【歯科医師必見】歯科衛生士とのコミュニケーションの取り方や意識したいポイントを徹底解説

スタッフ教育

歯科医院の運営において、歯科医師と歯科衛生士とのコミュニケーションは非常に重要です。しかし、わかってはいてもコミュニケーションは難しいもの。うまくできていないという方も多いでしょう。

事実、多くの歯科医院でコミュニケーションがうまくいっていないケースが見られます。コミュニケーションは、仕事をするうえで重要です。うまくできていないと、職場環境の悪化や治療成果の低下、患者満足度の低迷といった問題が生じてしまいます。

この記事では、「歯科衛生士とのコミュニケーションの重要性」について解説しています。その他、「コミュニケーションで意識したいポイント」や「信頼関係を築くポイント」についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

  1. 歯科医師と歯科衛生とのコミュニケーションの重要性
    1. 職場環境が改善する
    2. 治療成果に影響する
    3. 患者満足度が向上する
    4. 継続的な成長に期待できる
    5. エラーと問題の早期発見ができる
    6. 歯科医院運営における意思決定プロセスへの参加
  2. 歯科医師が歯科衛生とうまくコミュニケーションできない理由3選
    1. 歯科衛生士が悪いと思っている
    2. 間違ったコミュニケーションを取っている
    3. コミュニケーションが下手で失敗している
  3. 歯科医師が歯科衛生士との信頼関係を築くポイント3選
    1. コミュニケーションしやすい場所を作る
    2. 目標設定を共有する
    3. 定期的に個人面談を実施してフィードバックする
  4. 歯科医師と歯科衛生士がコミュニケーションを取るためのオススメの方法3選
    1. 定期的に軽めのミーティングを実施する
    2. チーム内で情報共有できるツールを導入する
    3. フィードバックをする機会を作る
      1. ランチミーティングもあり
  5. 歯科医師と歯科衛生士のチームワークを強化するポイント6選
    1. 指示の出し方に気を付ける
    2. 役割と責任を明確化させる
    3. 受け手の理解度を把握する
    4. 適切にフィードバックをする
    5. 「報連相」について認識をすり合わせる
    6. 感謝を忘れずにポジティブな職場環境を作る
  6. 歯科医師と歯科衛生士とのコミュニケーションは院長の行動次第で変わる

歯科医師と歯科衛生とのコミュニケーションの重要性

歯科医師 歯科衛生士 コミュニケーション

歯科医師と歯科衛生士がコミュニケーションを取るのは、非常に重要です。なぜ重要なのか、以下の理由で詳しく解説します。

  • 職場環境が改善する
  • 治療効果に影響する
  • 患者満足度が向上する
  • 継続的な成長に期待できる
  • エラーと問題の早期発見ができる
  • 意思決定プロセスへの参加を促せる

職場環境が改善する

歯科医師と歯科衛生士がしっかりとコミュニケーションを取ることで、職場の雰囲気が大きく変わります。お互いの理解が深まり、協力しやすくなるからです。日常の業務で生じる小さな誤解も解消されやすく、働きやすい環境を構築できるでしょう

コミュニケーションは、職場環境において重要です。居心地の悪い環境だと感じている場合は、改善を試みる必要があります。

治療成果に影響する

コミュニケーションは、治療成果にも直結します。歯科医師と歯科衛生士が情報を共有し連携を取ることで、治療計画の精度が上がるためです。患者さんに、より良い治療を提供できるようになります。

仕事にとって情報共有は重要です。適切な共有をするためにも、日々のコミュニケーションを意識しましょう。

患者満足度が向上する

歯科治療を受けている中でも、患者さんはスタッフのコミュニケーションを見ています。やり取りがスムーズであるほど、「また治療を受けたい歯科医院」と考えてくれ、患者満足度の向上につながります。安心感を生み出す点も、見逃せません。

飲食店をイメージするとわかりやすいでしょう。スタッフがギスギスしている飲食店よりも、連携を取ってスムーズに仕事をしている飲食店の方が、信頼できます。

歯科医院も同じです。患者さんはそういう部分もしっかり見ているため、満足度向上のためにも良いコミュニケーションを意識しましょう。

継続的な成長に期待できる

歯科医師と歯科衛生士のコミュニケーションが活発だと、歯科医院全体の成長にも期待できます。新しい知識や技術を共有すれば、全員が最新の情報を持ち、スキルアップやモチベーションアップに繋がります。お互いの頑張りが刺激になって、高め合っていけるでしょう。

歯科医院として継続的に成長できる良いサイクルを生み出せます。

エラーと問題の早期発見ができる

コミュニケーションが活発な職場では、エラーや問題が早期に発見されやすくなります。スタッフ間で情報がオープンに共有されることで、小さな問題も見過ごされにくいためです。何か起こった際の対処も、迅速にできます。

「ハインリッヒの法則」にあるように、1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、更にその背後には事故寸前だった300件の以上が隠れています。「1:29:300の法則」と呼ばれることも。

重大事故を防ぐには、日頃からエラーと問題を早期発見し、適切な対策を講じる必要があります。コミュニケーションはそういった事故を防ぐためにも、重要なのです。

歯科医院運営における意思決定プロセスへの参加

歯科医師と歯科衛生士が互いにコミュニケーションを取ることで、歯科医院を運営する際に必要な意思決定プロセスに、スタッフ全員の参加を促せます。歯科医院の運営を自分事にできるためです。決定事項に対する理解が深まり、実行に移す際のモチベーションも高まるでしょう。

スタッフ一人ひとりが医院運営に貢献している実感を持ち、積極的に動いてくれる効果にも期待できます。

歯科医師が歯科衛生とうまくコミュニケーションできない理由3選

歯科医師 歯科衛生士 コミュニケーション

多くの歯科医師が、歯科衛生士とうまくコミュニケーションを取れずに困っています。その理由として、以下の3つが考えられます。自分もやっていないか、振り返ってみましょう。

  • 歯科衛生士が悪いと思っている
  • 間違ったコミュニケーションを取っている
  • コミュニケーションが下手で失敗している

歯科衛生士が悪いと思っている

何かミスがあると、歯科衛生士が悪いと責めるパターン。うまくコミュニケーションができない理由の中でも、最も修復が難しいものです。

歯科衛生士は立場上、なかなか反論ができません。歯科医師が非難するとコミュニケーションの意思を奪ってしまい、対話できなくなる可能性があります。

特に注意したいのが、ミスが発生した場合です。指摘の仕方によっては改善の機会を逃し、関係が悪化する可能性があります。

たとえ自分が悪くとも、一方的に責められて気分の良い人はいません。歯科衛生士が悪いと決めつけるのではなく、原因を究明したうえで、発生しない方法を一緒に模索していくよう心がけましょう。

ミスを責めるのではなく、ミスが起きてしまった原因を一緒に解決しましょう。

間違ったコミュニケーションを取っている

コミュニケーションは、相手の立場や言葉を理解し、適切な方法でやり取りをする行為です。しかし多くの人が、自分だけが話し、相手の言葉を聞かずに終えてしまいます。すると相手は一方的に話されただけなので、不満が残り、やがて退職へとつながります。

つまり、歯科医師が一方的に指示を出すばかりで歯科衛生士の意見を聞かない場合は、うまくコミュニケーションができていない状態です。情報の共有が不十分となり、ミスの原因にもなります。

コミュニケーションの大原則は、相手が知りたい内容を伝えること。自分だけが話すのではなく、聞く相手を考えてコミュニケーションを取る必要があります。

気がつくと「自分の話ばかりで相手のこと何も聞いてない!」となっていませんか?
まずは相手が何を知りたいのかを知るところから始めましょう。

コミュニケーションが下手で失敗している

コミュニケーションが下手だと、誤解や不信感を生む原因となります。歯科医師が自分の考えを明確に伝えられなかったり、歯科衛生士の話を十分に聞かなかったりすると、お互いに溝ができる可能性があります。

コミュニケーションの得手不得手は人によりますが、向上させることは可能です。自分が下手だからと諦めるのではなく、コミュニケーションをどうやって取ろうか考えるようにしましょう。

あらかじめ「自分はコミュニケーションが苦手なので何かあれば遠慮なく言って欲しい」と正直に伝えておくのもひとつです。

歯科医師が歯科衛生士との信頼関係を築くポイント3選

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歯科医師が歯科衛生士と信頼関係を築く場合、以下の3つのポイントを意識してください。

  • コミュニケーションしやすい場所を作る
  • 目標設定を共有する
  • 定期的に個人面談を実施してフィードバックする

コミュニケーションしやすい場所を作る

信頼関係の基盤は、オープンなコミュニケーションから始まります。歯科医師が歯科衛生士とコミュニケーションしやすい、リラックスできる環境を作りましょう。

例えば、忙しい診療の合間にも気軽に話せる小休憩を設けるといった形です。日常的なコミュニケーションが促進され、お互いの理解を深められます。

目標設定を共有する

共通の目標に向かって努力する中で、歯科医師と歯科衛生士の間に強い絆が生まれます。目標を共有すると、それぞれの役割が明確になり、チームワークの向上にも期待できます。

例えば月初めに目標を設定し、達成に向けてどのように協力していくかを話し合うといった方法が効果的です。

歯科医院の成長もできるため、一石二鳥の方法といえます。

定期的に個人面談を実施してフィードバックする

定期的な個人面談もオススメです。歯科衛生士一人ひとりの成長をサポートし、信頼関係を深められます。面談を通じて仕事の進捗や問題点、改善点について情報を共有できる点もメリットです。

前述した目標設定について相談するのにも、良い機会になります。その場合、目標について厳しく詰めるのではなく、以下を意識しましょう。

  • 目標をクリアするためにどうすればいいのかを話し合う
  • 目標をクリアできた場合は賞賛し、なぜクリアできたのかを話し合う

目標に対して一緒になって考えると、歯科衛生士との信頼関係を育みやすくなります。お互いが意見を出し合って、目標に向かっていくイメージです。

このように個人面談によって、歯科衛生士は自分を見てくれていると感じ、モチベーションの向上にもつながります。非常に効果的な方法です。

歯科医師と歯科衛生士がコミュニケーションを取るためのオススメの方法3選

歯科衛生士とコミュニケーションを取るのが難しい。そう考える歯科医師の方は、以下の方法を実践してみてください。

  • 定期的に軽めのミーティングを実施する
  • チーム内で情報共有できるツールを導入する
  • フィードバックをする機会を作る

定期的に軽めのミーティングを実施する

歯科医院での円滑なコミュニケーションには、定期的なミーティングが効果的です。ミーティングを通じて、日々の業務や治療方針について話し合ってください。

例えば、週に1度、全員が参加できる時間を設け、リラックスした雰囲気の中で意見交換をします。チーム全体の理解と協力が深められるでしょう。

チーム内で情報共有できるツールを導入する

最新のIT技術を使って、チーム内のコミュニケーションを強化する方法もあります。例えば、以下のようなツールです。

  • LINE
  • Slack
  • ChatWork
  • Microsoft Teams
  • Google ワークスペース

こうしたコミュニケーションツールを導入して、スタッフ間での情報共有をしましょう。対面ではコミュニケーションに苦手意識と感じている方同士でもオンラインだとうまくいき、業務の効率化にもつながる場合もあります。

フィードバックをする機会を作る

フィードバックは、歯科医師と歯科衛生士の関係を強化する重要な要素です。定期的にフィードバックの時間を設けて、お互いの仕事への理解を深め、改善点を共有しましょう。

例えば、月に1度のペースで個別の面談を行い、ポジティブなフィードバックと改善が必要な点について話し合うといった形です。

個人面談の中で出た改善方法などをすぐに実践していれば、信頼関係の構築もできます。

ランチミーティングもあり

フィードバックする機会として、ランチミーティングの実施もおすすめです。ランチミーティングとは、昼休みなどを利用して、フランクな状態で仕事やプライベートで困っていることや、今考えていることなどを聞く機会です。和気藹々とした空気の中で、意見を出してもらいたいときに使えます。

美味しい食事を口にしていると、誰しも気が緩むものです。ミーティングにはもってこいといえます。普段は話さない歯科衛生士とも、円滑なコミュニケーションをできる可能性があります

ただし、注意したいのが、ミーティングだという点です。昼休み扱いではなく、別途時間外手当を支給するようにしましょう。「貴重な昼休みを潰された!」と思われては、信頼関係を構築できません。

歯科衛生士が話しやすいよう聞き役に徹し、楽しいミーティングだったと思ってくれるような気遣いは必須です。

ランチミーティングに際は、アドバイスやフィードバックをすることはできるだけ控え、相手がどんな状況なのかを聞くことだけに意識してみてください。

歯科医師と歯科衛生士のチームワークを強化するポイント6選

歯科医師 歯科衛生士 コミュニケーション

歯科医師と歯科衛生士のチームワークを強化する際、以下の6つのポイントを意識してください。

  • 指示の出し方に気を付ける
  • 役割と責任を明確化させる
  • 受け手の理解度を把握する
  • 適切にフィードバックをする
  • 「報連相」について認識をすり合わせる
  • 感謝を忘れずにポジティブな職場環境を作る

指示の出し方に気を付ける

指示の出し方に気を付けてください。明確で理解しやすい支持を意識しましょう。不明瞭な指示では混乱を招き、ミスの原因となります。

自分が思っている内容は、想像以上に相手に伝わっていません。どのような形なら伝わるのかを意識して、指示を出していきましょう。

役割と責任を明確化させる

チーム内での役割と責任をはっきりさせるのも重要です。自分の仕事に集中しやすくなります。結果、業務の重複や見落としが減少します。

例えば、患者のフォローアップ責任を歯科衛生士に委ねて、患者ケアの質を向上させるといった形です。

責任感を持って仕事に臨んでもらうためにも、役割と責任は明確にしましょう。

受け手の理解度を把握する

伝える情報が正しく理解されているかは、必ず確認しましょう。効果的なコミュニケーションに不可欠です。

例えば、説明後に歯科衛生士に内容を要約させ、認識の齟齬を防ぐといった方法があります。特に、新しい治療方法や機器の導入時に有効です。実践していきましょう。

適切にフィードバックをする

ポジティブなフィードバックと建設的な意見は、チームのモチベーションと成長につながります。チーム全体のやる気を向上させる効果にも期待できます。

  • オープンな場所でフィードバックしない
  • ネガティブなフィードバック以外も伝える

以上を意識することで、適切なフィードバックをしやすくなるでしょう。

「報連相」について認識をすり合わせる

「報告・連絡・相談」の重要性をチーム全員で共有するのも大切です。情報の透明性が保たれ、問題解決がスムーズになります

「報連相」は、様々な仕事で重要な考え方です。日常業務の中で「報連相」を根付かせ、効率的なチーム運営を意識しましょう。

感謝を忘れずにポジティブな職場環境を作る

日々の業務の中で、小さな成功や努力を認め、感謝することも大切です。「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになる人はいません。小さな感謝が職場の雰囲気を改善し、スタッフ間の信頼関係を深めてくれるでしょう。

難しいと感じる場合は、まずは以下の言葉を意識して使ってみてください。

  • ありがとう
  • おかげさまで
  • 助かります

ほんの小さなことでも大丈夫です。大切なのは、意識して感謝を伝えること。「お疲れ様」だけでなく、「お疲れ様、今日も1日ありがとう」など、言葉に少しだけプラスしてみてくださいね。

歯科医師と歯科衛生士とのコミュニケーションは院長の行動次第で変わる

歯科医師 歯科衛生士 コミュニケーション

歯科医師と歯科衛生士とのコミュニケーション不足の原因は、そのほとんどが歯科医師にあります。コミュニケーションが苦手でも意識して行動することで、環境は大きく変わるでしょう。

歯科衛生士にとって最も知りたいのは、「院長や歯科医師が何を考えているか」です。普段からコミュニケーションを積極的に取り、お互いが同じ目標に向かって進める環境を構築するよう意識してください。

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