古い人事評価制度は廃止すべき?新しい評価制度を取り入れよう

人事評価

人事評価制度は以前導入したことはあるけれど、管理するのが難しかったり、スタッフにうまく浸透しなかったりして、継続的な運用ができなかったという先生もいらっしゃるかと思います。

しかし、実は導入していた人事評価制度が古く、先生の医院に合わなかったからかもしれません!
これからご紹介する新しい人事評価制度を試してみられることで、自院にあった教育体制を整えたりスタッフのモチベーションをあげることができるかもしれませんよ。

古い人事評価制度とは?

ここでご紹介する古い人事評価制度とは、個人の成果を正当に評価し、その評価を報酬に結びつけるという形式の人事評価制度です。
人材(スタッフ)そのものに点数をつけて、ランクづけを行い、そのランクによってあらかじめ決めていた「給与額」や「ボーナス額」、「役職」が決まるというものでした。

人事評価は本来、医院や企業がより発展するため雇用しているスタッフの成長を促すために行われます。
しかし、人に点数をつけることや、ランクを用いて人に評価を下すというやり方自体が目的になってしまうケースも増えてしまったのです。

低評価を下されたスタッフはモチベーションが下がり、本来の目的である成長意欲の上昇や医院への貢献といった意識が薄れてしまう結果になりました。

古い評価制度ではうまくいかない理由

先ほどの人事評価制度自体の問題の他にも、以下の点で古い人事評価制度が現代社会と合わなくなってきています。

働き方の多様化

「ライフスタイルの変化」
「キャリアアップ」
「ワークライフバランスの充実」

など、さまざまな理由から昔よりも転職のハードルが下がり、人材の流動化が進んでいます。
さまざまなタイプのスタッフが、異なる条件や異なる環境で働いていることが多くなったので、従来の点数やランクをつける評価制度ではスタッフの評価を当てはめることができなくなっています。

スタッフ一人ひとりの「何ができて何ができていないのか」「得意な分野は何か」
を知って目標を一緒に考えることが重要です。

業務内容の複雑化

治療技術は年々進歩しています。
歯科医師の業務内容はかなり多岐に渡ると思いますが、治療アシスタントを行う歯科衛生士も、毎日さまざまな業務に追われています。

今、ご自分の医院・スタッフはどんな業務を行なっているのか、細かく把握していらっしゃいますか?
把握ができていない状態で従来の人事評価制度を行なっても、明確な判断基準がないので、偏った評価になってしまいスタッフに不信感を与えてしまいます。

評価制度を廃止してしまうとどうなる?

しかし人事評価制度自体を廃止してしまっても
以下のような問題が起きてしまいます。

モチベーションや生産性が低下する

何ができるようになれば医院の売り上げの貢献になり、自分の給与や待遇が上がるのかが分からないので、
次第にスタッフのモチベーションが下がってしまいます

「頑張っても評価されない」という環境になるため、次第にスタッフは自分のキャパシティの範囲内でしか仕事をしないようになる可能性があります。

また、毎日同じ業務を繰り返すことになってしまうので、成長意欲のある歯科衛生士ほど「このまま働き続けても良いのか」不安に感じるようになります。

優秀な人材の流出につながる

頑張っても評価されない状態が長く続いてしまうと、仕事に対するモチベーションが下がってしまい、最終的には離職に繋がってしまいます。
能力のある優秀なスタッフほど「自分の能力をもっと評価してくれる医院で働きたい」と考えて転職を決断してしまいます。

スタッフの人数も少なくなってしまうので、

  • 残ったスタッフに業務の負担が増加してしまう
  • 十分な医療サービスを提供できなくなってしまう

などの問題が発生してしまいます。

管理職の負担が増加する

人事評価制度をなくしてしまうことによって、むしろ管理職(院長先生や事務長)の負担が増加してしまう可能性があります。
評価制度があるからこそ、「評価してもらうために頑張ろう」と思うスタッフもいます。
そして多くの人が「評価してもらう人に対して心象を悪くしたくない」と考えていると思います。

しかし評価制度がないことによって、上記のような気持ちが薄まってしまい、スタッフの統率を取るのが難しくなり、統率するために必要な時間が多くかかってしまいます。

人事評価制度の見直しのポイント

今実施している人材評価制度をどのように改善すれば良いのか、ポイントを2つご紹介します。

業務内容を細かく洗い出す

まずは、今院内で行なっている業務をできるだけ詳しく書き出しましょう!
業務リストを作ることで、「どんな業務を」「誰が」「どのくらいのレベルでできるのか」が分かりやすくなります。

また、業務リストは院内の業務マニュアルを作る時の材料になります。
業務マニュアルを作ることで、スタッフ全体の業務レベルを偏りなく上げることができます。
また、新人教育をするときも、先輩スタッフによって教えることが違うということがなくなり、安心して業務を学ぶことができますよ。

人事評価の結果と今後の課題を詳しく説明する

今後はどんな行動して課題を達成すれば評価が上がるのか、スタッフとしっかり面談を行いましょう。
指標をはっきりさせることでスタッフもどんなスキルを身につければ良いか分かり、次の行動がしやすくなります。

面談の間隔は数ヶ月に1度の頻度で行うと良いでしょう。

ランク付けをしない人事評価制度「ノーレイティング」

従来の人事評価制度であれば、アルファベット(A〜E)を用いたランク付けを行うことが一般的でしたが、
「ノーレイティング」ではこのようなランク付を行いません。

ここで間違えてはいけないのが「評価は行うがランク付けはしない」ということです。
従来の方法では、スタッフ自体にランク付けを行い、そこに「なぜこの評価になったのか」「どう改善すれば評価が上がるのか」がありませんでした。

そこで、ランク付けの代わりに1on1の面談を設けて細かな評価を行うことで、スタッフも納得した上での評価をすることができます。

欧米では従来の人事評価制度を廃止している企業もある

もともとノーレイティングはアメリカで生まれた考え方です。
現在はマイクロソフトやアドビシステムズなどの多くの欧米企業が、次々と従来の評価制度を廃止しています。
アメリカの企業は成果主義の考え方が根強いため、ノーレイティングの考え方が浸透しやすい傾向にあります。

「ノーレイティング」を導入するメリット

先ほどお伝えしたように、ノーレイティングは主に1on1の面談を用いて評価を行うので、

  • スタッフ一人ひとりの状況に合ったフィードバックが可能
  • 目標を明確に立てやすい
  • 頑張りが評価として目に見えやすい、次は何をすればいいか明確になるためモチベーションが上がりやすい

というメリットがあります。

ノーレイティング制度に切り替えることで、その時々の状況に合ったフィードバックを行うことが可能になります。
そのため、具体的な目標が立てやすく、状況によっても細かく調整することが可能なので、スタッフも次に何をやるかが明確になりモチベーションや生産性を増加することができます。

また、働き方にとらわれることなく目標を設定できるので、時短勤務などのスタッフにも対応することができますよ。

「ノーレイティング」を導入する際の注意点

しかし、ノーレイティングの人事評価制度を導入するときにも注意点があります。

  • 評価者の負担が増える可能性がある
  • 評価者とスタッフの信頼関係がなければ成り立たない

スタッフ一人ひとりの現状を把握して、短いスパンで面談を行う必要があるので、評価者の負担が増加しやすい傾向にあります。
導入をする際には「業務リストを作る」「スタッフの目標の経過が見れるシートを作る」など下準備をしっかり行なった上で、できるだけ負担にならない運用を行う必要があります。

自院の人事評価制度を見直してみましょう!

いかがでしょうか?
今回は古い評価制度が与える影響と、新しい評価制度(ノンレーティング制度)の考え方やメリットをご紹介しました。
ノンレーティングの人事評価制度を取り入れることで、さらにスタッフのモチベーションが上がり、院内の生産性UPにつながるので、ぜひ人事評価制度を見直されることをおすすめします!

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