突然ですが、この記事をご覧になっている院長は、歯科衛生士の給与をどのように決めていますか?
「地域の相場に合わせている」「歯科衛生士のスキルに応じてその都度考えている」など、いろいろな決め方があると思います。
しかし、時間がかかったり歯科衛生士からの不満を心配したりして、給与の決め方には悩んでいるという院長もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はこのようなお悩みを解決できる給与の決め方「人事評価制度」について、解説していきます。
「人事評価制度は一般の企業が取り入れるものだ」というイメージがある方も多いと思いますが、歯科医院でも人事評価制度を導入することで、医院や院長にとってのメリットがたくさんあるのです。
ぜひ最後までご覧になって人事評価のメリットについて知ってください!
仕事の目的は「収入を得るため」が1番多い
まずは内閣府が平成29年に調査した、就労等に関する若者の意識調査について見てください。
この調査は、全国の16歳から29歳までの男女(有効回答数10,000)を対象に実施したインターネット調査です。
仕事をする目的(2つまで回答)について尋ねると、以下のような回答結果が得られました。
項目 | 割合(%) |
---|---|
収入を得るため | 84.6% |
仕事を通して達成感や生きがいを得るため | 15.8% |
自分の能力を発揮するため | 15.7% |
働くのがあたりまえだから | 14.8% |
人の役に立つため | 13.6% |
社会的な地位を得るため | 7.0% |
親やきょうだいを養うため | 4.6% |
その他 | 1.3% |
歯科衛生士だけを対象にした調査ではありませんが、約85%の人が「収入を得るために働いている」と答えています。
この年代は、歯科衛生士の割合としても多いと思いのではないでしょうか。
16歳から29歳と若い世代の人たちはもちろん、30代以降の人にとっても、給与は非常に重要です。
多くの働く人が気にしている給与について、歯科衛生士の場合はどうなのか。
以下の段落から、深掘りしてみていきましょう。
歯科衛生士の給与は決めにくい
あなたの医院では、歯科衛生士の給与をどのようにして決めていますか?
結果が数字で表れる営業の仕事と違って、歯科衛生士の仕事は成果や結果がわかりづらいです。
そのため「歯科衛生士の給与は決めにくい」「給与を考えるのに時間がかかる」と悩んでいる院長も多いのではないでしょうか。
安易に給与を上げると固定費がかさみますし、一度上げてしまうと「経営状態が悪くなったから」といって簡単に下げられるものでもありません。
また給与の見直しをきっかけに、スタッフから不満が上がることを心配する院長も多いです。
この記事を読んでいる院長も「正直なところ、あまり触れたくない」と感じているのではないでしょうか。
歯科衛生士の給与を決めるのは、本当に難しいのです。
歯科衛生士の給与を決める際の注意点
ここからは、人事評価制度を利用する・しないに関わらず、歯科衛生士の給与を決めるうえでの注意点について解説していきます。
歯科衛生士の給与を決める際には、このような内容に注意しましょう。
それぞれの内容について、1つずつ解説しますね。
地域の相場をチェックする
歯科衛生士の給与を決める際には、地域の相場をチェックしましょう。
参考値とはなりますが、歯科衛生士の給与相場は、Indeedの「給与調査」から簡単に確認できます。
キーワード欄に「歯科衛生士」、勤務地欄にはお住まいの都道府県を入力して検索すると、簡単に相場を調べることができます。
同じ歯科衛生士の仕事でも、地域によって給与の相場は異なります。
歯科衛生士の給与を設定したり求人採用を行ったりする際には、自院の給与が地域の相場とかけ離れていないかどうか確認しましょう。
院長の主観で決めるのはNG
これといった給与の基準がないため、院長の主観で決めているという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この方法はおすすめできません。
その理由は、はっきりとした評価基準がないため、歯科衛生士の不満や不信感につながる可能性があるからです。
また歯科衛生士に「院長は好き嫌いで給与を決めているのではないか」と思われてしまった場合、退職されてしまうこともあるでしょう。
院長自身は公明正大に評価しているつもりでも、歯科衛生士が見たときに一目でわかるような基準がなければ「気分で決めている」という目で見られてしまいます。
そのため、給与を決める際には、誰が見てもわかりやすい評価基準を作成する必要があるのです。
給与を高く設定しすぎる必要はない
では、近隣の医院よりも高い給与を設定すればいいのかというと、実はそうでもないのです。
歯科衛生士が仕事先を探す際には、必ず給与を確認します。
もしもあなたが勤務先を探しているときに、周辺医院の平均給与が20万円なのに対して、1ヶ所だけ30万円となっていたらどう思いますか?
- ・歯科衛生士がすぐに辞めるから、給与を上げて採用しようとしているのではないか
- ・残業が多く、休みが取りにくいのではないか
- ・求められるレベルが相当高いのかもしれない
このように思ってしまう方が多いのではないでしょうか。
このような理由から、給与は高く設定しすぎる必要はないのです。
給与を適当に決めてしまった場合のリスク・デメリット
給与を適当に決めてしまうと、このようなリスク・デメリットがあると考えられます。
1つずつ解説していきます。
医院に対する不信感につながる
給与に対して明確な理由がなく、歯科衛生士から給与について尋ねられた際にしっかりと答えられなかった場合、歯科衛生士からの不信感につながってしまいます。
また「院長は好き嫌いで給与を決めているのではないか」と疑われてしまうことも考えられます。
給与に対する明確な根拠と判断基準があれば、余計なトラブルを避けられますよ。
歯科衛生士が定着しない
医院に対して不信感を持たれてしまうと、すぐに辞められてしまう可能性も考えられます。
- ・給与の基準がわからない
- ・なぜ今の給与なのか、納得のいく説明をしてもらえない
- ・何をどう頑張ったら給与が上がるのかがわからない
このような職場では、長く働きたいとは思えないですよね。
給与に対する根拠がないと歯科衛生士が定着せず、求人採用においても課題が残ることになるでしょう。
歯科衛生士のモチベーションが上がらない
評価基準がはっきりしておらず、頑張りが給与に反映されるのかがわからない状況では、歯科衛生士のモチベーションは上がりません。
歯科衛生士のモチベーションが上がらなければ、医院としての技術も向上せず、患者さんからの評価も上がらないでしょう。
そうなると医院としての収益も上がらず、経営が困難になるかもしれません。
給与の評価基準が明確ではない場合、このような悪循環になることも想定されてしまいます。
歯科衛生士は歯科医院にとって、重要な人材です。
自院で働いてくれている歯科衛生士たちには、明確な評価基準を提示し、頑張りがしっかりと給与に反映される仕組みで報いてあげたいですね。
人事評価システムを活用した透明性の高い賃金テーブルを活用する
ここまでの内容から、給与の設定は非常に重要であると理解していただけたと思います。
しかし、「給与の決め方が重要であることはわかったけれど、どうすれば良いのかがわからない」と感じている院長も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、人事評価制度の導入が解決策となります。
人事評価制度って、一般の企業が導入するものではないのですか?
いいえ。歯科医院でもうまく活用できると、歯科医院全体としての生産性が向上します!
しかし、一から評価基準を作成しようと思うと、相当な労力が必要となります。
そこでおすすめなのが、人事評価システムを取り入れることです。
人事評価システムを導入すると、給与の判断基準が明確になり、院長の感情を入れることなく「できる・できない」の事実だけを元に評価ができます。
これだけではわかりにくいと思うので、評価項目の具体例を使って見てみましょう。
<等級C>
- ・P検査(精密)
- ・スキャン(アイテロ)
- ・唾液検査:小児(CAT)
<等級B>
- ・染め出し
- ・PCR
- ・ブラッシング指導 (2.3回)
<等級A>
- ・サリバチェック(インプラント前)
- ・SRP
- ・シャープニング
いかがでしょうか?
明確な評価項目が決まっているため、人事評価システムを導入することで、短時間で正確な評価ができるようになります。
また評価項目をクリアし、その努力が給与にもしっかりと反映される仕組みを作ることで、歯科衛生士もモチベーション高く働けます。
その結果、医院全体の生産性が向上し、治療技術の向上も見込めるので患者さんからの評価も上がるなど、良いサイクルができあがることでしょう。
人事評価システムを取り入れるメリット5選
人事評価システムについて、なんとなくイメージできたでしょうか?
ここからは人事評価システムを取り入れるメリットについて、深掘りして解説していきます。
人事評価システムを取り入れるメリットは、以下の5つです。
それぞれの内容について、詳しくみていきましょう。
1. 医院の理念や院長の考え方が浸透する
人事評価項目を設定することで、医院の理念や院長の考え方をスタッフに浸透させることが可能になります。
たとえば、医院の理念として「患者さんの気持ちに寄り添う」ことを大切にしたいとします。
この場合は、カウンセリングの評価項目の1つに「傾聴」という内容を入れればよいのです。
歯科衛生士がこの項目をクリアするためには、患者さんの意向を大切にしなければなりません。
このようにして人事評価システムを活用すると、医院として統一性のあるスタッフがそろい、対応にムラがなくなります。
院長の価値観をオープンにすることで、その価値観に共感した歯科衛生士が集まってくれ、定着率も上がるメリットもあります。
2. 客観的な基準に基づいて給与を決められる
人事評価システムを導入すると、客観的な基準に基づいた給与を設定できるようになります。
評価項目が明確になるので、誰が見ても評価の基準がわかりやすく、給与に関する不満や不信感をなくせます。
また「できる・できない」で評価ができるので、院長の時間を大幅に削減することも可能です。
「これができるようになったら給与が上がる」ということがはっきりと分かるので、不満が出にくく、トラブルを防ぐことにもつながります。
3. 歯科衛生士との信頼関係が構築できる
人事評価制度は、導入したら終わりではありません。
歯科衛生士が設定した目標に対する達成度を測ったり、評価面談をしたりする必要があります。
- 設定した目標は達成できそうか
- 難しいと感じている項目はないか
- これから頑張りたいと思っていることは何か
このような内容について定期的に話すことで、歯科衛生士とのコミュニケーションが増え、お互いの考えていることがわかるようになります。
悩んでいることがわかると、仕事中にちょっとしたアドバイスができたり、雑談をして気持ちを和らげたりすることができますよね。
「院長が自分のことを見てくれている」と感じられると、「もっと頑張ろう」と思えるものです。
このようなコミュニケーションを日頃から意識することで、歯科衛生士との信頼関係が構築でき、定着率も向上します。
4. 歯科衛生士の人材育成やモチベーションUPに繋がる
人事評価システムを導入すると、どのようなことを頑張ればいいのかが具体的になります。
「いつまでにこれができるように頑張ろう」と、歯科衛生士自身が目標を設定できるので、自然とモチベーションが上がります。
評価項目の難易度も徐々に上がっていくので、項目を達成できるごとに歯科衛生士の技術力も上がり、人材育成にも役立ちますよ。
5. 医院全体の生産性が向上する
人事評価制度を導入し、歯科衛生士が育ってくると、当然のことながら医院全体の生産性も向上します。
歯科衛生士一人ひとりが主体となって動くことができ、イキイキと働いてもらえるでしょう。
また生産性が上がると患者さんの満足度も上がり、医院としての収益も上がることが予想できます。
歯科衛生士に対する指導の時間も減るので、院長自身も治療や業務に集中できます。
まとめ:給与を決める際には人事評価システムを活用しましょう
今回は、歯科衛生士の給与の決め方について解説してきました。
- 給与を適当に決めるとトラブルにつながる可能性があること
- 人事評価制度を導入することで、明確な評価基準を元に給与を決められること
- 人事評価システムを取り入れることで、1から評価項目を作成しなくて済むこと
このようなことが理解していただけたのではないでしょうか。
給与の基準が明確になると、歯科衛生士が自分で目標を設定し、主体的に動いてくれるようになります。
その頑張りに対してしっかりと給与で返したり、評価面談などでフォローをしたりすることで、歯科衛生士との信頼関係も深まり、医院としてのレベルも向上していくことでしょう。
人事評価制度を導入するには、人事評価システムを導入することで効率化が可能です。
ぜひ貴院でも、人事評価システムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
歯科医院向け人事評価システムをご提供しています
現在、なるほど!デンタル人事では、人事評価システムをご提供しております。
「人事評価システムを取り入れるといいのは分かったけれど、どこにあるの?」
このように感じている院長もいらっしゃることでしょう。
弊社では歯科医院向けの人事評価システムの導入はもちろん、導入後のサポートまで対応させていただきます。
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