こんにちは、ナインデザイン保守管理を担当しております、中山です。
この記事では、近年なぜ歯科衛生士が人手不足として言われ続けているのかをご紹介したいと思います。
歯科衛生士の求人倍率
皆さんは歯科衛生士の求人倍率をご存知でしょうか?
採用に関する仕事をしている方などはご存知かと思いますが、歯科衛生士の求人倍率は22.6倍となっており、一人の歯科衛生士を約23件の医院が取り合っている状況になっています。
ではなぜ、このような状況になってしまったか考えられる原因についてご説明したいと思います。
歯科医院の増加による要因
近年、歯科衛生士の就業者数は
平成28年が12万3831人
平成30年が13万2629人
令和2年が14万2760人
と増加傾向にありますが、同時に歯科医院の数も増加しております。
令和3年(2021年)時点では、歯科医院の数は67,899件と、同時期のコンビニエンスストアの数が約56,948件ですから、コンビニエンスストアよりも多いような状況となっています。
歯科衛生士として働く方が約14万人と歯科医院の数が約7万人というところを加味すると、一つの医院で2人の歯科衛生士が働くにとどまるような形です。
歯科衛生士の離職による要因
日本歯科衛生士会が出しているデータによりますと、歯科衛生士の資格を持ち就業している方が86.4%の割合でいらっしゃいますが、一方で資格を持っていて就業していない方が13.6%と多くいらっしゃいます。
現在、就業をしていない主な理由としては
- 「出産・育児」が 20.6%
- 「退職・高齢」 が 13.8%
- 「歯科以外への興味」が 11.1%
- 「家庭の事情」が 10.5%
となっております。
こういった離職の理由に女性特有の悩みが多いのにも理由があります。
それは、歯科衛生士法により「厚生労働大臣の免許を受けて、歯科医師の直接の指導の下に歯牙や口腔疾患の予防処置などの行為を行う女子」という記載があるので、歯科衛生士=女性という
イメージが根強くあるため、女性の多い職業となっています。
また、募集においても女性を求めるような文章や内容となっておりますので、こちらも一つの要因となりそうです。
また、再就職の意向についての調査では
- 「すぐにでも再就職したい」と「条件が合えば再就職したい」の合計 は 47.6%
- 「そのつもりはない」が 30.9%
- 「わからない」が 20.0%
となっており、約50%ほどの方が、歯科衛生士として再就職をしたいと希望されていることがわかりますが、歯科衛生士の人手不足は否めません。
また、再就職を希望していない求職者の方は、上記でご紹介した離職の原因と同様に
育児や家庭の問題など、離職の要因でそのまま歯科医衛生士自体を辞めるケースも少なくありません。
人手不足を解決する施策
離職率を減らす
・労働環境・待遇面の整備
現在、働いているスタッフの労働環境を整えることで、離職率が減り仕事にも意欲が出てくると考えております。
休みが取りやすい環境であれば、子育て中のママ衛生士にも優しいですし、若い方であれば、残業がないまたは少なければ
プライベートの時間が増え、プライベートと仕事両方での満足感も得られるのではないでしょうか。
また、給与面でも他院よりも低いといった場合は、求人がスルーされてしまう、また他院への転職を行う可能性も考えられます。
できるだけ、地区内での平均的な給与という水準を目指し、給与を設定しましょう。
・院長との人間関係
院長と接する機会は多くあり、転職理由でも2番目に入るほど、院長との人間関係を気にしている歯科衛生士は多くいらっしゃいます。
平等に偏りなく、スタッフとの会話はできていますか?また、特定のスタッフに対してあからさまに態度を変えるようなことをしていませんか?
平等に評価をしたつもりが、不公平だと感じてしまうスタッフも少なからずいらっしゃいます。院長の会話や笑顔で接するという部分が非常に重要になってきます。
人材の獲得方法を見直す
・ミスマッチを無くす(減らす)
ミスマッチが発生しないよう工夫しましょう。その為には、まず自院が求めている人物像を明確化することが重要です。
ペルソナまで設定するとよりミスマッチを防ぐことができます。欲しい人は何歳?前職はどんな仕事をしていた?結婚はしている?など細かく設定しましょう。
また、求人を出すときにはより多くの情報を掲載しましょう。情報を隠す必要はありません、逆に見栄を張り嘘の情報を掲載してしまうとミスマッチどころか、医院の信用を失いかねません。
・募集方法を見直す
募集方法の見直しましょう。自院が求める人材はどのような求人媒体を使っているのかリサーチをすることが重要です。
歯科衛生士の中途採用であれば、以下のサイトが主に利用されています。ぜひご参考ください。
- グッピー(GUPPY)
- ジョブメドレー(JobMedley)
- クオキャリア(Quocareer)
新卒採用であれば、歯科衛生士学校に求人票を送る方法もありますが、カラー求人票で尚且つ写真なども載せられていれば、他の医院と差別化ができ、見学に来てもらえる可能性も上がります。
明確な採用担当者がいる医院であれば、自院で活動を行うことも可能ですが、採用に割く時間があまりないといった場合は人材紹介会社や求人採用のコンサルティング会社に頼むことも、採用成功への近道となります。
また弊社では、歯科医院の院長様・事務長・人事担当者様へ向けて【求人採用[実践版]パーフェクトマニュアル】のトライアル版をご用意いたしました。採用に関するノウハウを1冊に凝縮し、採用の準備から採用後の求職者フォローまで、このマニュアルから学ぶことができます。今回はそのトライアル版となりますので、ぜひお手にとってお試しいただければと思います。