選考時に採用すべき歯科衛生士はどんな人?求める人物像に即した採用基準とは

採用基準

あなたの歯科医院では採用基準を設けていますか?

「せっかく応募してくれたし、履歴書で引っかかるところもないなら採用してしまおう」
と考えてしまう院長が多くいらっしゃいます。

歯科衛生士は採用倍率も高く、面接まで進めるのも大変な状況。

「応募が来たらできるだけ採用したい」と考える先生のお気持ち、よく分かります。

しかし、自院とミスマッチする歯科衛生士を雇ってしまうと、医院の雰囲気の悪化・早期退職・他スタッフの退職など、「歯科衛生士を一人不採用する」よりも大きなデメリットが生まれる可能性があります。

本記事では、スキル面ではなくマインド面にフォーカスを当てて、医院にマッチした歯科衛生士を採用するための求める人物像の作り方と採用基準の設け方を解説します。

自院に合う求める人物像を考えよう

先生は「求める人物像」を考えたことはありますか?

「どんな人に来て欲しいのか」を言語化したい先生は、こちらの記事をご参照ください。

上記の記事内にも記載がありますが「求める人物像」と謳いながらもその実態としては「本当に院長・スタッフが求める人物像」を言語化できていない医院がほとんど。

では、言語化できていない求める人物像とはどんなものがあるのでしょうか?
確認していきましょう。

よくある「求める人物像」とその書き換え方

抽象的で誰にも当てはまらない人物像になっている

  • 明るくキラキラした人
  • コミュニケーション能力があって元気な人
  • 前向きでポジティブな人

こちらの3つはよく見かけますね。
先生も実際に見かけたこと・書かれたことはありませんか?

なんとなく「こういう人」というイメージは湧きますが、残念ながら実際に自分の性格を「明るくキラキラしている」と捉える人はほとんどいません

つまり、上記のような書き方をしていると、思い描く人物像に実際に当てはまる歯科衛生士には全く刺さらないのです。

具体的な性格や趣味・嗜好で表現

例えば先生が「明るくキラキラした人」を採用したいと考えているならば、「明るくキラキラしている」人がどのような人であるのかを細かく洗い出していきましょう。

「明るくキラキラしている」

  • 笑顔で接せる…雑な対応をしない、目の前の相手を大事にできる
  • 人と話すのが好き…対面コミュニケーションが得意
  • 仕事中に疲れた顔を見せない…仕事と私情のメリハリをつけられる
  • プライベートも活発に遊ぶ…好きなことに一生懸命取り組める

細かく言語化ができると、これまでぼんやりとしていた人物像も具体性が増していきます。

細かい性格が見えることで「この性格の人は休日こんな過ごし方をする」「こんな趣味の人なら当院でも働きやすいはずだ」など、より具体的なターゲットがみえてきます

採用基準を考えるためにも、まずは「求める人物像」のマインド面を細かく設定するところからはじめましょう。

対患者様向けの書き方になっている
  • やりがいを重視する人
  • 患者様に貢献したい人

もちろん、「やりがいのある仕事をしたい」「患者様に喜んでもらえる仕事をしたい」と考える歯科衛生士はたくさんいます。

しかし、何にやりがいを感じ、どう貢献したいかは人それぞれ。
先生が歯科衛生士に「どんな仕事内容をしてもらいたいか」を素直に記載した方が、求職者にとってミスマッチが起きません

対患者様向けの表現を使うのではなく、あくまで求職者である歯科衛生士が何を知りたいのかを記載しましょう。

本当に考えるべきはこの医院で「これからどうなれるか」

ここまで「求める人物像」として先生が「どんな歯科衛生士が欲しいのか」をお伝えしました。

次のステップとして「来て欲しい」から「来るとどうなれるのか」という未来をイメージできるような言語化をしていきましょう。

過去現在ではなく未来像を描けるようにする

  • 「どんな医院であるのか」
  • 「どんな経歴の歯科衛生士なのか」

などの現在・過去ではなく、

  • 「これからどんな医院になっていくのか」
  • 「これからどんな歯科衛生士/社会人になりたいのか」

という未来像を言語化していきましょう。

「今持っているもの」で選ばれるよりも、「これから働く中で何が身につくのか」で選ぶ方が、歯科衛生士の志望度はグンと上がります。応募時の辞退抑止力にも繋がりますよ。

欲を刺激すると将来像を具体的に持ちやすくなる

ここでのポイントは「欲を刺激する」ことです。

「これをしたい」「これがほしい」「こうなりたい」などの欲を叶えてあげられる場所であると伝えられると、当てはまる求職者は「ここでなら働きたい!」と反応をするようになります。

自分に合った医院のため志望度が高いうえに、今後の展望も高い、いわゆる「やる気のある歯科衛生士」が入ってくれる可能性がとても高くなります。

この「欲」は仕事に直結しないことでも問題ありません。

例えば‥

  • 旅行が好きな方、海外旅行に行きたい方(完全週休二日制、年に1回5連休が取れる)
  • 頑張った分を給与に反映させてしっかり稼ぎたい(インセンティブあり、資格手当あり)

欲のある人は、それを手にいれるため・叶えるために頑張る傾向があります

「遊び・プライベートを目当てに仕事をしてほしくない」と考える先生もいるかもしれませんが、自分のモチベーションの上げ方を理解している歯科衛生士だと、先生や先輩が介入せずとも仕事を頑張るようになります

自院の特徴と前述の「求める人物像」の言語化をもとに「この人にはどんな欲を刺激するといいのか」を考えてみましょう。

面接時の採用基準が一気に具体的になります。

逆に採用してはいけない歯科衛生士ってどんな人?

それでは最後に、採用基準で「採用しない方がいい歯科衛生士」はどんな人なのかを考えてみましょう。

よく言われるのはこの3つ

  • 入職して1年で辞めた人
  • 短いスパンで転職を繰り返している人
  • 違う業種で働いていた人

どうしても気になってしまいますよね。

とはいえ、理由も聞かずに落とすのはNGです。
なぜなら、本人の性格以外が原因でこの3つに当てはまってしまう歯科衛生士も少なくないためです。

  • 「新卒で入った医院でアシスタントしかさせてもらえなかった」
  • 「地元が田舎で、通える範囲の歯科医院がどこも衛生面・経営面が不安な医院だった」
  • 「長く働く中で腰を痛めてしまい、しばらく歯科衛生士業務がキツくなってしまった」

などの理由があるかもしれません。

決めつけずに理由・原因とその人のこれまでの背景に耳を傾けてみてください。

相手の経歴を肯定した上で、前述のような「これからどうなりたいか」を確認し採用基準の一つにしていきましょう。

歯科衛生士を「選ぶ」のではなく「来てもらう」ために

いかがでしたか?

採用基準と一言で言うと医院が選ぶ立場のように感じてしまいますが、医院・歯科衛生士お互いの不幸なミスマッチを防ぐためのものです。

医院が求める歯科衛生士像があるように、歯科衛生士にとっても求める職場像があります。

面接で履歴書・経歴の話で終わらせず、これからどうなりたいのか、どんなことをしたいのかを対話で確認し、採用基準のチェックを行いましょう。

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