歯科医院の「お局」特徴&心理10選|うまく付き合うための対処法とマネジメント術とは?

離職防止

若手のスタッフや新しい職場に転職する人にとって、職場の雰囲気や人間関係はもっとも気になることの一つであり、人間関係に悩んで仕事を辞める人も少なくありません。 

歯科医院の場合、歯科衛生士・歯科助手のほとんどが女性であるため、ただでさえ職場の人間関係が複雑になりがちです。
そこに「お局様」がいると、さらに人間関係がいびつな職場環境になってしまいます。 

今回は、「お局」歯科衛生士あるある、心理、対処法と、そもそも職場にお局をつくり出さないためのマネジメント術を紹介します。

お局の特徴や心理状態が分かれば、対処もしやすくなります!

「お局」とは 

そもそも「お局(おつぼね)」とはどのような人物を指すのでしょうか。 

goo辞書によると、お局とは一般的に「職場で勤続年数が長く、特に同性の同僚に対して力を持っている女性のこと」とあります。
また、「宮中で、局(個室)を与えられた女官の敬称」「江戸時代、将軍家・大名家で局を与えられた奥女中の敬称、また、その奥女中を取り締まった老女の敬称」とあります。(出典:デジタル大辞泉) 

つまり、もともとは江戸時代の大奥に仕えた女中のことや、その女中を仕切っていた人物を指していました。 

現在では、ベテラン女性職員に対して、「いじわる」「口うるさい」「性格がきつい」などのネガティブなニュアンスを込めて使う言葉です。
「陰の支配者」とも言われ、顔色を伺わないと仕事ができないなんてことも起こります。 

よくいる「お局」歯科衛生士の特徴5選 

実際の歯科医院で見かける「お局」と言われるスタッフの特徴を見ていきましょう。

愚痴や噂話が多い 

とにかく愚痴や噂話が大好き
口を開けば人の悪口や噂話を話します。職場に対する不満もあれば、特定の人にターゲットを定めた悪口もあります。
特に自分より立場の弱いスタッフや新しくきたばかりのスタッフはターゲットにされがちです。 

また、話のネタのために、スタッフの恋愛事情や家庭のことなど、プライベートのことを知りたがったり、首を突っ込もうとしてきます。

多くの場合、聞いた内容は別のスタッフとの噂話のネタにされてしまうかも…。

同調を求めてくる 

愚痴や噂話を話すだけに留まらず、「そう思わない?」などと同調を求めて、自分の味方に引き込もうとしてくることがあります。そのようにして自分の仲間を集めます。 

もし同調しなければ、あからさまに不機嫌になったり、「あなたは私側の人間じゃない」と判断されて敵にまわされたりするため、非常に厄介です。 

マウントを取る 

日本では年功序列の考えがいまだに根深いので、お局は技術のうまさなど関係なく、勤続年数が長いだけで、経験年数や過去の経験を武器にいろんな場面でマウントをとってきます。 

「昔はもっと〇〇だった」「まだ若いからわからないと思うけど」などと、自分の方が立場が上だということをアピールしてくる傾向があります。
自分が優位に立たないと気が済まないようです。 

また、アドバイスが好きで、仕事で必要な範囲を超えて干渉してきます。
善意で教えていても、後輩にとっては、ありがた迷惑なことが多いです。 

表裏があり相手によって態度を変える 

自分にとって利益のある人には丁寧に接したり、自分より立場が上の人に対して媚を売ったりします。
かと思えば、裏ではその人の陰口を言ったりもします。 

一方で、自分より立場の弱いスタッフには、当たりが強いです。 

院長の前ではいい顔をするため、院長にはスタッフの深刻な悩みが伝わらず、改善されにくいことがあります。 

また歯科診療は多くの場合、歯科医師と歯科衛生士(または歯科助手)の2人体制で行われ、個室だとさらに物理的に目が届かなくなるため、院長がスタッフ同士の関係性の歪みに気づきにくい構造になっています。 

えこひいきをする

自分が気に入っている後輩衛生士や、仕事ができて非の打ち所がないスタッフなどに対しては、明らかに優しく接したりします。 

同じ仕事をしても、お気に入りのスタッフは褒め、そうでないスタッフは素直に褒めようとしません。 

理不尽なことで怒ったり感情で仕事をする 

なぜそこで?」というポイントで怒り出すことがあります。
怒られる側にとっては、なぜ怒られているのか納得できなければ意味がありません。
合理性を欠いているのは多くの場合、個人の感情を持ち込んでいるからです。感情を持ち込むと、人格否定や嫌味など必要のないことまで口走ったりします。 

さらに新人衛生士にとって辛いのは、患者の前で理不尽に怒られることです。
治療を受けている患者の頭上で感情的に怒られ、お局が一時的に席を外した途端に患者から「大丈夫?」「大変だね」とフォローされることは珍しくありません。
これでは、集患面でも悪影響です。 

多くのお局はその日の気分で怒るポイントや仕事のやる気に波があり、周囲のスタッフを振り回します。
毎日、顔色を伺って仕事しなければならないので大変です。 

対処するために知りたい「お局」の心理5選

「お局」と呼ばれてしまうスタッフは、一体どのような心理で動いているのでしょうか。

嫉妬心や劣等感がある 

嫉妬心や劣等感から、素直に相手を受け入れられず、いじわるをしたりマウントをとったりして優位に立とうとし、自分を大きく見せたり強く見せたりします。 

嫉妬心や劣等感を抱くのは、心に余裕がなく自分に自信がないことの裏返しです。
「自分の衛生士技術に自信がある」「患者や院長からの評価に満足している」ならば、嫉妬心も劣等感も抱かないでしょう。 

自分の立場を守りたい 

医院に長く勤めてきた自負がある分、「立場が危うくなるのが怖い」「後輩が成長したらDHチーフの立場が奪われるかもしれない」などと不安になり、悪口で攻撃したり、教育を適当にしたり、周囲に同調してもらうことで安心感を得ます

また、自分の立場を守るためにマウントを取ったり、厳しく指導したりして、権威があるかのように振る舞います。自分がパワーを発揮できる(と思い込んでいる)人間関係のパワーバランスを保とうと必死になっているのかもしれません。 

プライドが高い 

誰よりも職場を知っているという自負心が強く、プライドが高いため、弱みを見せることを恐れてか、自分の非を認めようとしないケースが多いです。 

また、「自分の方が立場が上だ」「自分が正しい」という気持ちが根底にあるため、上から目線になりがちです。 

承認欲求が強い 

プライドが高いことも相まって、人から認められないと不安定で苦しさを感じるようです。
そのため、人よりも優位に立たないと気が済みません。同調してもらうなど、ネガティブな方法を使ってでも人から認められることで気持ちが安定します。 

自分が職場を仕切っていると思っている 

院長がマネジメントに無頓着で、自分が職場を仕切らなければならないという責任感と正義感で動いている場合があります。

また、誰よりも職場のことを把握している状況を保ちたいと思っています。それがプラスに働けばいいのですが、職場にとってよくないパワーバランスをつくりだすのがお局です。
「自分がリーダーであり、中心だ」と気取ってしまい、職場全体のパワーバランスを左右してしまうのです。 

「お局」への具体的な対処法

ここからは、そんなお局スタッフへの対処法をご紹介します。

褒めすぎず怒らない 

褒めすぎても「これでいいんだ」と鼻が高くなり、怒っても敵に回してしまうことがあります。怒ると、怒る側も怒られる側も気分が悪くなり、いいことはありません。 

他のスタッフと同じように適切に評価してあげることが必要です。 

また、お局のよくない行動を直接見た時は、行動に対して怒るのではなく、「何か嫌なことでもあったか」「悩んでいることでもあるのか」と情緒面の心配をしてみるのもいいかもしれません。 

認めた上でのアドバイス 

お局にアドバイスや注意をしたい時は、否定から入らず、認めるべきところや評価すべき点は評価した上で話すことで、聞き入れられやすくなります。 

マニュアルの明確化 

医院内のマニュアルを明確にすることはとても重要です。
それぞれが「自分のやり方」や「自分の考え」で仕事をすると、スタッフ間であつれきが生じます。 

もちろん「それぞれ自分で考えてベストなやり方をしてほしい」と自主性を重んじる医院もありますが、最低限のマニュアルや判断基準は必要です。
それによりチェック機能が働き、感情で決まることやお局の暴走を防ぐことができます。 

スタッフにとっても、マニュアルがあった方が自分に求められていることが分かり、成果につながることがあります!

評価制度の導入 

具体的な目標設定と、それを評価する制度の導入をしてみましょう。
スタッフそれぞれが達成ができたか確認できる具体的な目標を持つことで、目指す方向が明確になり、仕事に締まりが出てきます

年度毎に目標を設定する機会を持ち、定期的に面談で確認していくといいでしょう。
目標設定時期には、一人一人がその目標でいいのか面談でアドバイスし、定期的な面談で進捗状況を確認してみましょう。 

統率が取れている職場では、お局も負のパワーを発揮しにくくなるものです。 

スタッフが「お局」になるのを未然に防ぐマネジメント術 

歯科医院を経営する上では、歯科医師としての技術だけでなく、経営者としてのマネジメント力が必要です。 
以下、スタッフがお局になるのを未然に防ぐためのマネジメント方法をいくつか紹介します。 

人柄重視の採用 

根本的な内容ですが、まずスタッフが職場に満足するためには、「人間関係がいい」ことが一番重要です。
技術や経験は後からついてきますし、これから教育できるため、変えることが難しい「人柄」を重視した採用をしましょう。

職場の人間関係は医院の雰囲気を左右します。
患者さんもスタッフの人柄や雰囲気を見抜き、それで歯科医院を選んだりするものです。 

目標や理念を掲げる 

職場全体で同じ方向を向くことは大切です。
「うちは〇〇を大切にしている」「うちは〇〇に力を入れる」などと、大切にしているものやこだわり、目指すものを明確に示すことで、仕事の方向性がはっきりし、職場がまとまります。 

話しやすく明るい環境をつくる 

職場でコミュニケーションがよく取れていればいるほど、仕事は円滑になり、風通しも良くなります。
年齢関係なく、考えを伝え合えたり、院長・リーダーDH・同僚に相談できる環境を整えましょう。そのような職場は自然と明るくなります。 

院長が人の話をよく聞く人であれば、それが職場に広まります。
スタッフの意見を積極的に聞き、面白そうなアイディアがあればどんどん採用してみましょう。

また、スタッフに気軽に相談をしてほしいならば、院長自らいろんな話をしてみるのもいいでしょう。相手に求めることを自らしてみるのです。
もちろん人の話を聞くより自分の話を優先することは禁物ですが、日頃からコミニュケーションをとることで、院長がどんな人か知ってもらい、信頼にもつながります
信頼関係があれば「私も自分のことを話していいんだ」と安心できます。 

また中には、自分から悩みを言い出せなくても聞いてくれる機会があれば話せるというスタッフもいるかもしれません。定期的な面談による状況把握など、SOSを見逃さないための工夫も必要でしょう。 

個性を生かす 

スタッフの個性や長所を把握し、伸ばしてあげることが大切です。
そのためには、やはりコミュニケーションが欠かせません。スタッフがそれぞれの力を発揮できるステージを用意し、苦手なところはサポートしてあげましょう。一人一人がやりがいや達成感を感じてくれるようになります。 

休みを大切にする 

人は休みがなければ本来の力を発揮できません。
休診日前には「しっかり休んでください」「美味しいものでも食べてください」と声かけをしたり、有給を取りやすい雰囲気を作りましょう。

プライベートが充実すれば、仕事も捗り、好循環が生まれます!

歯科医療はチームワーク 

チームワークを強める努力をしましょう。
一人一人がチームの一員であり、必要な存在であると意識できるよう、院長は取りまとめる必要があります。
一体感を醸成するためには、目標や理念の共有コミュニケーションメンバーそれぞれの個性を生かした役割の明確化が重要です。定期的なミーティングがあるのも良いでしょう。 

まとめ 

院長が男性の場合、女性の複雑な人間関係には「正直関わりたくない」と思う人も多いです。
しかし、マネジメントがうまくいかないと、いつまでもお局の被害者が存在し、スタッフだけでなく、雰囲気を察知した患者さんまでも離れていきます。 

もし、お局で悩んでいる、もしくは医院のマネジメントで困っているならば、上記を参考にしながら、職場環境の改善に取り組んでみましょう。 

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