歯科医院が利用できる助成金について解説 2024年度版

開業・経営

助成金とは、国、地方公共団体、民間から提供される雇用の促進、スタッフの能力開発、職場改善などを支援するために支給される支援金のことです。
助成金を受け取るためには、助成金ごとの一定の要件を満たす必要があり、申請や審査が必要になります。
助成金の中には、歯科医院が利用できるものも多々あります。
特に、「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用の正社員への登用などの採用活動へのPRにも役立つ助成金です。
また、「人材確保等支援助成金」は、採用活動へのPRになる魅力ある職場づくりが可能になります。

本記事では、歯科医院が利用できる助成金について解説していきます。

歯科医院が利用できる助成金とはどのようなものか?

助成金には様々な種類がありますが、その中で用途や申請要件などによって歯科医院が利用できる助成金、利用できない助成金があります。
令和6年現在、歯科医院が利用できる雇用の促進のための助成金の中で代表的なものは、「キャリアアップ助成金」「人材確保等支援助成金」などです。

他にも歯科医院が利用できる代表的助成金として、「トライアル雇用助成金」「人材開発支援助成金」「両立支援等助成金」「働き方改革推進支援助成金」などがあります。

ただし、助成金は予告なく終了することがあるため、申請を検討する場合は厚生労働省サイトで直近の情報をご確認ください。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者の企業内、歯科医院でいえば医院内でのキャリアアップのために、正社員化や処遇を改善する取り組みを実施した事業主に対して支給する助成金です。
キャリアアップ助成金には、非正規雇用のスタッフを正社員化するための「正社員化支援」と、処遇改善の取り組みをする「処遇改善支援 」があり、それぞれいくつかのコースに分かれています。

キャリアアップ助成金の概要

キャリアアップ助成金の内、歯科医院が利用できそうなコースは以下の4コースです。

・正社員化コース
有期雇用労働者や無期雇用労働者などに対して、正社員化した場合に支給される助成金です。

・賃金規定等改定コース
有期雇用労働者などに対して、基本給の賃金規定などを3%以上増額改定した場合に支給されます。

・賃金規定等共通化コース
雇用するすべての有期雇用労働者などに対して、正規雇用労働者と共通の職務などに対応した賃金規定等などを新たに作成した場合に支給される助成金です。

・賞与・退職金制度導入コース
すべての有期雇用労働者などに関して、賞与や退職金制度を新たに設定して支給もしくは積立てなどを実施した場合に支給される助成金です。

キャリアアップ助成金の実際の申請方法、支給要件、助成額などを知りたいと思った先生は、社労士などの専門家へ相談をお願いします。

歯科医院がキャリアアップ助成金を導入することによるメリット

歯科医院がキャリアアップ助成金を導入することで、採用時に正社員への登用制度有りと記載することができるため、有利な採用ができます。
また、スタッフの正社員化や処遇改善は、スタッフのモチベーションアップが図れるため、キャリアアップ助成金の利用はお勧めです。

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金とは、労働環境の向上などを図り、魅力ある職場づくりのために事業主に対して支給する助成金です。
人材確保等支援助成金は、魅力ある雇用創出を図り人材の確保や定着のために、いくつかのコースに分かれています。

人材確保等支援助成金の概要

人材確保等支援助成金の内、歯科医院が利用できそうなコースは以下の2コースです。

・人事評価改善等助成コース
生産性向上に役立つ人事評価制度を整備して、定期昇給のみにならない賃金制度を作成することにより、賃金アップや離職率の低下を図る事業主に対して支給されます。

・テレワークコース
テレワーク制度を導入することにより、労働者の人材確保や雇用管理改善などの効果をあげた中小企業事業主に対しての助成金です。
ただし、歯科医院でのテレワーク導入は、難しい点も多々ありますので、利用は難しいかもしれません。

人材確保等支援助成金の実際の申請方法、支給要件、助成額などを知りたいと思った先生は、社労士などの専門家へ相談をお願いします。

歯科医院が人材確保等支援助成金を導入することによるメリット

人事評価制度の整備や、労働環境の向上による魅力ある職場づくりは、歯科医院にとって有利な採用や離職率の低下に大きな意味を持ちます。
しかし、魅力ある職場づくりにはそれなりの費用がかかるため、人材確保等支援助成金の導入による助成金の支給は歯科医院にとって大きなメリットです。

その他の歯科医院が受けられる助成金

ここまで紹介してきたキャリアアップ助成金や、人材確保等支援助成金を受けることで,雇用の促進を促すことが可能です。

ここでは、その他の歯科医院が受けられる助成金の内、代表的な助成金について紹介していきます。

その他の歯科医院が受けられる助成金の実際の申請方法、支給要件、助成額などを知りたいと思った先生は、社労士などの専門家へ相談をお願いします。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金は、経験不足などが原因で就職することが難しい求職者などを、無期雇用へ移行するのを前提に一定期間試行雇用する歯科医院に対して支給される助成金です。
歯科医院にとって、即戦力でない経験の少ないスタッフを採用する時のリスクを軽減するために役に立つ助成金です。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、職務に関係のある専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練などをスタッフに実施した場合に、その経費や訓練期間中の賃金の一部が支給される助成金です。
平成6年現在の人材開発支援助成金は6コースありますが、歯科医院が利用できそうな人材開発支援助成金は以下の2コースです。

・人材育成支援コース
雇用するスタッフに対して、職務に関連した知識や技能を習得させるための職業訓練、OJT付き訓練、正社員化を目指す訓練を実施した場合に支給されます。

・教育訓練休暇等付与コース
年次有給休暇とは別の有給の教育訓練等制度を導入して、スタッフが休暇を取得して訓練を受けた場合に支給される助成金です。

両立支援等助成金

両立支援等助成金とは、スタッフが仕事と育児や介護などと両立できる職場環境づくりのための助成金です。
両立支援等助成金には、以下の6種類のコースがあります。

・出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
男性スタッフの育児休業取得のための雇用環境整備の措置の実施や、男性スタッフの育児休業取得率の上昇を図った中小企業事業主に対しての助成金です。

・介護離職防止支援コース
作成した介護支援プランに沿ってスタッフの介護休業の取得や職場復帰に取り組み、介護両立支援制度を利用した中小企業事業主に支給される助成金です。

・育児休業等支援コース
作成した育休復帰支援プランに沿ってスタッフの円滑な育児休業の取得や職場復帰に取り組んだ中小企業事業主に支給されます。

・育休中等業務代替支援コース
育児休業や短時間勤務を利用するスタッフの業務を代替するスタッフへの手当支給や、代替要員の新規雇用を実施した中小企業事業主に支給される助成金です。

・柔軟な働き方選択制度等支援コース
育児期の柔軟な働き方に関する制度を複数導入し、制度を利用したスタッフを支援した中小企業事業主に支給されます。

・不妊治療両立支援コース
不妊治療をしているスタッフのための職場環境の整備や、不妊治療のための休暇制度や両立支援制度をスタッフが利用した中小企業事業主に支給される助成金です。

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金とは、中小企業の労働時間の改善の促進を目的として、労働時間の縮減に取り組む中小企業などに支給される助成金です。
働き方改革推進支援助成金の内、歯科医院が利用できそうなコースは以下の3コースです。

・業種別課題対応コース
生産性を向上させて時間外労働の削減、週休2日制の推進、勤務間インターバル制度の導入、医師の働き方改革推進のための環境整備に取り組んだ場合に支給されます。

・労働時間短縮・年休促進支援コース
生産性を向上させて時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進のための環境整備に取り組んだ場合に支給されます。

・勤務間インターバル導入コース
勤務間インターバルとは、勤務終了後の次の勤務までに一定時間以上の休息時間を設けることにより、スタッフの生活や睡眠の時間を確保して健康保持を図るものです。
勤務間インターバル導入コースは、勤務間インターバル制度の導入に取り組んだ場合に支給される助成金です。

歯科医院が助成金を受けるメリット

歯科医院が助成金を受けることで、福利厚生の充実や、人材育成のために助成金を使えることで、スタッフが働きやすい環境を作ることができます。
その結果、採用における優秀な人材の確保だけでなく、現在働いているスタッフのモチベーションも上がり、離職率の低下にもつながります。

歯科医院が助成金を受ける場合の注意点

助成金は毎年要件が変わるため、同じ名前の助成金であっても受給要件が変わっている場合もあり、歯科医院が助成金を申請する場合には注意が必要です。
また、制度が複雑であり申請も難しいため、社労士などの専門家に依頼することが多く費用もかかります。
さらに、助成金は予告なく終了することもあり、申請から受給までに時間がかかる助成金もあることが注意点です。

まとめ

人材不足で悩んでいる歯科医院は、助成金を申請することで優秀な人材を採用できることに目がいきがちです。
もちろん助成金を利用することで、新たな人材を採用できるかもしれません。
しかし、それだけでなく、人材不足の解消のためには、離職率を低下させることが大切です。
歯科医院が助成金を利用することで、福利厚生が充実して職場環境が良くなり、スタッフの育成にもつながります。 
その結果、スタッフのモチベーションが上がり、離職率の低下につながれば、助成金を利用することは大きなメリットになるのです。

タイトルとURLをコピーしました