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「コンビニより歯科医院の方が多い」なんて言われる時代、患者さんに選ばれ続けるにはどうすればいいか——多くの院長先生が頭を悩ませているテーマだと思います。
その答えの一つが「院内ラボ」なんですが、正直なところ、導入したはいいものの上手くいっていない医院も少なくありません。設備は揃えたけど人が集まらない、歯科技工士を雇ったけどすぐ辞めてしまった...そんな声もよく耳にします。
この記事では、院内ラボのメリットはもちろん、実際に導入する時のリアルな課題や、特に重要な「歯科技工士をどう採用して、どう育てて、どう定着してもらうか」について、できるだけ具体的にお伝えします。
院内ラボの必要性とは?
従来の外注技工って、確かに便利なんです。発注すれば勝手に作ってくれて、うちは診療に専念できる。でも、その一方で「色が思ってたのと違う」「もうちょっとここを調整したいのに時間がかかる」「急患の義歯修理に対応できない」といった、細かいけど無視できないストレスってありますよね。
患者さんの立場で考えてみてください。「次回セット予定です」と言われて1週間待たされるより、「今日中に入れられますよ」と言われた方が、圧倒的に嬉しいはずです。しかも、その場で色や形を微調整してもらえるなら、なおさらです。
院内ラボは、こうした「あったらいいな」を実現する手段なんです。ただし、機械を買えば終わりじゃない。むしろ、そこからが本当のスタートだったりします。
院内ラボのメリット、現場目線で考えてみる
品質が安定する=患者さんの信頼につながる
外注だと、技工所によって、あるいは担当者によって仕上がりにバラつきが出ることがあります。今月はいい感じだったのに、来月は「うーん...」みたいなこと、経験ありませんか?
院内ラボなら、歯科技工士が直接患者さんの口腔内を見られます。シェードテイキングの時に横にいてもらえば、微妙な色のニュアンスも共有できる。「もうちょっと透明感を」とか「この部分の形態を」とか、その場で相談しながら進められるのは、本当に大きいです。
結果として、再製作が減る。これ、患者さんにとっても、医院にとっても、すごくメリットが大きいんですよね。
スピード対応が患者満足度を爆上げする
「今日中に詰め物が入る」って、患者さんにとっては魔法みたいな話です。外注だと最短でも数日かかるところを、院内ラボなら数時間で対応できる。
特に義歯のトラブル。「割れちゃった」「外れた」という時、数日も待たせるのは本当に気の毒です。でも院内なら、その日のうちに修理できることも多い。これだけで「この歯医者さん、すごい!」って思ってもらえます。
通院回数が減れば、患者さんの負担も減るし、医院の回転率も上がる。Win-Winなんです。
チーム医療としての一体感が生まれる
外注技工所との連絡って、どうしても「指示書」ベースになりがちです。細かいニュアンスを伝えるのが難しいし、確認に時間がかかる。
でも院内なら、歯科技工士と直接話せる。模型やレントゲンを一緒に見ながら「ここをこうしたい」「こういう意図があって」と伝えられる。歯科技工士も患者さんと話せるから、「この人はこういう要望があるんだな」と理解した上で作業できます。
こういうコミュニケーションって、スタッフのモチベーションにも影響するんですよね。「自分の仕事が患者さんに喜ばれている」という実感が、やりがいに直結します。
長期的に見ればコストメリットも
初期投資は正直、安くありません。でも、症例数が増えれば増えるほど、1つあたりの原価は下がっていきます。外注費という変動費が、設備や人件費という固定費に変わることで、コストの見通しも立てやすくなります。
材料の選定も自分たちでコントロールできるし、輸送コストもゼロ。再製作が減れば、その分の無駄も削減できる。トータルで見ると、意外と早く投資回収できるケースも多いです。
「うちは院内ラボあります」というブランド力
これ、地味に効きます。ホームページに「院内技工室完備」って書いてあるだけで、「ちゃんとした医院なんだな」という印象を与えられる。
特に審美治療に関心のある患者層には刺さります。「質にこだわってる」「スピーディーに対応してくれる」という評価は、口コミでも広がりやすいんです。
差別化が難しい時代だからこそ、こういう「うちならでは」の強みは大事にしたいですよね。
でも、デメリットもちゃんと知っておいてほしい
メリットばかり見て導入を決めると、後で「こんなはずじゃなかった」となりがちです。ここからは、あえてネガティブな部分もしっかりお伝えします。
初期投資にお金がかかる
これは覚悟が必要です。口腔内スキャナー、ミリングマシン、CAD/CAMソフト、ファーネス...フルセットで揃えると、かなりの投資が必要です。しかも、設置場所も必要。改修工事が必要になることもあります。
さらに、ランニングコストも。材料費、メンテナンス費、ソフトのライセンス料、そして何より人件費。これらが毎月固定費としてかかってくることを、しっかり計算しておかないと後で苦しくなります。
歯科技工士の採用
正直、ここが最大のハードルです。優秀な歯科技工士さんって、本当に少ない。しかも院内ラボで求められるスキルセットって、けっこう特殊なんです。
技術力はもちろん必要。でもそれだけじゃダメで、デジタル機器を使いこなせて、患者さんやスタッフともコミュニケーションが取れて、多様な症例に対応できる柔軟性もほしい...って、そんな人材、なかなかいません。
採用できたとしても、育成が大変。技術は日々進化するから、継続的な教育も必要です。
運営管理、想像以上に大変です
機械を買って歯科技工士を雇えば終わり、じゃないんです。製作スケジュールの管理、材料の在庫管理、品質基準の設定、行政への届出...院長がやるべきことが一気に増えます。
しっかりしたワークフローを作っておかないと、現場が混乱します。「今日セット予定だったのに材料が足りない」とか、そういうトラブルは絶対避けたいですよね。
成功の鍵は「人」——歯科技工士の採用・育成・定着
設備が整っても、それを使いこなす歯科技工士がいなければ宝の持ち腐れです。ここからは、院内ラボ成功の核心部分、人材についてお伝えします。
どんな歯科技工士さんを探せばいいの?
スキルシートだけ見ても、実はよく分かりません。大事なのは「人となり」です。
技術は後からでも伸ばせます。でも、コミュニケーション能力とか、学ぶ姿勢とか、チームで働く適性とか、そういう基本的な資質は変えにくい。
患者さんと話すのが苦じゃない人。新しい技術に興味を持てる人。「これでいいや」じゃなくて「もっと良くしたい」と思える人。そういう方に来てもらえると、本当に心強いです。
あと、意外と大事なのが「なぜ院内ラボで働きたいのか」という動機。大きな技工所の分業制より、患者さんの顔が見える環境で働きたい、というタイプの方が向いています。
どうやって出会う?採用の現実
ハローワークに出しても、なかなか応募来ないですよね...歯科技工士会のネットワーク、専門学校との繋がり、歯科特化の求人サイト、人材紹介サービス、あらゆる手段を使う必要があります。
求人広告では「給料いくら」だけじゃなくて、「うちで働く魅力」「うちで働くことでこんな良いことがある」を具体的に伝えることが大事です。
「最新のCAD/CAMシステム使えます」 「患者さんと直接話せます」 「チーム医療の一員として働けます」 「スキルアップ支援します」
こういう情報を、できるだけリアルに伝える。見学の機会を設けたり、実際に働いている歯科技工士さんの声を載せたりするのも効果的です。求職者が「ここで働きたい」と具体的にイメージできるかどうかが、応募率を左右します。
育成は投資
せっかく来てもらったなら、しっかり育てないと意味がありません。
まず入職時の研修。医院の方針、品質基準、ワークフローをきちんと共有する。ここを適当にすると、後でズレが生じます。
その後も、外部セミナーの費用補助とか、資格取得支援とか、継続的な教育機会を提供することが大切。「この医院は自分の成長を応援してくれる」と思ってもらえれば、定着率も上がります。
院内での症例検討会も有効です。歯科医師と歯科技工士が対等に意見交換できる場を作ることで、お互いの理解が深まるし、技術レベルも上がります。
長く働いてもらうための職場づくり
給料は大事です。でもそれだけではありません。
給与だけで来た人は、もっと給与がいい求人が出たらそちらに行ってしまいます。
まず、ちゃんと評価すること。頑張りが認められて、それが給与や賞与に反映される。当たり前のようで、できてない医院も多いです。
そして何より、「パートナー」として尊重すること。歯科技工士を「作業する人」じゃなくて、「治療チームの重要なメンバー」として扱う。ミーティングに参加してもらったり、患者さんから直接お礼を言ってもらう機会を作ったり。
「自分の仕事が患者さんの笑顔に繋がってる」という実感が持てると、やりがいって全然違うんですよ。
あとは働きやすさ。残業ばっかりとか、意見が言いにくい雰囲気とか、そういうのは論外です。
風通しの良い職場を作ることが、結局は一番の定着策だったりするニャ。
まとめ:院内ラボ導入を成功させるために
ここまで、院内ラボのメリットとデメリット、そして歯科技工士の採用から定着までお伝えしてきました。
正直なところ、院内ラボの導入は簡単じゃありません。初期投資は高いし、歯科技工士の採用は難しいし、運営管理も大変。でも、うまくいけば患者満足度の向上、診療の質の向上、医院の差別化という大きなリターンが得られます。
大事なのは、設備よりも「人」です。どんなに高価な機械を買っても、それを使いこなす歯科技工士がいなければ意味がない。そして、その歯科技工士に長く働いてもらうには、育成と職場環境への投資が欠かせません。
この記事が、「院内ラボ、やってみようかな」と考えている先生方の判断材料になれば幸いです。導入を決めたなら、資金計画をしっかり立てて、特に人材面での準備を入念に行ってください。
患者さんにとって最良の選択ができるよう、私たちも日々試行錯誤しています。一緒に良い歯科医療を作っていきましょう。

