歯科衛生士の求人に応募がないのはなぜ?その理由と改善方法を紹介!

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歯科衛生士の求人を出しているのに応募が来ない…。
このような場合、求職者の目線に合わせた求人採用ができていないことが原因です。

よくある勘違いとして

  • 色々な媒体で求人を出せば応募が来るだろう
  • 基本的な情報は全て載せているから問題ないだろう

といったことが考えられますが、このような考えでは応募を集めることは難しいでしょう。

意識すべきなのは、求職者である歯科衛生士にとって必要な情報を適切に開示することです。

そこで、具体的にどのようにしたら応募が集まる求人を作れるのか、原因と改善ポイントを詳しく解説します。

歯科衛生士の採用はなぜ難しい?

歯科衛生士の採用に悩む歯科医院は多くあります。
その背景にはどのような理由があるのかを初めに説明します。

有効求人倍率の高さ

2023年の歯科衛生士の求人倍率は23.3倍で、平成26年度以降最も高い倍率となっています。
つまり、求職中の歯科衛生士が10人いる場合、それに対し求人は233件もあるという状況です。

これだけの多くの求人の中から自院を選んでもらわなければならないため、歯科衛生士の採用が非常に難しいことがわかるでしょう。

また、歯科衛生士の養成校において、入学者数が定員に満たない養成校の割合は68.0%となっています。
歯科衛生士の需要は非常に高い一方で養成校からの供給が追いついていないことも、人手不足となってしまう原因です。

(出典:歯科衛生士教育に関する現状調査の報告

労働力人口の減少

少子高齢化により労働人口自体が減少していることも採用難を招いている原因です。
2022年の労働力人口は6,902万人で前年に比べ5万人減少しています。
今後も労働力人口はますます減っていくと予測されていることから、採用の競争も激しくなっていくでしょう。

(出典:労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約

求人を出しているのに応募がない具体的な原因は?

歯科衛生士の採用を成功させるためには、適切に求人を活用することがポイントです。
しかし、求人を出しているものの応募が来ない場合はどのような原因が考えられるでしょうか?
ここではよくある5つの原因を詳しく解説します。

1.情報開示が少なすぎる

求人に書いてある情報が少なすぎる場合、求職者の応募は集まりにくくなってしまいます。
例えば、自院の所在地や勤務時間、主な業務内容などの基本的な情報しか載っていない求人を出してはいませんか?

このような情報は仕事を選ぶ際の最低限の条件に過ぎず、求職者が実際に働く未来を想像するには情報量が少なすぎます。
職場環境やスタッフの雰囲気など、自院で働くことをイメージしやすい情報も開示することが望ましいでしょう。

2.ターゲットの幅が広すぎる

ターゲットとなる人材のイメージが絞り込めていない場合、求人に記載する内容が抽象的になり、アピールしたい要素がぼやけてしまいます。
例えば、ターゲットが新卒の歯科衛生士なのかベテランの歯科衛生士なのか、キャリアアップに意欲的なのかワークライフバランスを重視したいのかなどによって、アピールすべきポイントは異なります。

まずは自院の状況を踏まえて、なぜ歯科衛生士を募集する必要があるのか、採用した歯科衛生士にどんなことを期待するのかを明確にし、必要な人材のイメージを固めることが重要です。

3.他院との差別化ができていない

ありきたりな求人で他院との差別化ができていない場合、たくさんある中の1つとなって埋もれてしまい、求職者に興味を持ってもらえない可能性が高いです。

対して、他院と比較したときの自院の強みや特徴を積極的にアピールできると、求職者にとって魅力的な求人となります。

差別化できるポイントがない、もしくはわからないといった場合は、他の求人を見て自院がアピールできる特徴がないか探したり、新たに独自の制度を作ってみることも良いでしょう。

4.女性目線の求人募集ができていない

歯科衛生士の性別の割合は女性が99%と、圧倒的に女性が多い職業であるという特徴があります。
そのため、求人を出すときは女性の目線になって、どんな職場や労働条件なら働きたいと思うかを考えなければなりません。

女性はライフステージの変化や家族の都合などによって、働き方を変えたり退職を考えたりする場合が多いです。

例えば、

  • 結婚
  • 出産
  • 子育て
  • 配偶者の転勤
  • 親の介護

などが理由で、やむをえず今までと同じ働き方ができなくなることがあります。

そのような場合でも、生活スタイルに合わせて柔軟な働き方ができたり、周りのサポートを受けながら働くことができる職場なら、応募は集まりやすいでしょう。
女性が安心して働き続けられることをイメージさせる求人を心がけてみてください。

5.適切な求人媒体を使っていない

せっかく求人を出していても、求めている人材に情報が届いていなければ当然応募は集まらないでしょう。

求人媒体の例としては、

  • 求人サイト
  • 新聞や雑誌の広告
  • ハローワーク
  • 自院の採用サイト、ホームページ
  • SNS

などがあります。

それぞれの媒体によって、利用する人の年齢や性格、特徴などはさまざまです。
そのため、ただやみくもに求人を出すのではく、自院で採用したい人材に出会えるのはどこなのかを考えて求人媒体を選ぶ必要があります。

また、求人を出すには当然コストもかかるので、効率よく採用活動を行うためにも、費用対効果を確認しながら求人を見直すことも大切です。

歯科衛生士の応募を増やすための改善ポイント

求人の応募を増やし、効率的な採用活動を行うための対策を行いましょう。
先ほどの5つの原因に対して、具体的な改善ポイントを紹介します。

1.自院の情報を詳しく開示する

開示する情報が多いほど、求職者に自院のことを知ってもらい、理解した上で応募してもらえる可能性が高くなります。
そうすれば人材のミスマッチが起こりにくくなるため、採用後の早期離職を防いだり、採用活動で無駄な時間やコストをかけずに済むことが期待できます。

基本的な条件以外に求人に載せたい情報として

  • 働いているスタッフの年齢層や人柄
  • キャリアアップや教育の制度
  • 実際に担当する業務の範囲
  • 休日の日数や期間
  • 残業時間の目安

などがあります。

普段の働き方から数か月後、数年後の働き方までイメージしやすい情報を詳しく開示することがおすすめです。

2.ターゲットを明確にする

求人を出す前提としてどんな人材に入職してほしいのか、ターゲットを明確にすることが必要です。
そして、そのターゲットに向けてどんな情報を発信したら興味を持ってもらい、応募したいと思ってもらえるかを考え、効果的なアプローチをしましょう。

例えば

キャリアアップに意欲的な人材がほしい

充実した教育体制やセミナー費の補助などをアピール

経験豊富なベテランの人材がほしい

経験値に応じた給与体系や管理職手当などをアピール

子育てしながらでも柔軟に働いてくれる人材がほしい

子育てをサポートする制度や取得実績をアピール

など、ターゲットによって強調して伝えるべき情報を変えて、求職者に響く求人を心がけましょう。

3.他院との違いやメリットをアピールする

他の求人との違いやメリットなどを上手くアピールできると、求職者にとって魅力に感じやすく、記憶にも残りやすくなります。

医院が大切にしている理念や文化、独自に設けている制度などを伝えることで、それにマッチする人材に響きやすい求人になるでしょう。

例として

  • 口腔衛生を通して地域社会の健康増進を目指している
  • 丁寧な指導で新人やブランクがある方も安心して働ける
  • 資格取得の報奨金制度がある
  • 出産お祝い金がある

など、自院のイメージアップができる情報も求人に記載しましょう。

他院にはないメリットを認識することは、スタッフが満足感やモチベーションを持ちながら働けることにもつながります。

4.女性の目線に立った求人を意識する

歯科衛生士として長く働くことができ、女性が活躍していける環境であることを積極的にアピールしましょう。

例えば、女性に好まれやすい条件や特徴は以下のようなものがあります。

  • 時短勤務が可能
  • 託児所、キッズスペース完備
  • 産休、育休取得率100%
  • 看護休暇、生理休暇の取得が可能
  • パパママ社員在籍

このように、小さい子どもがいても働きやすい制度があったり、自分と似たような状況のスタッフもいるという情報は、自身がその職場で働くことをイメージしやすくなるポイントです。

また、実際に働いている方のコメントを載せることも有効な手段でしょう。

その職場でどのようなメリットを感じているかや、制度を活用した感想など、具体的な情報も多く載せることがベストです。

5.効果的な求人媒体を選ぶ

効率良い採用活動を行うために、求人媒体選びは重要です。
ここで、先ほど例に挙げた求人媒体について、それぞれの特徴や使う場合のポイントを紹介します。

求人サイト

オンラインの求人サイトは、ウェブ上に大量に掲載された求人を、求職者が自由に検索したり応募することができる媒体です。
そのため、自院がある地域以外の人材にも広く情報を届けられる手段となります。

特に、歯科衛生士の採用の場合は、医療従事者や歯科業界に特化した求人サイトを利用することがおすすめです。
ここで気をつけたいポイントとして、求人サイトでは求職者の注目を引き、自院の魅力が適切に伝わるタイトルや文章を心がけましょう。

膨大な量の求人が並んでいるサイトでは、早い段階で自院に興味を持ってもらい詳しい内容を見てもらえなければ、すぐにページから離脱されてしまいます。
スタッフの写真やコメントなども取り入れながら、自院をアピールできる工夫を心がけましょう。

新聞や雑誌の広告

新聞や雑誌を利用する場合、読者層がどのような人か把握した上で求人を出しましょう。
例えば、地域に密着したものなのか、業界に特化したものなのかによって、ターゲットは異なります。
採用したい人材からの反応が得られそうな媒体を選択しましょう。

また、求職者が興味を持ったときにスムーズに応募できるように、自院の電話番号やメールアドレスなどの連絡先も明確に記載しておきます。

ハローワーク

多くの求人媒体はコストがかかるのに対し、ハローワークは無料で求人を出せるところが嬉しいポイントです。
また、全国に展開していることから、地域を問わず幅広く求職者にアクセスすることが可能です。

一方で、ハローワークは医療従事者や歯科業界に特化したものではないため、効率の面で他の媒体に劣る可能性もあります。
そのため、まずは求人を出してみて反応を見てみたり、他の媒体と併用したりといった活用もおすすめです。

自院の採用サイト、ホームページ

採用に自院の採用サイトやホームページを活用すると、就業意識の高い人材に出会いやすいことがメリットです。
さまざまな求人媒体がある中でホームページから直接応募してくる求職者は、すでに自院の情報や魅力を熟知し、モチベーションが高い状態で応募している可能性が高いです。

また、他の求人媒体は掲載できる情報量が限られている場合が多いですが、自院のホームページなら文章や写真、デザインまで全て自由にカスタマイズできます。
求職者の数よりも質を重視して、自院にマッチする人材に出会いたい場合におすすめです。

さらに、自院の採用サイトやホームページは、他の媒体からの受け皿として使えることもポイントです。
求人サイトやハローワークにURLを載せることができるため、興味を持った求職者が流入してくる可能性があります。
自院の魅力をしっかり詰め込んで、応募したくなるようなページを作りましょう。

SNS

SNSは、低コストでリアルタイムの情報を発信できるのが魅力です。
日々の業務の様子や院内の雰囲気などがイメージしやすい発信を続けることで、情報を把握するだけでなく自院に魅力や愛着を感じてもらえることも期待できます。

また、SNSならコメントやダイレクトメールなどで気軽にやりとりを行えたり、リポストやシェアによって情報が拡散されたりなど、他の媒体にはない特徴もあります。
利用する人の年代もさまざまであるため、学生の新卒採用から転職者の中途採用、ブランクのある方の再就職にまで幅広く活用できるでしょう。

まとめ

歯科衛生士の採用は、倍率の高さや人口の減少により、今後ますます難しくなっていきます。

そんな中でも歯科衛生士の応募を増やすには、求職者の目線に立った求人採用を行うことが重要です。

現状で歯科衛生士の応募が来なくて悩んでいても、求人の適切な見直しを行うことで改善していくことができます。

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