新しく歯科医院を開業する際の内覧会は、将来の患者さんとの初めての出会いになる大事なイベントです。
成功させるためには、しっかり準備して実施することがポイント。
本記事では、内覧会を成功させるためのステップと注意点を簡単にご紹介します。
歯科開業前内覧会の重要性
歯科医院の内覧会は、オープン前に地域の方々関係者に、院内や設備を見てもらい、医院の雰囲気を感じてもらうイベントです。
内覧会はただの内部見学会ではなく、地域の関係者とのつながりを作るとても大切な機会です。
これをうまく活用すれば、開業後の患者様の確保や、地域での認知度アップに大きく貢献できます。内覧会を効果的に行うことで、地域の方々との信頼関係を築き、集患に繋げることもできます。

具体的な内覧会準備ステップ
内覧会の成功は準備にあり。
「どんな方に来てほしいのか」「当日は何を重点的にアピールするのか」院長だけでなく、スタッフ全員の共通認識が成功のポイントです。
STEP1. ターゲット層の明確化
内覧会を成功させるためには、「どんな方に来てほしいか」を最初に決めることが大切です。
地域の人口データを見て、どれくらいの年齢層が多いかを把握することで、より効果的なアプローチができます。
この地域に多い年齢層は?家族層は多い?
- 若い家族が多い地域:キッズスペースや小児歯科の内容に力を入れた内覧会を計画します。
- 高齢者が多い地域:インプラントや入れ歯の説明に時間をかけることが有効です。
ターゲット層に合わせた内容で、来場者に響く内覧会が作れます。
STEP2. 日程と時間の決定
内覧会の日程は、地域の特性やターゲット層のライフスタイルに合わせて決めることが大切です。具体的には以下のような時間帯が効果的です。
- 🗓️ 平日開催の場合:
近隣の会社員が参加しやすい、ランチタイム(12:00~13:00)や退社後(17:00~19:00)の時間帯がおすすめ - 🗓️ 週末開催の場合:
家族連れが参加しやすい午前中から午後早め(10:00~16:00)がおすすめ
来場者が参加しやすい時間帯に設定しましょう。
STEP3. 効果的に集客活動を行う
SNSなどのソーシャルメディア
まずは無料で簡単に始めやすいSNSでの告知がおすすめ。オープン前に自院SNSアカウントを作成し、内覧会情報を告知しましょう。
チラシ・ポスティング
地域に認知されるためには、チラシやポスティングが効果的です。
- 駅周辺や商業施設でのチラシ配布。
- 地域の集合住宅や近隣企業への案内状送付。
Web広告の活用
デジタルマーケティングも重要な集客手段です。ターゲット層に向けたオンラインでの宣伝も忘れずに行いましょう。
- Googleマイビジネスを活用して、地域で検索されやすく
- InstagramやFacebookでの広告配信、地域情報サイトへの掲載など
⚠️ 告知の際は、医療広告ガイドラインの抵触に注意!
医療広告ガイドラインは、医療法に基づき厚生労働省が策定した医療機関の広告に関するルールです。
❌ 治療の効果を保証するような表現
例)「内覧会で無料体験!〇〇治療で必ず美しい歯に!」
❌ 誇大広告となる表現
例)「地域No.1の最新設備!必ず満足いただける医院です」
参照:医療法における病院等の広告規制について
STEP3 +. 地域密着型イベントとの連携
STEP3が出来たら、地域イベントにも目を向けてみましょう。地域とのつながりは、歯科医院の長期的な成功につながります。地域イベントとの連携を活用することで、より多くの人に内覧会を知ってもらうことができます。
- 商店街イベントや地域の子育てサークル、高齢者施設との協力が効果的です。
- 地元の活動に参加することで、地域の人々に信頼を築くことができます。
地域との関係を深めることで、内覧会への参加者を増やしましょう。
STEP4. 院内環境の整備
内覧会の第一印象を決める院内の見た目、雰囲気には特に注意が必要です。清潔でリラックスできる空間を作ることで、来場者に良い印象を与えることができます。
▼ 院内環境整備のポイント
- 明るく清潔な雰囲気を作るために、照明にこだわりましょう。
- 観葉植物やアロマを活用し、リラックスできる空間を演出します。
- バリアフリー対応をしっかりと整備。車いすでの移動がしやすい通路幅や段差の解消が大切です。
来場者が快適に過ごせる空間を提供することで、医院への信頼感が高まります。
STEP5. スタッフへの周知・教育
内覧会では、全てのスタッフが医院の特徴をしっかりと伝えることが求められます。事前にしっかりと研修を行い、以下のポイントに注意しましょう。
- 医院の診療方針や特徴をスタッフ全員が理解しておくこと。
- 想定される質問に対する回答準備をしておくこと。
- 接遇マナーをしっかり確認し、来場者に安心感を与える対応を心がけましょう。
スタッフ全員が一貫して対応できるように、事前準備をしっかり行いましょう。
また、来場者のターゲット属性に合わせて伝える内容を変えることも必要です。
例えば、お子様連れの家族には、キッズスペースが充実していることをアピール、高齢者の方には、バリアフリー設計や安全面の配慮を丁寧に説明するなどです。
こういった細やかな対応が、地域の方々に良い印象を与え、将来的な患者様獲得に繋がります。

おすすめ内覧会コンテンツ
内覧会を成功させるためには、ターゲット患者層に響くイベント内容を考えることが大切です。
例えば、歯磨き指導など、実際に来場者が体験できるイベントを用意すると、印象に残りやすくなります。
具体的にどんなコンテンツを準備すべきか、以下のポイントを参考にしてみましょう。
1. 無料相談・検診の実施
内覧会では、無料で相談や簡単な検診を提供することも有効です。実際に受診している雰囲気を感じてもらうことで、患者様自身も今後のイメージがつきやすくなります。
また、医院の専門性や診療方針を知ってもらいやすくなります。
▼ 実施例
- 簡単な検査(デジタルレントゲンや歯周病チェックなど)
短時間で結果を伝えることがポイント。
来場者が自分の治療の必要性を認識し、開業後に通院しようと思ってもらえるきっかけになります。

2. 館内ツアー・設備紹介
設備や診療環境を紹介することは、内覧会のメインとなるコンテンツです。
ツアーで設備の特徴や患者さんへのメリットをわかりやすく説明しましょう。
▼ 紹介のポイント
- 滅菌システムや痛みの少ない治療機器など、医院の技術や衛生管理をアピールする
- 快適な診療チェアやリラックスできる院内環境も紹介することで来場者の安心感を得ることができます。

3. 子ども向けイベントの開催
家族層の来場を促すために、子ども向けのイベントを企画しましょう。歯科衛生教育を楽しく提供することで、子どもたちの歯科への不安も和らげることができます。
▼ イベント例
- 歯みがき教室(楽しく学べる方法を指導)
- 虫歯予防クイズラリー(景品や飲み物付き)
お子さんが楽しめるイベントで、家族連れをターゲットにできます。

内覧会当日の運営と注意点
内覧会当日は、スムーズで丁寧な対応が求められます。以下の点に気をつけましょう。
・円滑な受付と案内を行う
- 受付担当者の配置をしっかり行い、来場者に不安を感じさせないように。
- 案内スタッフの動線確認や、待機時間を減らすための準備も大切です。
・丁寧な対応とコミュニケーションを意識
- 専門用語を避けて、わかりやすい言葉で説明を行いましょう。
- 参加者の関心や疑問に応じた具体的な情報提供を心がけます。
・トラブル発生時の対応を準備
予期せぬトラブルに備え、対応マニュアルを作成しておくことが重要です。スタッフ全員で情報を共有し、迅速に対応できる体制を整えておきましょう。
内覧会後に必要なフォローアップ
内覧会が終わった後、来院につなげるためのフォローアップが大切です。
- 内覧会特別割引や定期検診の受付を案内し、集患につなげる
- お礼状をお渡しするなど、来場者に対して感謝の気持ちを伝えまる
・アンケートの実施と分析
来場者のフィードバックを得ることで、今後の運営に活かすことができます。以下のポイントを中心にアンケートを行いましょう。
- 医院の印象に関する評価
- 希望する診療内容や改善点など
来場者の意見を収集し、改善に活かしましょう。

成功事例から学ぶ内覧会戦略
過去には、以下のような取り組みでオープン後の集客に繋がった事例もあったようです。
- 特典・割引券配布
オープン特典として、初回の診療割引や歯のクリーニングの割引券を配布 - 来場者プレゼント
歯ブラシや歯磨き粉などのグッズを来場者に配布 - デジタル歯科技術や予防歯科プログラムのデモンストレーション
最新技術の紹介や、治療法のデモンストレーションを実施
地域特性に合わせ内覧会を企画しよう
地域の特性やニーズを理解した上で、内覧会を企画することが重要です。地域に特化した内容にすることで、より多くの来場者を集め、開業後の安定した集患に繋がります。
来場者にとって価値ある時間を提供し、開業後の成功に繋げましょう!
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