新人放置は辞める原因!歯科衛生士の教育対策を解説

定着・育成

職場において、新人の放置は退職につながるリスクがあります。

やっとの思いで歯科衛生士を採用できたのに、先生も先輩も忙しくて新人を放置してしまっている。
医院がそのような状態ならば今すぐに改善が必要です。

本記事では、新人を放置してしまう原因とその対策についてご紹介します。
新人スタッフが安心して業務に参加できるよう、働きやすい環境を作りましょう。

新人を放置してしまう原因

まず、職場で新人を放置してしまう原因について解説します。

①仕事が忙しく教育する時間がない

教育担当者の業務が忙しく、育成に割く時間がないというのが最も多いケースです。
特に、新卒採用の場合、新人が入職してすぐの4月や5月はどの部署も忙しいものです。
どうしても自分の仕事を優先してしまい、新人の教育が後回しになってしまうことがあるでしょう。

新人側も「質問したいけど先輩が忙しそうなので聞きづらい」「マニュアルはあるもののこれで正しいのか確認できないので先に進めない」といったように業務が進まず、孤立するリスクが高まります。

医院としては教育担当者の業務量を見直す必要があります。

②教育の組織体制が整っていない

教育担当者が休暇などで不在のときに新人が放置されているケースが見られます。
これは、新人教育の組織体制に問題があるといえます。

新人教育は一人の担当者に依存せず、担当者の不在時にも他のスタッフがサポートできる体制を整えておく必要があります。
医院全体で「みんなで新人を育成していく」という風土を醸成することが大切です。

③教育制度が整っていない

新人教育の制度が整っていないと、雰囲気や感覚での指導になりがちです。
その結果、気づいたら新人が放置されているといったことが起こります。

例えば、教育計画がないと「とりあえずこれをお願い」といった形で作業依頼をしてしまうことが多くなります。
その結果、新人側は待ち時間が長引くことがあり、「今は何をすればよいかわからない」という空白の時間ができてしまいます。

また、業務マニュアルがない場合、新人は任された業務内容を十分に理解できないままでいることがあります。
そのような状況下では、誰かに聞けるタイミングがくるまで業務が滞ってしまいます。

よって、教育プログラムの作成業務マニュアルの整備が重要です。

④教育担当者とのコミュニケーションが少ない

新人にとって、教育担当者とのコミュニケーション量が少ないと、孤独感を抱くため放置されていると感じやすくなります。
業務のマニュアルが整備されているとしても、逆にそれに頼りすぎて新人とのコミュニケーションの頻度が低くなると、新人側は放置されていると感じる可能性があります。

定期的な対話やフィードバックを通じて「〇〇さんは私のことをしっかり見てくれている」と新人が思えるようなコミュニケーションをとることが大切です。

⑤あえて教えないことが放置になっている

自主的に学んで成長してほしい」「こちらから教えると自分で考える力が育たない」といった価値観から、あえて教えないという教育方針があります。
ただし、このような教育方針は、新人のミスや誤解、モチベーションの低下を招く可能性があります。

新人が十分な指導を受けていない場合、正しくない手順・方法で業務を行ってしまうかもしれません。 その結果、ミスや誤解が生じて医院や患者様に影響を与える可能性があります。
仕事に慣れない中でのミスは自信を低下させ、仕事に対するモチベーションも下がってしまうでしょう。

あえて教育を行わない方針は、結果として放置につながりかねない点に留意が必要です。

⑥新人側に問題がある

新人に何かしらの原因があるケースもあります。
特に放置につながりやすいのは以下の2ケースです。

  • 勤務態度が良くない
  • 仕事への姿勢が受け身

まず、新人の勤務態度が良くないと、教育担当者や周りのスタッフからの信用を失います。
新人のやる気が感じられないと指導する側のモチベーションも下がるため、新人は徐々に放置されます。

また、仕事への姿勢があまりにも受け身な場合、指導側は一から十まで指示を出さないといけません。
指導者の時間と労力が過度に奪われる中、毎回全ての指示を与え続けることは不可能なので、どこかで放置状態になってしまうでしょう。

医院としては、新人がやる気を持って積極的な姿勢を持てるような育成をすることが重要です。

新人の放置によって退職のリスクが高まる

新人を放置することで退職のリスクが高まります。
辞めたいと思ってしまう新人側の気持ちをご紹介します。

①人間関係が作れない

教育担当者や周りのスタッフとのコミュニケーションが減ると、医院のメンバーと疎遠になりやすくなります。
このような状況では、自分がなぜこの組織に属しているのかわからなくなり、辞めたくなる可能性が高まります。

②無駄な時間を過ごしていると感じる

放置されることで「何もしない時間」が長引くと、成長やスキルの向上が遅れ、結果として無駄な時間を過ごしているという実感が強まります。
「何にもないから楽」と思う人もいるかもしれませんが、モチベーションが最も高い新人の時に何もない時間が続くと、思った以上に絶望します。

特に、Z世代を中心とする若者は、あらゆる場面において「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視しています。
勤務中が無駄な時間だと感じていると、有意義な時間を過ごせる職場を求めて転職したくなるかもしれません。

③仕事に達成感を感じない

仕事は達成感を感じることで楽しくなるものです。
マニュアルを読んでできるような業務でも、やることの指示のみでフィードバックがないと、自分のやり方が正しいかどうかの判断がつかず達成感を得にくいでしょう。

任されるだけの放置状態が続くと、達成感を得られず退職につながる可能性があります。

④教育体制がなく成長できるか不安になる

新人は、放置されることで「この医院には教育の体制が整っていない」と感じます。
そのような環境では、今後自分が十分なスキルを身につけ、成長していけるのか不安になります。

「成長の見込みが薄い職場」と感じると、他の医院への転職を検討することも考えられます。

⑤トラブルが発生して仕事が嫌になる

新人の中には、放置されても自主的に行動できるタイプの人もいるでしょう。 ただし「自主性のある新人ならば放置していても問題ない」と考えるのは危険です。

特に懸念すべきなのは、新人に対して完全な裁量を与え、業務を自己判断に任せた結果、その判断が誤りであり、トラブルが発生した場合です。 一度大きなトラブルが発生すると、焦りや不安から物事を悲観的に捉えるようになり、その結果、仕事へのモチベーションが低下し、最終的には退職につながる可能性があります。

したがって、業務内容によっては完全に放置せず、適切なサポートと指導が必要といえます。

⑥忙しそうな先輩を見て将来が不安になる

教育担当者が自分を見てくれる時間がないほど忙しくしているのを目にすると、「私もいつかは後輩を見てあげられないほど忙しくなるのか」と将来に不安を感じます。

将来の姿をイメージしたときに不安な気持ちが募ると、退職を考えてしまう可能性があります。

新人を放置しないための医院側の対策

ここからは、新人を放置しないための対策について解説します。
まずは、医院で取り組む内容を5つご紹介します。

①医院の労働環境の改善

教育担当者が新人教育に時間を割けられないほど忙しい場合、医院側は、現場の人員増加や業務効率化によって、教育にかけられる時間を生み出すことが必要です。

まずは時間や気持ちにゆとりができることで、しっかり新人を見てあげられるようになるでしょう。

②教育計画の作成

医院における教育制度が整うことで、「どんな計画で教育するのか」「何を教えていくのか」が明確になります。 教育計画があれば、行き当たりばったりの教育になることがなくなり、結果的に放置を防ぐことができます。

教育計画においては、以下の3点を落とし込みましょう。

  1. 目標の明確化
    何のために、何を、どの程度身に付けるのかを明確にします。
  2. 必要な業務・スキル・知識のリスト化
    目標達成に向けて必要な要素(業務・スキル・知識)を洗い出します。
  3. 具体的な育成スケジュールの立案
    何を、どのような順番で、どのように習得していくかをスケジュールに落とし込みます。
    特に、OJT・Off-JTのバランス、インプット・アウトプットのバランスを考慮することで、放置状態になることを防ぐことができます。

また、教育計画は教育担当者と新人とで共有し、進捗状況がわかるようにしておくことも大切です。

③業務マニュアルの整備

教育制度の整備において、教育計画と合わせて必要なのが業務マニュアルです。
基礎となる指導内容はマニュアルに落とし込みましょう。

マニュアルがあれば、育成の効率化・時間短縮を図ることができるため、教育担当者にも余裕が生まれるでしょう。

また、教育担当者による指導方法にも差ができなくなるため、特定の教育担当者によって放置される・されないといったこともなくなります。

④定期的に新人と話し合える機会の設定

新人が上司や教育担当者と話し合える場を定期的に設けることで、新人側は「見てくれている」という安心感を持つことができます。

例えば、一日の始業時や終業時に加えて、昼休み後の初めなど、新人と教育担当者が定例の場でコミュニケーションをとることが大切です。
これにより、一日中放置されていたと感じることはなくなるでしょう。

また、上司と新人が1週間に1回などの頻度で行う「1on1ミーティング」や、数カ月に1回の「院長先生との面談」といった制度を導入することもおすすめです。
これらの機会では、業務の課題だけでなく、新人が抱える悩みや疑問についても話せる場になるとよいでしょう。

定期的なコミュニケーションの機会を設けることは、新人の放置状態を改善するだけでなく、離職を防ぐためにも効果的な施策と言えます。

⑤教育担当者に対する研修の実施

新人教育の経験がないスタッフの場合、指導方法が不明瞭であることが、新人を放置する原因となる可能性があります。
そのため、教育担当者に対する研修が大切です。

具体的には、医院で整備している教育計画や業務マニュアルについて理解し、それらの運用方法を習得してもらいます。

また、育成スキルとして、「マネジメントスキル」「ティーチングスキル」「フィードバックスキル」「コーチングスキル」といったスキルを身につけるための研修を企画することもおすすめです。

【マネジメントスキル】
新人が目標を達成できるよう、新人の能力や目標に対する進捗状況などを管理する能力です。

【ティーチングスキル】
課題に対する答えを教える能力です。
新人の理解度に応じて、教えるべきことを適切に教える必要があります。

【フィードバックスキル】
新人の行動や業務の結果に対して意見を伝える能力です。
さらに良くなるにはどうしたらよいか、改善策を見つけて提供する必要があります。

【コーチングスキル】
課題に対する答えを新人に考えさせ、新人側から引き出す能力です。
新人の自発性を促すのに非常に有用です。

医院内での勉強会だけでは難しい場合は、外部機関の活用も検討するとよいでしょう。

新人側にも空白時間の対処法を教育する

医院の状態によっては、時折どうしても新人を見てあげられない時間が生じてしまう場合もあるでしょう。
そのような時のために、「空白時間の対処法」を予め新人に教育しておくことも有効です。

そうすることで、新人の自主性効率的に学ぶ力を育てることができます。
最後に、新人側に伝えておくべき、空白時間の対処法をご紹介します。

①空いた時間に勉強を行う

仕事の理解を深めるためには、自主的に勉強することも重要です。

仕事がない空白の時間が発生した場合、その時間を活かして業務中に学べないことを勉強しておくことは非常に効率的です。

新人に対して、空いた時間を活かして学習できるような教材を提供しておくとよいでしょう。

例えば、空いた時間は歯科関連の書籍を読み込んでもらい、その内容をまとめてスタッフに共有するような仕組みを作れば、他のスタッフの為にもなるため、自身の知識向上だけでなく医院に貢献している実感が湧くかもしれません。

②分からないことをまとめておく

教育担当者が忙しい職場では、その都度質問するよりも、分からない点をまとめて問い合わせる方が良い場合もあります。
そのため、空白の時間は分からないことや疑問を整理してまとめておくことが重要です。

具体的な仕組みとして、まとめた内容を一気に教えてもらえるような定例の時間を設定するとよいてしょう。
これにより、教育担当者も効率的に指導ができ、新人も効果的な習得が可能となります。

③教育担当者に依存せず周りのスタッフを頼る

新人の初期は組織に慣れていないため、誰に質問してよいかを把握するのが難しいことがあります。
その結果、わからないことの質問は教育担当者に限定されがちです。

このような状況を避けるためには、新人に対して、教育担当者以外のスタッフにも質問してよいことを促しておくとよいでしょう。
他のスタッフからの協力も得ることで、教育担当者に依存せずに業務にスムーズに取り組めるようになります。

フォロー体制を整えて新人が活躍できる職場を作りましょう

今回は、新人が職場で放置される原因やその対策について解説しました。
新人を放置しない仕組みを作り、医院に貢献できる歯科衛生士を育成しましょう。

自信を持って新人を迎え入れる教育体制が構築されたら、それらを採用活動においてもアピールしていくとよいでしょう。

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