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リコール率が高い歯科医院の特徴とリコール率アップの方法を解説

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歯科医院を経営していて、

患者さまがいつの間にか来なくなった……

そんな経験をされたことはありませんか?

数多くの歯科医院のなかから、わざわざ先生の医院を選んで来てくれた患者さま。
できれば、末永く通ってもらいたいですよね。

患者さまへ再来院を呼びかけることを「リコール」と言いますが、歯科の経営判断でも重要な目安となるのが「リコール率」です。

この記事では、リコール率の高い医院の特徴と、リコール率アップの方法を解説します。

リコール率とは

リコール率とは、歯科医院の経営において重要な指標の一つです。

主な計算方法は下記の2種類です。 

①リコール率(再来院率) = 再度来院した患者数 ÷ 初診患者数

これは、初診の患者さまが再来院したという指標です。
初診時の満足度が大きければ大きいほど、数値が高くなります。

②リコール率(リコール施策成功率) = 再度来院した患者数 ÷ リコールをした患者数

こちらは、再度通院するよう声掛けした患者さまが、どれだけ再来院したかを計る指標です。
リコールの成功度合いを示す指標となります。

リコール率と経営の安定度合いは比例する

地域により差はありますが、コンビニエンスストアよりも歯科医院の数が多い現代。しかも、人口減少の流れは止まってはいません。これからの時代は、新患獲得がより一層難しくなると予想されます。

だからこそ今、患者さまの「かかりつけ医」になることが重要です。

治療が必要なときのみ通院する患者さまだけではなく、定期的に検診を受ける患者さまが多いほど、経営を安定させられるからです。

一般的に、新規の患者さまに来院してもらうために広告を打つことがあります。
広告を出すためには費用がかかるので、原価を計算すると、新患一人についての利益率は低くなります。逆に、再来院する患者さまのほうが利益率は高くなります。

定期検診を受診する患者さまが多くなれば、結果的にリコール率も上昇します。

つまり、リコール率が上がれば、歯科経営も安定させられると言えます。

もし先生が、ご自身の医院のリコール率を把握されていないようでしたら、この機会に計算することをおすすめします。リコール率を把握することで経営が安定しているとわかれば、無理に広告を出す必要もなくなります。

院長先生の精神的負荷も減り、余裕を持った経営判断ができるようになるでしょう!

リコール率が高くなる理由とは

では、リコール率が高くなる理由を考えてみましょう。

リコール率が高いという事は、再来院する患者さまが多いということです。

では、患者さまが再来院する「行動の根拠となる心理」がどんなものかを考えて、リコール率が高くなる具体的な理由を見つけましょう。

患者さまが通院する理由とは

患者さまが歯科に来る理由は、大きく分けて以下の二つではないでしょうか。

  • 口腔内に歯の痛みや、何かしらの異常があるなど、治療しなければならない状態である(緊急事態)
  • 今すぐ治療を必要としていないが、健康のためにも、定期的なクリーニングをしたいと思っている(緊急事態ではない)

これは、患者さまご本人の求めているもの(ニーズ)です。

緊急事態は誰にでも起こり得ることで、クリーニングを求めるのは健康意識の高い患者さまだけ、という違いはありますが、両方とも患者さまのニーズを満たすために歯科へ行くのは同じです。

治療も定期検診も、このニーズに応えられる歯科は、現代の日本なら数多く存在するのではないでしょうか。

そのせいで患者さまが「どの歯科へ行っても同じ治療、同じクリーニングだ」と思うなら、院長先生の医院へ再び訪れるでしょうか?

今、先生の医院へ通い続けてくれる患者さまは、どんな理由で通い続けているのかご存じですか?

もし、院長先生がリピーターになる患者さまが少ないと感じておられるなら、歯科に通い続ける患者さまの意識について、より深く考えてみましょう。

患者さまが「この医院だから通いたい」と思える理由があれば、リコール率は上がっていくはずです。

医院側でできる工夫

患者さまが再び訪れたくなる医院とは、一体どんな医院でしょうか。

患者さまにとって通院しやすい(立地が良い)ことは、かなり大きな理由になりそうですが、これは急にどうにかできるものではありません。
また、人気のある医院は、患者さまにとって便利な場所になくても通院する人が多いものです。通院する理由の本質を見誤れば、たとえ医院が便利な立地にあったとしてもリコール率はあがらないでしょう。

立地以外の理由で、患者さまが通いたくなる医院の魅力について考えてみましょう。

院長先生ご自身が何か行動を起こすときをイメージしてみてください。

例えば、外食で行くお店を選ぶとき。気に入って何度も食べに行きたいお店と、一度行っただけでもう二度と行かないと思うお店がありますよね。そこには、先生なりに判断基準がありませんか。

それと同じように考えてみると、歯科へ通う患者さまの「また行きたくなる」気持ちも想像しやすいのではないでしょうか。

例えば、空腹で何でもいいから食べたいというときは、ある程度の味のお店で期待をかなえられると言えます。

そうではなく、料理の味がおいしくて、しかも健康的で上質な料理を食べたいときなどは、何でもいいというわけにはいきません。空腹時よりも高いレベルでの期待があります。そこで、多少の手間をかけても予約を入れて食べに行きますよね。

上質だと期待する」こと。
その気持ちをかなえてくれる「信頼」。

この視点を手がかりにして考えてみましょう。

先生の医院では、最善の治療が実施されていると思います。

その上で、先生の医院が患者さまから選ばれるには、通常の歯科医院の医療に加える何かが求められています。他の医院とは異なる独自の価値があると思われる「付加価値」、「ブランディング」と言って良いと思います。

先生の医院ならではの「ブランディング」。どんなことができるでしょうか。

次に、具体例を挙げて考えてみましょう。

患者が定期的に来院したくなる心理とは

当たり前のことですが、歯は一度削ると元には戻せません。

虫歯でどうしても削らなくてはいけないときでも、患者さまは失敗したくないと思っています。治療中の痛みや、治療後の生活で支障がなくいられるかなど、心配したらきりがないほど不安な思いを抱えています。

だからこそ、患者さまが「この医院へは安心して通える」と思えたら、第一段階はクリアです。二度、三度と通ううちに信頼関係を築くことができれば、よほどのことがない限り、通院し続けてもらえるのではないでしょうか。

患者さまは、信頼できる歯科にかかりたいと思っていることを、いま一度思い出してみてください。

インフォームド・コンセントが患者の納得感をもって実践されている

先生は治療の方針について、患者さまへ説明されていると思います。でもそれを患者さまが理解できているか、確信はありますか?

患者さまが、専門家である先生と同じように理解することは難しいことかもしれません。そのため先生は説明したつもりでも、患者さまが心から納得できていないこともあるでしょう。そうすると、先生と患者さんの間でリスクの共有ができず、リコールが成功しづらくなってしまいます

人気の医院であるほど、患者さまの予約時間が気になることもあるでしょう。一人ひとりに費やせる時間に余裕がないかもしれません。その余裕のなさから、患者さまが納得できないような説明や会話になってしまうのは問題です。患者さまが治療に前向きになれず、治療途中だったとしても、医院へ来てくれなくなるかもしれません。それでは、せっかくの治療が無駄になってしまいます。何よりも、長期的に患者さまの健康を守ることができません。

患者さまがまた通院したくなるような声掛けを、ぜひ心がけてみてください。そして、患者さまが自分の気持ちを話せるように、話を傾聴する姿勢をみせましょう。きっと患者さまの本音に近づけるはずです。

治療の質が良いと感じる(歯科衛生士の対応、受付の対応も重要)

すでに先生もご存知だと思いますが、先生の治療以外の場面、特に歯科衛生士や受付の対応も、医院の印象を左右する重要な要素です。

定期検診ではクリーニングを実施されると思いますが、健康意識の高い患者さまほど、クリーニングのおかげで口腔内の清浄が保たれることを実感しているはずです。

普段のケアでは磨ききれない部分でも、定期検診ですみずみまできれいになる感覚は、他では得られない心地よさです。結果的に通院することが気持ちの良いこととなります。

さらにコミュニケーション能力の高いスタッフがいると、治療への不安・不満をやわらげ、患者さまの安心感も増すはずです。

先生とスタッフが診療方針を共有し、患者さまへのホスピタリティを発揮できるように、日頃から院内の人材教育を大切にしましょう。

すると、先生の前では本音が言えずにいた患者さまも、受付スタッフには気軽に相談できるケースもあるようです。

患者自身が自分の口腔健康に積極的になる

患者さまが定期検診に通うことが習慣になっていれば良いのですが、全ての患者さまがそうではありません。そんな患者さまでも、先生なら定期検診の重要性を伝えることができます。

実際にクリーニングを体験した患者さまは、普段のケアができていない人ほどクリーニング後の爽快感がわかるのではないでしょうか。

また、病気とまではいかなくても、不定愁訴の原因が歯に関することだと知らない方もいます。

定期検診でのクリーニングやこまめなメンテナンスを通じて、患者さまご自身さえ気づいていなかった悩みを解消できるようにしましょう。そんな体験があると、患者さまが定期検診を受けないと落ち着かない体質に変化していけると思います。そして、もし何か不具合が生じたとき、先生の医院でなら適切な治療をしてもらえるとわかれば、そうそう別の歯科へ転院しないはずです。

リコールの案内方法

では、患者さまに、来院時を促すタイミングはいつが良いでしょうか?

最適なタイミングは「診察が終わったとき」です。患者さまも、歯のケアについて一番考えているタイミングなので、受付で診療費の会計をするときに、次回の予約をしてもらえればベストだと思います。

しかし、患者さまも仕事などで、忙しく過ごされている方がほとんどだと思います。なかなか先の予定を立てられないような患者さまへは、どのタイミングで予約してもらうのが良いのでしょうか?

予約する行動を促す方法を考えてみましょう!

人手は増やさずにシステムを導入

少し前までは、歯科医院から電話をかけてリコールすることも多くありましたが、電話をかけるのも電話を受けるにも、人手が要ります。受付専門のスタッフがいない医院も多い中、リコールのためだけに人員を配置するのは、負担が重いですよね。

そこで、最近ではリコールを管理するシステムが開発されてきました。

電子カルテ管理と予約管理を同じシステムで行うことで、電子メールでリコールすることができます。患者さまが予約するときは、電話だけではなく、Webからの予約ができるものもあります。
システムの導入費用はかかりますが、データを一元管理したい先生には、人手を増やすよりもメリットが大きいのではないでしょうか。

人手を増やしてフォロー体制を整える

上記の方法とは別に、人手をかけて、診察当日以外でもフォロー態勢を整えることも良いでしょう。

高齢の患者さまの中には、まだスマホを使いこなすのが困難な方もいます。そういった患者様にもリコールをしたいのですから、はがきや電話で連絡することも一気にやめられないでしょう。

スケジュールを決めると人は行動しやすいです。電話、メール、郵便など、どれであっても患者さまがまた来てくれることが重要です。連絡方法は、患者さまに合わせたものを選びましょう。

まとめ

以上、リコール率の高い医院の特徴と、リコール率アップにつながる工夫をみてまいりましたが、いかがでしたでしょうか? 先生の医院運営に参考となる情報はありましたか?

顧客満足度を高められれば、リコール率は上がる

キリスト教の聖書には「人からしてもらいたいことは何でも、あなたがたも同じように人にしなさい」という言葉があります。これをゴールデン・ルールと言います。

ホスピタリティに革命を起こしたと言われる高級ホテル、リッツ・カールトン。リッツ・カールンでは、このゴールデン・ルールをさらにすすめた「プラチナ・ルール」というコンセプトがあります。その内容は「相手が求めていることを察してそれをして差し上げる」というもの。
患者さまの個性は、十人十色。歯磨きの得意な方も入れは、そうでない方もいます。何を不安に思うのか、何を面倒に思うのかも、ひとそれぞれです。

ホテルと歯科では、サービスと医療と、提供する業務内容は異なります。しかし、顧客(患者さま)の期待を超える価値提供があれば、そこに信頼が集まるのは同じです。
ホスピタリティとは、なにも患者さまの無理難題を全て受け入れることではありません。丁寧な治療と、コミュニケーションを円滑にとれるように努力すること。当たり前のことかもしれませんが、それを確実に実践できれば、リコール率は上がっていくのではないでしょうか。

リコール率を上げるための理由は、患者が信頼できる医院の体制と、それを支える人材が重要

リコール率をあげるため、一部は機械化できることもありますが、全てを機械化するのは無理があります。患者さまの本当の気持ちをくみ取ることなどは、まだ人にしかできないことです。

リコール率を上げるには、やはり人材育成が肝心です。

ぜひ、先生の医院の業務について、最善の方法を考えてみてください。そして、患者さまに喜ばれる医院を一緒に作ってくれる人材を大切にしてください。先生のめざす歯科運営のイメージを、スタッフで共有してください。

きっと、リコール率も上がり、経営をより良いものにしてくれるでしょう。

以上、リコール率アップについて考えてきました。
先生の歯科経営をより良くする一つの指標として、リコール率の推移をご活用ください。

これからの医院経営で、改善すべき課題をより具体的に検討されたい場合は、こちらのパーフェクトマニュアルも役に立ちます。ぜひご覧ください。

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