歯科医院における人材不足は深刻な問題です。特に歯科衛生士の確保は、多くの医院が直面している課題でしょう。SNSを活用した採用活動に取り組んでいるものの、思うような成果が出ていない院長先生も多いのではないでしょうか。
先生!仲の良さをアピールするためにSNSで踊ってみましょう!
なるみちゃん、今回は、踊ってみたの様な表面的なSNS運用ではなく、採用の本質を捉えたマーケティング戦略を踏まえたSNS運用について詳しく解説するよ。
求職者の心に響く情報発信の方法から、中長期的な採用体制の構築まで、実践的なノウハウをお伝えします。
少し長い記事だけど、絶対最後まで読むニャ!
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はじめに:なぜ、あなたの医院のSNS採用はうまくいかないのか?
多くの歯科医院がSNSを活用した採用活動に取り組んでいますが、期待した成果を得られていないのが現状です。この章では、従来の採用手法の限界と、SNS運用における典型的な落とし穴について詳しく解説します。また、本記事を通じて学べる、採用の本質を捉えたSNSマーケティング戦略の概要もご紹介します。

歯科衛生士の有効求人倍率は20倍超え!従来手法の限界
現在、歯科衛生士の有効求人倍率は20倍を超えているという厳しい状況です。これは、求人を出しても20医院が1人の歯科衛生士を奪い合っているということを意味します。このような状況下で、従来の求人媒体への掲載やハローワークへの登録だけでは、もはや十分な人材確保は困難になっています。
たとえば、地域の求人情報誌に「歯科衛生士募集」と掲載しても、他の19医院も同じような内容で募集をかけているのです。給与や勤務時間などの条件面での差別化にも限界があり、結果として求職者にとって魅力的な選択肢として映らないのが現状です。
さらに、求人媒体では限られた文字数や決まったフォーマットの中で医院の魅力を伝えなければならず、医院独自の価値観や働く環境の良さを十分に表現することができません。
こんな制約の中では、求職者の心に響くメッセージを届けることが困難です・・・。
「踊ってみた」だけでは響かない!採用におけるSNS運用の落とし穴

SNSの普及により、多くの医院がInstagramやTikTokなどのプラットフォームを採用活動に活用し始めています。
しかし、単に流行りのダンスを踊ったり、おしゃれな写真を投稿したりするだけでは、採用における本質的な成果を得ることはできません。
「踊ってみた」動画や日常の風景だけの投稿では、求職者が本当に知りたい情報、つまり「この医院で働くとどんな経験ができるのか」「どんな成長機会があるのか」「職場の人間関係はどうなのか」といった核心的な部分が伝わりません。フォロワー数は増えても、実際の応募に結びつかないのはこのためです。
また、SNSの特性を理解せずに、求人媒体と同じような条件面の情報ばかりを発信してしまうケースも見受けられます。SNSは本来、医院の人間性や価値観を伝える絶好のツールであるにも関わらず、その特性を活かしきれていない医院が多いのが現状です。
採用の本質を捉えたSNSマーケティング戦略
まず、採用を単なる人材確保ではなく「パートナー探し」として捉える視点の重要性について説明します。次に、求職者の6つの欲求タイプを理解し、自院の真の魅力を再発見する方法を解説します。さらに、その魅力を120%伝える「言語化・数値化」の技術や、適切なペルソナ設定による効果的な情報発信の方法についても詳しく説明します。
最後に、SNSを「きっかけ」として活用し、採用専用サイトを「受け皿」とする中長期的な戦略についても言及します。これらの原則を実践することで、継続的に優秀な人材を確保できる採用体制を構築することができるでしょう。
原則1:採用は「パートナー探し」。条件提示から価値観の共有へ
採用活動を成功させるためには、まず採用に対する根本的な考え方を変える必要があります。従来の「人材を雇う」という発想から、「共に医院を発展させていくパートナーを探す」という視点への転換が重要です。この章では、求職者の本当の欲求を理解し、価値観の共有を通じて長期的な関係性を築く方法について詳しく解説します。
求職者は「今の自分」より良くなりたいと願っている
多くの医院では、求職者を「条件に合う人材」として捉えがちですが、これは大きな誤解です。実際には、求職者は現在の状況に何らかの不満や物足りなさを感じており、転職を通じて「今の自分」より良くなりたいと願っているのです。
たとえば、現在の職場で技術向上の機会が少ないと感じている歯科衛生士は、単に給与が高い職場を探しているのではなく、自分のスキルを磨き、患者さんにより良いケアを提供できる環境を求めています。また、子育て中の歯科衛生士であれば、仕事と家庭の両立ができる環境で、なおかつ専門職としての誇りを持って働き続けられる場所を探しているのです。
このような求職者の本質的な欲求を理解することで、医院は単なる「雇用条件の提示」から「成長や自己実現の機会の提供」へと発信内容を変えることができます。求職者の「なりたい自分」を実現できる環境があることを伝えることが、採用成功の第一歩となるのです。

世の中の求人は「条件」ばかり。求職者が本当に知りたい情報とは?
一般的な求人情報を見てみると、給与、勤務時間、休日、福利厚生といった条件面の情報が中心となっています。しかし、求職者が本当に知りたいのは、「この医院で働くと自分はどう変われるのか」「どんな経験ができるのか」という部分です。
求職者が転職を検討する際に抱く疑問は多岐にわたります。「院長はどんな人なのか」「スタッフ同士の関係性はどうなのか」「患者さんとの関わり方はどうなのか」「技術向上のためのサポートはあるのか」「将来的なキャリアパスはどうなのか」など、条件面だけでは分からない情報こそが重要なのです。
具体的には、新人研修制度の充実度、先輩スタッフからの指導体制、外部研修への参加支援、患者さんからの感謝の声、スタッフ同士のコミュニケーション方法など、実際の働く環境や成長機会について具体的に知りたいと考えています。
情報を丁寧に発信することで、求職者の不安を解消し、安心して応募してもらえる環境を作ることができるニャ。
好きになってもらうための「自己開示」の重要性
採用を「パートナー探し」として捉える場合、最も重要なのは相互理解です。求職者に医院のことを好きになってもらうためには、医院側が積極的に「自己開示」を行う必要があります。これは、院長の人となりや医院の価値観、働く環境の実情を率直に伝えることを意味します。
院長の自己開示は特に重要です。なぜ歯科医師になったのか、なぜ開業したのか、どんな想いで日々の診療に取り組んでいるのか、患者さんに対してどんな気持ちで接しているのか。これらの情報を具体的なエピソードとともに発信することで、求職者は院長の人間性を理解し、「この人と一緒に働きたい」という気持ちを持つようになります。
また、医院の価値観や理念についても、単なる文言ではなく、具体的な行動や取り組みを通じて示すことが大切です。たとえば、「患者さん第一」という理念があるなら、実際にどのような場面でその理念が実践されているのか、スタッフはどのような行動を取っているのかを具体的に説明します。
このような自己開示を通じて、求職者との信頼関係を築き、長期的な雇用関係の基盤を作ることができますよ!
原則2:求職者の6つの「欲求タイプ」を知り、自院の魅力を再発見する
効果的な採用活動を行うためには、求職者がどのような欲求を持っているかを深く理解する必要があります。求職者の欲求は多様であり、それぞれに異なる価値観や重視する要素があります。この章では、働く人が職場に求める6つの欲求タイプについて詳しく解説し、自院の魅力を再発見する方法をお伝えします。
働く人が職場に求める6つの欲求タイプとは?
職場選びにおいて重視する要素は人それぞれですが、一般的には以下の6つのタイプに分類することができます。これらの欲求タイプを理解することで、自院がどのような求職者に魅力的に映るかを把握し、効果的な採用戦略を立てることができます。
各タイプの特徴を理解することで、自院の強みをより具体的に把握し、適切な求職者にアプローチすることが可能になります。また、現在のスタッフがどのタイプに該当するかを分析することで、医院の魅力をより客観的に評価することもできるでしょう。
組織重視タイプ(医院規模・理念・将来性)
組織重視タイプの求職者は、医院の規模や安定性、理念、将来性を重視します。
大きな組織の一員として働きたい、または明確なビジョンを持った医院で長期的に働きたいと考えているのが特徴です。
このタイプの求職者は、医院の経営理念や方向性、将来的な展望について詳しく知りたがります。たとえば、「地域の予防歯科の拠点となる」「最新の治療技術を導入し続ける」「患者さんの口腔健康を生涯にわたってサポートする」といった明確なビジョンがある医院に魅力を感じます。
また、医院の規模や設備、治療方針、教育体制なども重要な判断材料となります。分院展開の計画や、CT・マイクロスコープなどの最新設備の導入状況、学会発表や研究活動への取り組みなども、このタイプの求職者にとって魅力的な要素となるでしょう。
人間関係重視タイプ(院長・スタッフとの関係性)
人間関係重視タイプの求職者は、院長の人柄やスタッフ同士の関係性を最も重視します。
どんなに条件が良くても、人間関係が良くなければ長続きしないと考えているのが特徴です。
このタイプの求職者は、院長がどのような人物なのか、スタッフに対してどのような態度で接しているのか、スタッフ同士のコミュニケーションはどうなのかを詳しく知りたがります。院長の患者さんに対する姿勢、スタッフへの配慮、チームワークの良さなどが重要な判断材料となります。
具体的には、スタッフ同士の誕生日祝いの様子、困った時のサポート体制、院長との距離感、日常的なコミュニケーションの取り方などを知りたがります。このタイプの求職者には、実際のスタッフの声やエピソードを通じて、温かい人間関係があることを伝えることが効果的です。
仕事重視タイプ(技術・接遇)
仕事重視タイプの求職者は、専門職としてのスキルアップや技術向上を最も重視します。
歯科衛生士としての専門性を高め、患者さんにより良いケアを提供したいと考えているのが特徴です。
このタイプの求職者は、どのような症例に携わることができるのか、技術研修の機会はあるのか、先輩スタッフからの指導体制はどうなのかを詳しく知りたがります。また、外部研修への参加支援、資格取得のサポート、学会参加の機会なども重要な判断材料となります。
具体的には、インプラント治療のアシスト経験、矯正治療への関わり、予防処置の専門的な取り組み、患者さんへの口腔衛生指導の方法などに興味を持ちます。このタイプの求職者には、実際に経験できる症例や技術向上の機会を具体的に示すことが効果的です。
処遇待遇重視タイプ(給与・福利厚生)
処遇待遇重視タイプの求職者は、給与や福利厚生、労働条件を最も重視します。
生活の安定や将来的な経済的な安心を求めているのが特徴です。
このタイプの求職者は、基本給だけでなく、賞与、昇給制度、各種手当、退職金制度、社会保険などの詳細な情報を知りたがります。また、有給休暇の取得状況、残業時間、休日出勤の有無なども重要な判断材料となります。
ただし、単に高い給与を提示するだけでは不十分です。なぜその待遇を提供できるのか、将来的な昇給の見込みはどうなのか、医院の安定性は大丈夫なのかといった点についても説明する必要があります。透明性の高い評価制度や昇進制度があることも、このタイプの求職者にとって魅力的な要素となるでしょう。
チャレンジ重視タイプ(成長環境)
チャレンジ重視タイプの求職者は、新しいことに挑戦できる環境や成長機会を最も重視します。
現状に満足せず、常に向上心を持って新しいことに取り組みたいと考えているのが特徴です。
このタイプの求職者は、新しい治療技術の導入、業務の改善提案、患者さんへの新しいサービスの企画など、積極的に関わることができる機会を求めています。また、将来的には管理職やリーダー的な役割を担いたいと考えている場合も多いです。
具体的には、新しい設備の導入に関わる機会、業務効率化の提案、患者さんへの教育プログラムの企画、後輩指導の機会などに興味を持ちます。このタイプの求職者には、医院が成長志向であり、スタッフの提案や挑戦を歓迎する文化があることを伝えることが効果的です。
ライフスタイル重視タイプ(オンオフのメリハリ)
ライフスタイル重視タイプの求職者は、仕事とプライベートのバランスを最も重視します。
仕事は大切だが、家族や趣味の時間も大切にしたいと考えているのが特徴です。
このタイプの求職者は、定時で帰宅できるか、有給休暇は取りやすいか、急な残業はないか、土日祝日の勤務はどうなのかを詳しく知りたがります。特に子育て中のスタッフにとっては、子どもの病気や学校行事への対応についても重要な判断材料となります。
具体的には、実際のスタッフの働き方、有給休暇の取得実績、子育て中のスタッフへのサポート体制、時短勤務の可否などを知りたがります。このタイプの求職者には、ワークライフバランスを重視する医院の方針と、実際の取り組み事例を示すことが効果的です。
自院のスタッフの「欲求」を分析し、医院の本当の強みを見つける
自院の魅力を効果的に発信するためには、まず現在働いているスタッフがどのような欲求を持って医院を選んだのかを分析することが重要です。既存スタッフの満足度が高い要素こそが、医院の本当の強みであり、同じタイプの求職者に対する強力なアピールポイントとなります。
スタッフへのインタビューを通じて、なぜこの医院を選んだのか、働いていて良かったと感じる点は何か、どのような部分に魅力を感じているかを詳しく聞き取ります。たとえば、「院長先生が相談しやすい」「技術研修が充実している」「残業がほとんどない」「患者さんとじっくり向き合える」など、具体的な満足要因を把握します。
また、同じ有給休暇の取得率という観点で見たときも、Aさんは「有給はなくていいから給料高い方がいい」Bさんは「給与が多少減ってもお休みが多い方がいい」と人それぞれ価値観や欲求が異なります。
これらの情報を6つの欲求タイプに分類することで、自院がどのタイプの求職者に特に魅力的に映るかが明確になります。さらに、スタッフが実際に体験した具体的なエピソードを収集することで、求職者に対してより説得力のある情報発信ができるようになります。
早速スタッフに聞いてみよう!
「アットホーム」はNGワード?抽象的な言葉を具体例に変換する
多くの医院が使用する「アットホーム」「温かい職場」「やりがいのある仕事」といった抽象的な表現は、求職者にとって具体的な魅力として伝わりません。
このような抽象的な言葉は、どの医院でも使用できる一般的な表現であり、差別化にはならないのです。
重要なのは、これらの抽象的な表現を具体的な事例やエピソードに変換することです。
たとえば、「アットホーム」という言葉の代わりに、
- 「スタッフの誕生日には手作りケーキでお祝いする」
- 「子どもの急な発熱時には、他のスタッフが快く業務をカバーしてくれる」
- 「院長先生が毎朝スタッフ一人ひとりに声をかけてくれる」
など、具体的な行動や習慣を示します。
同様に、「やりがいのある仕事」という表現も、「患者さんから『ありがとう』と言われた時の具体的なエピソード」「技術向上を実感できた具体的な場面」「チーム一丸となって取り組んだプロジェクトの成功体験」など、実際にスタッフが体験した具体的な出来事として表現することが重要です。
原則3:魅力を120%伝える「言語化・数値化」の技術
医院の魅力を効果的に伝えるためには、感覚的な表現だけでなく、具体的で客観的な情報として「言語化・数値化」することが重要です。求職者は不安を抱えながら転職活動を行っているため、曖昧な表現よりも具体的で分かりやすい情報を求めています。
院長の想いや医院の特徴を具体的に言語化し、数値で示すことで魅力を120%伝える技術について詳しく解説するニャ。
採用成功の鍵は、院長・医院・想いを徹底的に言語化・数値化すること
採用活動において最も重要なのは、医院の魅力を求職者に正確に伝えることです。しかし、多くの医院では「なんとなく良い職場」「働きやすい環境」といった抽象的な表現にとどまっており、求職者の心に響く具体的な情報を提供できていないのが現状です。
言語化・数値化の技術を身につけることで、医院の魅力を客観的かつ具体的に伝えることができます。
たとえば、「患者さんを大切にしている」という抽象的な表現を、
- 「初診時の問診時間は平均20分を確保し、患者さんの不安や要望をしっかりと聞き取る」
- 「治療説明には専用の資料を使用し、平均15分かけて丁寧に説明する」
- 「年間の患者満足度調査では95%以上の方から『満足』の評価をいただいている」
など、具体的な数値や行動として表現します。
このような具体的な情報は、求職者にとって医院の実情を理解する貴重な材料となり、安心感と信頼感を与える効果があります。また、他の医院との差別化にもつながり、より効果的な採用活動を実現できます。
院長のストーリーを語る:なぜ開業したのか、何を大切にしているのか
院長の人となりや価値観は、求職者が医院を選ぶ際の重要な判断材料となります。しかし、多くの医院では院長のプロフィールが経歴や資格の羅列にとどまっており、人間性や想いが伝わらないのが現状です。
院長のストーリーを効果的に伝えるためには、具体的なエピソードを交えながら、なぜ歯科医師になったのか、なぜ開業したのか、どのような想いで日々の診療に取り組んでいるのかを語ることが重要です。
たとえば、
- 「幼い頃に歯科治療で怖い思いをした経験から、患者さんに優しい治療を提供したいと思うようになった」
- 「地域の高齢者の口腔健康を守りたいという想いから、訪問診療にも力を入れている」
など、具体的な体験や動機を示します。
また、院長の日常的な行動や習慣も重要な要素です。
- 「毎朝30分早く出勤し、その日の治療計画を見直している」
- 「月に1回は外部研修に参加し、最新の治療技術を学んでいる」
- 「患者さんからの意見や要望は必ず翌日までに検討し、可能な限り対応している」
など、具体的な行動として院長の姿勢を示すことで、求職者に院長の人間性をより深く理解してもらうことができます。
働く環境を具体的に示す:数値で伝える安心感と透明性
求職者が最も不安に感じるのは、実際の働く環境が求人情報と異なっていることです。この不安を解消するためには、働く環境を具体的な数値で示し、透明性を高めることが重要です。
たとえば、労働時間については
- 「平均残業時間は月10時間以内」
- 「有給休暇取得率は85%」
- 「土曜日の診療は月2回まで」
など、具体的な数値で示します。また、
- 「過去3年間で退職したスタッフは1名のみ」
- 「スタッフの平均勤続年数は5.2年」
- 「新人スタッフの1年以内の離職率は0%」
など、職場の安定性を示す数値も効果的です。
教育・研修環境についても、
- 「新人研修期間は3か月間、先輩スタッフがマンツーマンで指導」
- 「年間の外部研修参加費用は1人当たり15万円まで支給」
- 「月1回の院内勉強会を開催し、全スタッフが参加」
など、具体的な取り組み内容と数値を示します。これらの情報は、求職者に対して医院の教育体制の充実度を客観的に伝える効果があります。
お金だけではない「非金銭的報酬」を明確にする
給与や賞与といった金銭的な報酬も重要ですが、現代の求職者は金銭的な報酬以外の価値も重視しています。
この「非金銭的報酬」を明確に示すことで、他の医院との差別化を図ることができます。
非金銭的報酬には、成長機会、やりがい、職場環境、人間関係、社会的貢献などが含まれます。
たとえば、
- 「年間50症例以上のインプラント治療に携わることができ、専門的なスキルを身につけられる」
- 「患者さんからの感謝の手紙を年間100通以上いただいており、仕事の意義を実感できる」
- 「地域の学校での歯科検診や口腔衛生指導に参加し、地域貢献を実感できる」
など、具体的な数値や事例を交えて説明します。
また、職場環境の快適さも重要な非金銭的報酬です。
- 「最新のユニット5台を完備し、効率的で快適な診療環境を提供」
- 「スタッフ専用の休憩室には冷蔵庫・電子レンジ・コーヒーメーカーを完備」
- 「毎月のスタッフ旅行や忘年会などのイベントで、チームワークを深めている」
など、働く環境の充実度を具体的に示すことで、求職者に安心感を与えることができます。
そこまで書く必要があるのか?と思われる先生もいらっしゃるかもしれませんが、こういった丁寧な情報発信が求職者の心理的安全性につながります。
原則4:求める人材に響かせる「ペルソナ設定」
効果的な採用活動を行うためには、「どのような人材を求めているのか」を明確にし、その人物像に合わせた情報発信を行うことが重要です。漠然と「良い人材」を探すのではなく、具体的なペルソナを設定することで、より効果的に理想の人材にアプローチすることができます。
ペルソナ設定の重要性と、実際にペルソナを作成する方法について詳しく解説するニャ。
「どんな歯科衛生士でも良い」では、誰にも響かない
人材不足に悩む多くの医院では、「とにかく歯科衛生士を確保したい」という思いから、「どんな歯科衛生士でも良い」という姿勢で採用活動を行いがちです。
曖昧なアプローチだと、結果として誰の心にも響かない情報発信となってしまいそう・・・。
たとえば、「明るく元気な歯科衛生士募集」という求人情報があったとします。この表現は一見すると分かりやすいように思えますが、実際には具体性に欠けており、求職者にとって自分がその条件に当てはまるのかどうかが分からないのです。また、医院側も応募者が本当に求める人材なのかを判断する基準が曖昧になってしまいます。
効果的な採用活動を行うためには、
- 「30代前半で子育て中、ブランクがあるが復職を希望している歯科衛生士」
- 「新卒から5年程度の経験があり、さらなるスキルアップを目指している歯科衛生士」
など、具体的な人物像を設定し、その人に向けた情報発信を行うことが重要です。
このようなアプローチにより、ターゲットとする人材が「私のこと?」と思うことにより効果的にアプローチすることができます。
「30代子育て中」と「50代子育て一段落」では求めるものが全く違う
同じ歯科衛生士でも、年齢やライフステージによって職場に求めるものは大きく異なります。この違いを理解せずに一律の情報発信を行っても、効果的な採用活動はできません。年齢やライフステージに応じた具体的なニーズを理解し、それぞれに合わせた情報発信を行うことが重要です。
30代で子育て中の歯科衛生士の場合、最も重視するのは仕事と家庭の両立です。
- 「子どもの急な発熱時にも対応してもらえるか」
- 「残業はないか」
- 「有給休暇は取りやすいか」
- 「時短勤務は可能か」
といった点が主な関心事となります。また、ブランクがある場合は、
- 「技術面でのサポートはあるか」
- 「復職に向けた研修制度はあるか」
という点も重要な判断材料となります。
一方、50代で子育てが一段落した歯科衛生士の場合は、
- 「これまでの経験を活かせるか」
- 「やりがいのある仕事ができるか」
- 「安定した雇用環境か」
- 「若手院長や年下のスタッフとうまくやれるか」
といった点を重視する傾向があります。また、後輩指導や教育に関わる機会があることも魅力的な要素となります。このように、同じ職種でもライフステージによって求めるものが全く異なるため、ペルソナに応じた情報発信が必要なのです。
理想の人材は自院にいる!スタッフへのインタビューでペルソナを具体化する
効果的なペルソナを設定するためには、まず現在自院で活躍しているスタッフを参考にすることが最も効果的です。既に医院に馴染んで働いているスタッフの特徴や価値観を分析することで、医院にマッチする人材の傾向を把握することができます。
もしペルソナ設定で迷ったら「この子がもう1人いるとすごくいいな」というスタッフをモデルとして設定しても良いです。
スタッフへのインタビューでは、以下のような項目について詳しく聞き取りを行います。
- 「なぜこの医院を選んだのか」
- 「働いていて良かったと感じる点は何か」
- 「どのような部分にやりがいを感じているか」
- 「どのような不安があったか、それはどう解消されたか」
- 「プライベートとの両立はどうしているか」
- 「将来的にどのような働き方をしたいか」
など、具体的な体験や感情を聞き出します。
これらの情報を基に、理想的なペルソナを作成します。
たとえば、「田中さん(32歳、歯科衛生士歴8年、2歳の子どもがいる):前職では残業が多く子育てとの両立に悩んでいたが、当院では定時退勤が可能で子どもとの時間を大切にできている。
患者さんとじっくり向き合える環境にやりがいを感じている」といった具体的な人物像を設定します。このようなリアルなペルソナを設定することで、同じような境遇の求職者に効果的にアプローチすることができます。
原則5:SNSは「きっかけ」、採用サイトが「受け皿」となる中長期的戦略
SNSを活用した採用活動において重要なのは、SNSを最終的なゴールとして捉えるのではなく、求職者との最初の接点として位置づけることです。SNSで興味を持ってもらった求職者を、より詳細な情報を提供できる採用専用サイトへ誘導し、最終的な応募に結びつける中長期的な戦略が必要です。この章では、効果的なSNS運用から採用サイトの活用まで、包括的な採用戦略について詳しく解説します。
言語化した情報をSNSで発信する際のポイント
前章までで言語化・数値化した医院の魅力を、SNSで効果的に発信するためにはいくつかのポイントがあります。SNSの特性を理解し、プラットフォームごとの特徴を活かした情報発信を行うことが重要です。
Instagramでは視覚的な情報が重要なため、院内の雰囲気やスタッフの様子を写真や動画で伝えることが効果的です。ただし、単なる日常風景ではなく、
- 「新人スタッフの研修風景」
- 「患者さんからいただいた感謝の手紙」
- 「院長とスタッフのミーティングの様子」
など、採用に関連する具体的な情報を視覚的に伝えることが重要です。
投稿には必ず詳細なキャプションを付け、写真だけでは伝わらない背景情報や詳細を説明します。
たとえば、研修風景の写真には
「新人歯科衛生士の田中さん、入職3か月目でインプラント治療のアシストにも慣れ、患者さんからも『安心できる』と評価をいただいています。当院では3か月間のマンツーマン研修で、安心して技術を身につけられます」
といった具体的な情報を添えます。
求人媒体やSNSからの情報を集約する「採用専用サイト」の圧倒的優位性
SNSや求人媒体で興味を持った求職者が、より詳細な情報を得られる場所として「採用専用サイト」は非常に重要な役割を果たします。
採用専用サイトは、医院の魅力を余すことなく伝えることができる最強のツールです。
採用専用サイトの最大の優位性は、情報量の制限がないことです。求人媒体では文字数制限があり、SNSでは断片的な情報しか発信できませんが、採用専用サイトでは院長のストーリー、スタッフインタビュー、詳細な労働条件、教育制度、職場環境など、求職者が知りたい情報を網羅的に掲載することができます。
また、動画コンテンツを活用することで、より リアルな職場の雰囲気を伝えることも可能です。
- 「院長からのメッセージ動画」
- 「スタッフの1日密着動画」
- 「患者さんとの関わり方を紹介する動画」
- 「研修制度を説明する動画」
など、文字だけでは伝わらない情報を動画で補完することで、求職者の理解度と安心感を大幅に向上させることができます。
採用サイトがもたらすメリット:ミスマッチの減少と採用コストの削減
採用専用サイトを活用することで、採用活動における様々な課題を解決することができます。最も大きなメリットは、採用のミスマッチを大幅に減少させることができる点です。
採用専用サイトでは、医院の理念、働く環境、求める人材像、実際のスタッフの声など、詳細な情報を提供できるため、求職者は応募前に医院について深く理解することができます。これにより、「思っていた職場と違った」「価値観が合わなかった」といったミスマッチを防ぐことができ、結果として長期的に働いてくれるスタッフを採用する確率が高まります。
また、採用コストの削減効果も期待できます。求人媒体への継続的な掲載費用や人材紹介会社への手数料と比較すると、採用専用サイトの制作・運営コストは長期的に見て非常に効率的です。
一度質の高い採用サイトを作成すれば、継続的に採用活動の基盤として活用でき、ROI(投資対効果)は非常に高いものとなります。
さらに、採用専用サイトは医院のブランディングにも貢献します。質の高い採用サイトは、患者さんや地域の方々にも「しっかりとした医院」という印象を与え、医院全体の信頼度向上にもつながります。
短期・中期・長期で採用に困らないための仕組みを構築する
持続的な採用成功を実現するためには、短期的な人材確保だけでなく、中長期的な視点で採用の仕組みを構築することが重要です。段階的に採用力を向上させていく戦略的なアプローチが必要です。
短期的(3-6か月)には、既存のスタッフへのインタビューを実施し、医院の魅力を言語化・数値化することから始めます。同時に、明確なペルソナ設定を行い、ターゲットとする人材を具体化します。SNSアカウントの開設・運用を開始し、定期的な情報発信を通じて医院の認知度向上を図ります。
中期的(6か月-1年)には、採用専用サイトの制作・公開を行います。スタッフインタビューや動画コンテンツを充実させ、求職者により深い情報を提供できる環境を整備します。また、SNSと採用サイトの連携を強化し、効果的な導線設計を行います。
長期的(1年以上)には、採用活動のPDCAサイクルを確立し、継続的な改善を行います。応募者からのフィードバックや入職後のアンケートを基に、採用プロセスや情報発信内容を継続的に改善していきます。このような体系的なアプローチにより、採用に困らない強固な基盤を構築することができます。
まとめ:本質的な採用マーケティングで、医院に永続的な発展を
本記事では、歯科医院におけるSNS活用採用マーケティングの5つの重要原則について詳しく解説してきました。単なるSNS運用テクニックではなく、採用の本質を捉えた戦略的アプローチこそが、継続的な採用成功の鍵となります。
まず重要なのは、採用を「パートナー探し」として捉え、条件提示から価値観の共有へと発想を転換することです。求職者の6つの欲求タイプを理解し、自院の真の魅力を再発見することで、より効果的なアプローチが可能になります。そして、その魅力を言語化・数値化し、具体的なペルソナに向けて発信することで、理想の人材の心に響くメッセージを届けることができます。
SNSを「きっかけ」として活用し、採用専用サイトを「受け皿」とする中長期的な戦略により、採用のミスマッチを減少させ、コストを削減しながら質の高い人材を確保することが可能になります。これらの原則を実践することで、一時的な人材確保ではなく、医院の永続的な発展を支える採用体制を構築することができるでしょう。
本質的な採用マーケティングセミナー開催中です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事の内容についてもっと深く学びたい!という方に向け、歯科衛生士採用の成功法則を惜しげもなく公開したセミナーを開催しております。
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