せっかく内定を出した応募者がいたのに、辞退されてしまった…
求人の条件を見直して、PR文章も練り直して…
試行錯誤の果てにようやく応募が増え始めたけど、「いい!」と思って選んだ人に限ってまさかの内定辞退。
「いくら努力してもなかなか入職に漕ぎ着けない!」という経験はありませんか?
この記事では、内定辞退を防ぐ対策について解説します。
「採用に足りていないものがあるのかも?」
「辞退後の対応の流れがわからない」
という方はぜひ参考にしてください。
内定辞退の理由
そもそも、なぜ内定辞退が発生するのでしょうか?
実は辞退メールに書かれた理由も本当かウソかわからないニャ。
しかし、あなたの医院に何らかの引っ掛かりを感じ、不安材料の一つとなって内定辞退に至ったのは事実。
内定辞退の理由は人によってさまざまですが、下記の3つがよくある理由です。
他院で内定が決まった
より条件が良い他の医院で内定が決まってしまったケースです。
歯科衛生士の就職活動や転職活動では、複数の歯科医院の選考を受けることも。志望する医院を一つに絞らず、複数の医院を比較しながら就職活動を進める衛生士は多くなっています。
院内の雰囲気が悪かった
院長やスタッフの態度が威圧的であったり空気がピリピリしていたり、「スタッフや職場の雰囲気が求職者自身と合わない」と判断されてしまったケース。医院見学が忙しい時間帯と被ってしまい、バタバタとした姿を見せてしまう場合もあるかもしれません。
新卒歯科衛生士だと、ピリピリとした忙しい雰囲気に威圧されて萎縮するケースもあるようです。
働く環境や条件が求人情報と異なっていた
面接時に提示された給与額が求人票の記載と違っていた、業務内容が求人票の記載と違ったなど、条件や環境が求人情報と異なっていた場合。
また、自分自身が働くイメージが持てなかった…という理由での辞退もあります。
医院の細かいところまで見ている歯科衛生士もいるため、特に院内の清掃には要注意。清潔感を重要視する衛生士は多く、ユニット周りや滅菌室が汚れていると不安を感じてしまいます。
一度の医院見学で院長とスタッフの人柄や、院内の雰囲気などの全ての理解はできません。
しかし、求職者を不安にさせてしまう些細なものは、どこに転がっているかわからないものです…
内定辞退を防ぐ対策
内定辞退の主な理由は
「他院への入職」「雰囲気が合わなかった」「求人情報と条件が異なっていた」の3つでした。
これらを踏まえて、内定辞退を防ぐための対策にはどんなものがあるでしょうか。
給与や待遇の提示と説明は明確に
正直、給与や待遇面の話は求職者側からはしづらいものです。聞きづらい話題だからこそ、面接の中で明確にしてあげましょう。
特に、給与や昇給、賞与などは仕組みや根拠のわかりやすい説明が必要です。
あまりぼかした表現をすると不信感を持たれたり、条件を明確に提示している他の医院を選んだりするかもしれません。
求人票の記載や条件提示の場での説明は、お互いの認識を擦り合わせながらしっかりと行いましょう。
入職後の給与目安を設定して提示してあげると、求職者に医院で働くイメージと安心感を持ってもらえるからおすすめだニャ。
早めのレスポンスを
求人倍率が高いからこそ、スピードが命。
求職者は複数の医院に応募しているケースが多いため、採用に関する連絡が遅くなるほど他院に入職してしまうリスクが高くなります。
また、レスポンスが早いと求職者に対して誠実な印象を与えられます。
採用決定後は速やかに内定通知を送り、お互いスケジュールをすり合わせながら入職までの道筋をスムーズに立てていきましょう。
入職までのやり取りを丁寧に
内定が出たとしても、「本当にこの医院でよかったのだろうか」「医院にうまく馴染めるだろうか」と不安な気持ちになる求職者は多いです。
「内定ブルー」という言葉があるほどで、この不安が大きくなると内定辞退につながりかねません。
大切なのは、こまめな連絡で不安を取り除いてあげること。不安や疑問解消のためのアドバイスや説明を必要に応じて行いましょう。
求職者の「入社したい」気持ちを高めるために、スタッフとの交流の場を設けたり、見学ではわかりづらい医院の雰囲気を伝えたりするのも良いですね!
関心を持たれているのが求職者に伝わると安心してもらえるので、ウェルカム感全開で対応しましょう!
新卒入社の学生さんだといきなりのお誘いにプレッシャーを感じたり緊張したりする場合もあるニャン。
呼び出しではなく、「よかったら来ませんか?」くらいのお誘いにしておくのがポイントだニャ!
採用プロセスの見直し
内定辞退を防ぐためにもう一つ必要なのが「採用プロセスの見直し」。
何度も試行錯誤した求人票や採用サイトでも、もう一度確認してみましょう。
求職者向けの医院情報を充実させる
求職者が応募前に確認できる情報を見直しましょう。
「情報」とは、給与や休日などの条件面だけではありません。院長の考えや働きやすさ、他の医院との違いや働くスタッフの声など、医院の特徴を細かく伝える必要があります。
求職者が入職後のイメージを持てるくらいの情報量が理想です。グッピーやジョブメドレーなどの求人媒体に掲載できる情報だけではなかなか難しいので、医院独自の採用サイトを作成するのもおすすめですよ!
見学時は求職者に寄り添った対応を
求職者に強い印象を与えるのは見学時の対応。どんなに忙しい時でも見学に来た求職者を置き去りにしてはいけません。
常に誰かが付き添い、診療の見学時にはできるだけ立ち会ってもらうなど、常に求職者に寄り添う姿勢でいましょう。
また、スタッフとのお話の機会を設けるのも効果的です。求職者の前だからといって取り繕う必要はなく、いつもと同じような振る舞いでOK。
歓迎ムードを忘れず、求職者がリラックスして見学できる空気を作るのが大切です。
選考期間の連絡は迅速に
選考中のレスポンスの速度や態度は求職者からの信頼感に影響します。
少しでも不信感があると内定辞退につながりかねないため、応募がきた段階から真摯な対応と迅速なレスポンスを心がけましょう。
連絡から時間が経つほどに不安が増し、求職者の気持ちは離れていってしまいます。誠実な対応で求職者との信頼関係の構築が大切です。
これまでのポイントを一つの流れにすると、以下のような形になります。
①求職者に向けた情報を充実させる
②見学時には寄り添った対応を
③面接後の条件提示は明確に
④選考後の連絡は丁寧・迅速に
この4つのポイントに沿って、採用活動の見直しと対策を行っていきましょう。
内定辞退時の対応策
内定を辞退された後はがっかりして終わり…ではありません。
辞退後は求職者にヒアリングを行い、採用活動の改善につなげましょう。
丁寧なメッセージの送信
まずは速やかに返信を行うのが重要。
内定辞退を受理した旨と入職を考えてくれたことへの感謝の意を求職者に伝え、同時に内定辞退理由のヒアリングの協力を依頼します。
今回は縁がなかったとしても、今後の通院や、再転職のきっかけなどで将来関わる可能性もありますので、丁寧な対応が大切です。医院に関心を持ってもらったことに対して感謝を述べ、求職者に安心してもらいましょう。
内定辞退理由のヒアリング
他院の内定をもらって辞退した求職者には「当院ではなく別院を選んだ理由」を聞きましょう。
しかし、ストレートに聞いてもなかなか答えづらいもの。曖昧な解答で濁される可能性もあります。
そのため、ヒアリングの際には「他院に魅力を感じた部分」として聞くのがおすすめです。
また、「見学の際にギャップを感じた部分や疑問点」として、当院が合わないと思った理由も尋ねましょう。
内定辞退は悔しいですが、改善のチャンス!ヒアリングの中から次の採用活動に活かせる情報を集めましょう!
求職者が感じたギャップについては個人差があるから、参考にするくらいがちょうどよさそうだニャ。
求職者と医院側がお互いに次の求職活動と採用活動を続けていくためにも、内定辞退後はスムーズなやりとりを心がけましょう。
近年では、内定を出した求職者に対して圧力をかけたり、しつこく引き止めを行ったりする「オワハラ(就職終われハラスメント)」が問題になっています。
オワハラやしつこい対応を行なった場合、医院のイメージが損なわれたり求職者間での評判が悪化したりしてしまいます。
引き止めは一度にとどめておき、内定を承諾されないと分かった場合は、内定辞退を受理した旨を速やかに求職者に伝えましょう。
まとめ
内定辞退の理由や防止対策をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
採用活動や医院のアピールを見直すきっかけになれば幸いです。
採用活動と就職活動のどちらも、タイミングと相性が重要です。
今回ご紹介したポイントを踏まえて、お互いにマッチできるかの確認を行っていきましょう。
「対策は分かったけど、いざというときに対応できる自信がない」
「求職者への情報開示では何をすればいいんだろう?」
「やっぱり妥協せずに、求めている人材にこそ内定を出したい!」
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求人倍率の増加に伴って内定辞退の割合も増加の傾向にあります。
適切な対応で求職者と信頼関係を築き、内定辞退を防ぎましょう。