新卒採用のメリット

①将来のリーダー候補となる人材を採用できる

ポテンシャルの高い人材を確保し、将来の幹部候補として育てていくことが可能です。また、条件面よりも医院の理念や方針に共感して入社する人が多いと考えられます。

②医院の方針を浸透させやすい

まだどこの医院の色にも染まっていないため、教育されたことを素直に受け入れたり吸収したりしやすい状況にあります。医院の方針に沿った人材を育てやすいといえるでしょう。

③医院の活性化

新卒採用だからこそ得られる元気さや素直さは、医院の雰囲気を明るくしてくれるはずです。またスタッフが入社することで、新しいコミュニケーションも生まれます。こうした状況は、既存スタッフにも活気を与えてくれるのではないでしょうか。

④既存スタッフのモチベーションアップ

新しいスタッフの入社は、既存のスタッフにとっても良い刺激になります。新人教育を担当してもらうことで、今まで教わってきたことや学んできたことを、言語化して伝える機会を与えられます。スタッフたちにとって、知識や技術の再確認や改めて学び直すきっかけになるかもしれません。

⑤スタッフの年齢層の均等化

通院される患者様の年齢層は、比較的院長やスタッフの年齢層と同じ傾向があるのではないでしょうか。どちらも高齢になれば、やがて医院の継続が難しくなってしまいます。しかし様々な年齢層のスタッフがいれば、それぞれの年齢の患者様への対応もしやすくなります。患者様の年齢層が幅広くなることは、歯科医院の経営を長く続けていくことにも繋がるでしょう。

⑥採用コストや既存スタッフの負担削減

新卒採用で複数の人材確保ができると、採用コストや教育にかかる時間を抑えられます。また教育や研修なども一度に行うことができるため、費用を削減できるだけではなく、教育担当スタッフの負担も減らすことができるでしょう。

新卒採用のデメリット

①入社までの期間がかかる可能性が高い

新卒採用はまだ学生のうちに面接などを行うことがほとんどです。そのため、卒業して入社するとなるとそれなりに時間がかかります。

既に人が足りていない状況では、既存スタッフに大きな負担がかかってしまうかもしれません。入社後の教育などに時間を要する点も考慮し、やや余裕の持てる体制を予め作っておくことが理想的です。

②即戦力としては期待できない

歯科衛生士になるための教育や臨床実習を受け、国家試験に合格しているとはいえ、実際に働くとなるとまだまだ知識も技術も不十分です。入社後はしっかりと研修を行う必要があり、戦力となるまでには時間がかかるでしょう。

③教育するための時間とコストがかかる

学生生活から初めて社会に出る新卒者は、まだ社会人としての基本的なことも身についていません。歯科的な知識や技術だけではなく、挨拶や接遇、マナーなども一緒に教育していかなければならないでしょう。

そのため新人教育のための研修や講習会などには、時間もコストも必要になります。院内での研修では既存スタッフの手が埋まることになり、教育担当のスタッフは今までと同じように業務をこなすことは難しくなるでしょう。また、外部の講習を受けてもらう場合には費用もかかります。

④早期離職が生じやすい

新卒採用では社会人(正社員)の経験がない人を採用するため、早期離職が生じやすい傾向があります。学生の時とは求められるものも、休暇の取り方も異なりますが、初めての経験で戸惑うこともたくさんあるでしょう。人によってはこの大きな変化に関して「ついていけない」「ここの歯科医院は自分に合わない」と感じるかもしれません。

とはいえ経験のない人の感じることですから、正しい判断ができているともいえないでしょう。しっかりと社会の一員として馴染んでいけるように、歯科医院側でフォローしてあげることも大切です。

中途採用のメリット・デメリット

次に中途採用でのメリット・デメリットをご紹介していきます。新卒採用と比較しながらご覧ください。

中途採用のメリット

①即戦力になるスタッフを採用できる

ある程度の社会人経験があるため、中途採用の場合は基本的なマナーを身に付けられている可能性が高いでしょう。同じ業界での経験者であれば、即戦力としても期待できます。

②必要なポジションを補うことができる

例えば「チーフ候補が欲しい」などピンポイントでの採用ができるため、必要としている人材を採用することが可能です。

③教育時間や研修コストの節約

多くの場合、教育教育に必要な時間や研修コストは新卒採用より抑えられるでしょう。新卒採用と比べ採用時のコストは高額になりますが、その後即戦力となるまでの期間やコストを考慮すれば、結果的にコストを節約できると思われます。

④新たな視点やスキル・ノウハウを得ることができる

歯科医院によってそれぞれ特徴は異なりますし、力を入れていることも違います。以前他の歯科医院で勤務していた歯科衛生士から、新たなスキルやノウハウを得られるかもしれません。これは中途採用ならではの大きなメリットだといえるでしょう。

⑤採用までの期間が短い

中途採用の場合は、面接などから採用までの期間が短いと言う特徴があります。早ければ一週間程度、遅くとも数週間以内には決定することがほとんどです。

中途採用のデメリット

①歯科医院の方針に馴染めない可能性がある

前職での価値観や今までに身につけてた癖などがあるため、新しい職場になかなか馴染めないこともあります。歯科衛生士としてのスキルはあっても、あなたの医院で働くことは初めてです。人によっては、馴染むまでに時間がかかる可能性があります。

②新卒採用に比べ人件費が高い

経験者を採用する中途採用では、新卒採用と比べて給与が高くなるため人件費は高くなります。

必見!新卒採用フロー

実際に新卒採用を行う時、具体的にはどのような流れで進めたら良いのでしょうか。事前準備を十分にした上で臨まないと、失敗に終わってしまうこともあります。

ここでは、新卒採用を成功させるために参考にしていただける「新卒採用フロー」をご紹介していきます。

①ターゲットの明確化

まずはどんな人を採用したいか?というターゲット設定を行います。

ここが決まっていないと採用活動の時にブレが生じ、結果的に求めていた人材とは異なる人を採用してしまいかねません。あなたの医院の方針や理念、価値観に合う人材とはどのような人でしょうか。今一度、確認してみてください。

②採用人数の決定

長期的に歯科医院を存続させるためには、定期的に余裕を持って新卒採用を行うことが望ましいと思われます。しかし、採用するかどうかは医院の患者様の数や経営状態によって左右される部分でもあります。毎年景気や医院の状況を把握した上で、新卒採用が必要なのか、その場合は何人採用するのかを決めていきましょう。

③スケジュールの策定

採用スケジュールは、募集する時期によっても大きく変わります。例えば、臨床実習が終わる夏休みと国家試験後の一段落した頃に募集開始するのでは、段取りは同じでもスピード感は全く違うでしょう。

いつ準備を始めるかや募集開始時期、選考・面接時期などを年次単位で大まかに決めていきます。

④採用方法の決定

ただ求人情報を出しているだけでは、新卒歯科衛生士を採用することはできません。既にご存知のように、歯科衛生士は不足している状況だからです。採用方法には、求人媒体・SNS・人材紹介・自社求人サイトなど様々な方法があります。設定したターゲットや人数、募集条件などを元に、適した方法を選択しましょう。

⑥選考

書類選考・面接、適性検査などを通して、採用者の選考を行います。

内定者が決定したら、その旨をできるだけ口頭で伝えることをおすすめします。改めて相手の反応を確かめられますし、採用理由なども伝えることでモチベーションを高めることにも繋がるからです。

⑦内定者のフォロー

もし入社までの間に期間がある場合は、そのまま放置しないようにしてください。定期的に連絡を取り合ったり、食事会に招待するなど、入社前からコミュニケーションを取っておきましょう。入社後スムーズにスタートをきれるようになります。
また内定が決まっていても、中には引き続き求職活動を続けている場合もあり、採用決定後に「辞退したい」と申し出られてしまうこともあります。入社までの期間も、意識してフォローするようにしてください。

⑧振り返り

一年の採用活動の振り返りを行います。実施した採用方法で思うような反応は得られたでしょうか。応募した人は設定したターゲットに当てはまるものだったでしょうか。改善点があればそれを明確にし、必ず次回の採用活動に生かすようにしてください。これらは、新卒採用を成功に導くために欠かせないことです。

こんな時は特に新卒採用がおすすめ

新卒採用と中途採用にはどちらにもメリット・デメリットがあります。スタッフを増やしたいけれど、どちらが良いのかお悩みの先生方もいらっしゃるかもしれません。

まずは「何のために採用するのか?」という採用目的を明らかにしましょう。その上で、ターゲットを決めて採用活動を行うようにしてください。

特に新卒採用は、次のような場合におすすめです。

  • 医院の方針を浸透させたい
  • スタッフの年齢層を広くしたい
  • 医院を活性化・成長させていきたい

上記のような場合は、新卒採用だからこそのメリットを最大限に生かすことができます。

まとめ

今回は、歯科衛生士の新卒採用には多くのメリットがあるという点についてお話しました。

目先の利益を考えると、中途採用だけを行う歯科医院も多いと思います。しかし医院を長く経営していく上では、新卒採用の歯科衛生士の存在はとても大きく欠かせないものです。長期的な経営計画のもとに事前準備を入念に行い、採用活動を進めていきましょう。

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