【2024年最新情報】歯科衛生士の採用は難しい?理由と採用を成功させるコツを解説

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歯科衛生士の採用を行う中で「採用費用をかけても、なかなか採用できない」「数ヶ月募集してもまだ採用につながらない」とお困りの院長先生や人事担当の方はいませんか?

すべての業種職種の中でも、採用難易度が高いと言われる歯科衛生士採用ですが、その中でも実際に短期間で採用を成功させている歯科医院もあります。

そこで本記事では、「歯科衛生士の採用が難しい」と言われる理由から、その中でも採用を成功させるコツを詳しく解説します!

歯科衛生士の採用が難しい6つの理由

毎年、歯科衛生士国家試験を経て、歯科衛生士免許を取得し就職する人数は約7,000人
歯科医師と比べれば圧倒的に多いはずですが、それでも歯科衛生士の採用に苦戦する歯科医院も数多く存在します。

まずは、なぜ「採用費用をかけても、なかなか採用できない」という状況になっているのか、理由を詳しく解説します。

①歯科衛生士に対する有効求人倍率が高い

現在、歯科医院は日本全国に6.7万件以上の施設があり、歯科衛生士に対する有効求人倍率は、約23倍もあると言われています。

※公益社団法人でもある日本歯科衛生士会によると、歯科医院は、日本全国に67,137施設ほど、2022年度の時点で歯科衛生士の有効求人倍率は23.3倍にも上っています。

参照:歯科衛生士6つの魅力|公益社団法人 日本歯科衛生士会


つまり、"1人の衛生士を23の医院で取り合いしている"という状況になるんです。

他院と比較して選ばれる状況のため、情報が少ない、または同じ条件が多い場合、採用が難しくなってしまいます。

スタッフが働きやすい職場環境の整備を行い、魅力的な歯科医院にならないことには、23医院の競争を勝ち抜くことはできません。

【📝参考:主要都府県 歯科医院の数】
● 東京:10,661件
● 愛知:3,694件
● 大阪:5,446件
● 福岡:3,049件

※参照:医療施設動態調査(令和5年 10 月末概数)|厚生労働省

②歯科衛生士に対する給与・待遇面の弱さ

歯科衛生士の採用が難しい要因のひとつとして、歯科衛生士に対する給与・待遇面の弱さが挙げられます。

歯科衛生士は国家資格である歯科衛生士免許の取得が必須です。
専門的な知識・技術を必要とする職種のため、当然それに見合った給与や待遇が求められます。

そのような中、一部の歯科医院では給与が低く設定されていたり、長時間労働が通常という待遇面の問題が発生することがあります。
その点が原因で、歯科衛生士の求人に対する応募者が少なく、採用が難しくなっている現状があります。

特に歯科衛生士は女性が多い職種のため、ライフスタイルの変化が顕著に現れます。
診療時間が長い(=拘束時間が長い)職場では働きづらくなってしまいます。

③歯科衛生士の転職率が高い

歯科衛生士の採用が難しいと言われる要因のひとつに、転職率が高いという実態があります。

公益社団法人である日本歯科衛生士会の調査によると、全国の歯科衛生士に対して、「以前に勤務先を変更した経験があるか」を尋ねた結果、一度でも転職したことがあると回答した歯科衛生士の割合は21.4%で、「2回以上転職したことがある」と答えた人々の割合は52.0%に達しています。

※参照:令和2年3月歯科衛生士の勤務実態調査報告書|公益社団法人 日本歯科衛生士会

歯科衛生士の約7割以上が、一度は転職を経験しているという事実があるのです。
先ほどのように歯科衛生士の多くは女性のため、結婚や出産を契機に一度職場を離れることなどもあります。
その後、再度働きたいと思っても、家庭の事情や子育てとの両立に悩み、再就職につながらないということもあるかもしれません。

④労働力人口の減少

近年の少子高齢化により、労働力人口自体が減少していることも採用が難しくなっている原因のひとつです。
総務省の調査によると、2022年の労働力人口は6,902万人で、前年に比べると5万人も減少しています。

今後も、2030年では労働人口が510万人(ほぼ福岡県の人口)、2040年では1400万人(ほぼ九州の人口)減少すると言われています。 当然、歯科衛生士の数もこれからますます減っていくので、他院との競争も激しくなることが予想されます。

※参照:労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約|総務省統計局

⑤他院との求人の差別化が難しい

他院と比較して情報が少ないと他院との競争に勝ち抜くことができないとお伝えしましたが、歯科衛生士の求人は、業務内容や条件面など、他院との差別化が難しい、という側面もあります。
求職者が求人を見た時に、他院の求人と同じに見えてしまうようでは、なかなか興味を持ってもらうことができません。求職者に惹かれる求人作成がポイントになります。

また「新規オープン」「リニューアルオープン」といった歯科医院は、それだけで差別化になり人気の傾向にありますが、歯科医院の開業年数が経過すると、どんどん応募が減ってしまうため、他の部分での差別化が必要になります。

⑥採用にかける予算が不足している

一般的に、求人を媒体に掲載する場合、2週間で約15~20万ほどの費用が必要になります。
利用する人材紹介会社や使用する求人媒体によっては、数百万もの費用が発生することもあるでしょう。
こちらの短期間の費用ですぐに採用に結びつけばよいですが、応募が上手く集められなかった場合は、募集の延長が必要です。

採用できるまで延長するとその分の費用がかかるため、採用予算がつきてしまい、人材を確保する前に募集を終了せざるを得ない場合があります。

難易度の高い採用を成功させる6つのポイント

他院と同じことをやっても、歯科衛生士採用がうまくいかないことはご理解いただけたかと思います。
続いて、この難易度の高い歯科衛生士の採用を成功させるためのポイントを6つご紹介します。

①どんな人を採用したいかを決める

まず、採用を始める前に「どんな人を採用したいか(ターゲット)」を決めましょう。 ターゲットが決まらないと歯科衛生士の関心を惹くアピール方法が決まらず、どんなに採用を頑張っても応募は集まりません。

先生の想定とは違う求職者も集まりやすいので、入職後のミスマッチも起きやすくなります。

ターゲットを決めるには以下のポイントを参考に、「必須条件(絶対に外せない条件)」と「歓迎条件(できればあってほしい条件)」を明確にしましょう。

【ターゲットを決めるポイント💡】
● 採用したい歯科衛生士の実務経験年数は?(転職か復職?新卒採用?)
● どんなスキルを持っている?(SRPの熟練度は?育成指導の経験はある?)
● 求める学力や思考力は?
● どんな性格・価値観の方に来てほしい?
● 年齢や居住地域は?

一からターゲット像を決めるのが難しい場合は、働いているスタッフさんの中から「もう一人欲しい」と思う人選んで、ターゲット像のベースを作ると決めやすいですよ!

②求人情報は詳しく書く

採用したい人を決めたら、次は求人情報を詳しく書いていきましょう。
求人媒体の全ての項目に入力している、という先生も、実は歯科衛生士が本当に知りたい内容を書いていなかったりします。

  • どんな仕事を任せる?
  • どんな年代のスタッフが何人働いている?ママさん衛生士の人数は?
  • 研修やセミナーの補助はある?勤務時間内に実施される?
  • 先生の趣味は?休日は何をしている?

一見、採用には関係ないと思うような内容までしっかり書くことで、
「こんなに詳しく教えてくれる医院は他になかった!ここで働きたい!」
と先生の医院のファンになり、応募してもらえるようになります。

実際に、弊社が採用に関わらせていただいている先生からも、「ここで働きたい!と言ってもらえたよ」と嬉しいお言葉をいただいています!

見学や面接の時に聞けばいいじゃない!と思うお気持ちも分かります。
ですが、歯科衛生士の皆さんはたくさんの求人から職場を選ぶことができるので、わざわざ面接の時に質問しようとは思わないのです…

求職者が実際に働くイメージがしやすいように

  • 仕事の内容(どんな仕事や役割を任せるのか)
  • 研修、教育制度(育成マニュアルや教育制度の内容)
  • どんな年代のスタッフが働いているのか(数字[30代前半、3名など]を使う)
  • 先生のパーソナルな情報(休日の過ごし方、歯科診療のこだわり)

など、限界まで具体的な情報を掲載しましょう!

また求人に写真を掲載できる場合は、医院の魅力を伝えられるよう「医院の雰囲気が分かる写真」を可能な限りたくさん掲載するようにしましょう。

医院内や外観の写真よりも、スタッフや院長先生が写っている写真のほうが効果的です◎

【他にもある!求人作成や情報発信のポイント💡】
● 役割、責任、待遇について詳細に記載する
● 昇給やキャリアアップについて詳細に記載する
● 働く場所の詳細(最寄り駅からの距離、自家用車での通勤可否、家賃補助など)を記載する
● 勤務時間の詳細(残業時間など)を記載する
● 労働条件の詳細(休日、福利厚生、有給休暇の取得率など)を記載する
● 具体的な業務内容を記載する
● 自院で働く魅力ややりがいを記載する
● 職場の雰囲気や風土を記載する
● スタッフが写っている医院の雰囲気が分かる写真をたくさん掲載する
● 求職者が興味を持つキャッチフレーズを盛り込む
● 医院の雰囲気がリアルに伝わる動画を活用する

③歯科衛生士の給与はスキルに合わせて決める

給与も就職先選びには欠かせない要素です。 しかし「給与を上げれば人が集まる」という簡単な話ではありません。 給与の高さに惹かれて入職した人は、条件の良い別の職場を見つけるとすぐに転職してしまいます

給与はただ上げるのではなく、 ターゲットの実務経験の年数や持っているスキルに合わせた給与を設定しましょう! ターゲットに近い求職者が求人票を見た時に、先生の医院で働くイメージがしやすくなります。

医院側も求めるスキルに合ったスタッフに最適な給与を渡せるので、
人件費を圧迫させることなく、医院の売上を上げることができますよ。

「総支給:20万〜30万」など間が開いた給与の設定は絶対にNG!
自分がどのくらいの給与がもらえるのか分からないため、応募の候補から外されてしまいます…

【給与決めの一例💡】
(1)求める人材(歯科衛生士)の経験年数を決める
(2)経験年数からどんなスキルを持っていて欲しいかを考える
(3)その経験年数と持っているスキルから給与を設定する

その他、歯科衛生士は地域ごとによっても異なるため、「地域別相場」を確認するとよいでしょう。

④「先生の想い」を伝えてライバルと差別化する

ライバル医院との差別化って難しいですよね。
しかし、1つだけ他の医院と被らないものがあります。
それは「先生の想い」です。

先生の想いは今までの経験や、先生自身の人となりから形成されるため、先生だけが持っているものになります。

医院や先生の魅力を知ってもらうには「先生の想い」を伝えましょう!
医院の理念や職場環境、スタッフとの関係性には、先生の想いが必ず反映されています。

  • 理念を決めた理由
  • スタッフに対する想い
  • 患者様に対する想い
  • 学生時代や研修医時代に取り組んでいたこと

を求人票に入れることで、先生の医院の魅力を伝えることができます。

⑤ママが働きやすい、女性目線での求人づくり

歯科衛生士は9割以上を女性が占める職業です。
そのため、求人票作成も女性目線で行いましょう!
先生の医院で取り組んでいる、ママさん衛生士が働きやすい仕組みはありますか?

  • 産休、育休を完備している
  • ママさん衛生士が多く働いているので、急なお休みをスタッフ同士でカバーしている
  • 子育てがひと段落したら正社員になれる

など、ママさん衛生士が働きやすい取り組みもしっかり記載しましょう!

また、院長先生のみで求人票を作成することはおすすめしません。
院長先生は経営者でもあるため、どうしても現場目線と乖離した求人票になってしまいます。
スタッフと一緒に作成することで、より魅力的な求人票を作ることができますよ。

先生が子育て中であれば「子育て中」ということも記載してください。
「子育てを理解してもらえる環境だ」とママさん衛生士に応募してもらいやすくなりますよ!

⑥初めは低予算の施策から攻める

歯科衛生士の採用が難しい理由のひとつに、
採用にかける予算が足りないことも挙げられます。

まずはハローワークに掲載して反応を見るなど、無料〜低予算でできる施策から始めてみましょう!

【低予算でできる施策例:求人ポスターと求人カード】
求人ポスターと求人カードは低予算から始められる施策です。
患者様の知り合いの歯科衛生士に求人募集していることを知ってもらうことができます。

今までのポイントで書き出した医院の魅力を詰め込んだポスターを、待合室の掲示板に貼り、カードは持ち帰れるように受付やポスターの近くに設置してください。

ポスターやカードの制作はプロに依頼するのがおすすめです!
1万円前後で患者様の目を惹くデザインを作成してもらえるので、ぜひ活用してみてください。

まとめ

いかがでしたか?
採用は事前準備なしで始めてしまうと、
時間やお金などのコストが多くかかってしまいます。

ぜひ、ご紹介した採用を成功させるポイントを参考にしていただけますと幸いです。

当社では、歯科衛生士の採用ができずお困りの歯科医院の院長や人事担当の方向けに、採用成功に向けたセミナーを開催しています。
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