「自院で働いてくれている歯科衛生士の評価の仕方に悩んでいる…」
「人事評価制度を取り入れてみようとしたけれど、うまくいかなかった…」
このようにお悩みの院長もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では歯科衛生士の評価の仕方に悩んでいる院長に向けて、人事評価制度の導入に失敗してしまう理由と解決策について解説していきます。
「自院で働くスタッフには幸せになってもらいたい!」と考えている院長は、ぜひ最後までご覧ください!
人事評価制度の失敗として考えられる理由5選
「人事評価制度を取り入れてみようとしたけれど、うまくいかなかった」という院長もいらっしゃると思います。
ここでは、人事評価制度の導入に失敗してしまう原因について見ていきましょう。
失敗の理由には、以下の5つが考えられます。
- 人事評価制度について院長自身が理解しきれていなかった
- 評価の内容が医院の方針と合っていなかった
- 人事評価制度を取り入れる目的が曖昧であった
- スタッフの意見を取り入れなかった
- 想像よりも労力が必要で、うまく機能させることができなかった
それぞれの内容について、1つずつ解説していきますね。
1. 人事評価制度について院長自身が理解しきれていなかった
人事評価制度の導入に失敗してしまう理由の1つとして、院長自身が人事評価制度について理解しきれていなかったということが挙げられます。
たとえば、以下のような内容です。
- どのように評価基準を作成するのか
- 人事評価制度を導入する目的は何なのか
- 評価基準を作成後、どのように反映させればいいのか
この記事を見ている院長は、医院やスタッフのことを考え、人事評価制度の導入を試みた方が多いと思います。
しかし普段の業務にくわえて、評価制度の細かい部分までを詰めて考えることは、現実として困難であったのかもしれません。
人事評価制度はうまく活用できると、評価基準が明確になるため給料にも反映させやすく、歯科衛生士のモチベーションを上げることにも繋がります。
まずは院長自身が人事評価制度を取り入れる目的や制度そのものについて、しっかりと理解を深めることが大切です。
人事評価制度についてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください!
2. 評価の内容が医院の方針と合っていなかった
人事評価制度がうまくいかなかった理由として、評価基準を考える際に、医院の方針が反映されたものになっていなかった可能性があります。
Webサイトで人事評価制度について調べても、一般的な企業に向けた記事が多く、歯科医院が参考にできる内容はまだまだ少ないですよね。
だからこそ、どのように評価の内容を決めればいいのか分からなかったのではないでしょうか。
人事評価制度に自院の理念や理想とする仕事環境をうまく組み込めると、
- 院長が指導しなくてもスタッフが自主的に動いてくれる
- 歯科衛生士の技術力が上がり、質の高い治療を提供できる
- 患者さんから感謝されることで「もっと頑張ろう」と思えるようになる
など、自院が求める人材へスタッフが自然と向かってくれる環境づくりが可能になります。
また、それぞれのスタッフが自立して動いてくれることで院長の時間も確保でき、治療や院長としての仕事に集中できますよ。
医院としてのサービスが向上すれば患者さんからの評価も上がり、結果として収入アップにも繋がるでしょう。
3. 人事評価制度を取り入れる目的が曖昧であった
人事評価制度を導入する目的について理解しきれていなかった場合も、失敗の原因となる場合があります。
たとえば、人事評価制度の大きな目的の1つとして、評価基準を明確にするというものがあります。
評価基準が明確になると、客観的な視点からスタッフを評価できるため「院長の主観で給料が決まっているのではないか?」という疑念を持たれる可能性は低くなるでしょう。
また人事評価制度を取り入れるその他の目的には
- 医院理念を浸透させる
- スタッフの適正やスキルを把握する
- 給与UPの基準が明確になるためスタッフのモチベーションが向上する
などもあります。
医院として達成したい目的は何なのかをじっくりと検討し、その目的に応じた評価基準を取り入れることが大切です。
4. スタッフの意見を取り入れなかった
「人事評価制度を導入するのにスタッフの意見が必要なのか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、医院で働くスタッフの立場から考えてみると、スタッフの意見を聞く大切さが理解できると思います。
具体例を挙げてみてみましょう。
ある日突然、院長からこのようなことを言われた場合、あなたならどう感じるでしょうか?
- ・「来月から給料は人事評価制度に基づいて決める」と言われる
- ・「これからはこのような基準で評価するから、頑張って」と言われる
- ・「何か疑問点があれば聞いて」と言われる
きっと以下のように感じ、混乱してしまうと思います。
- ・え?そもそも人事評価制度って何!?
- ・給料が基準に基づいて決まるって、どういうこと?
- ・突然すぎて、何が分からないのかが分からないのですが…!
導入のスケジュール管理を含め、スタッフの意見を聞かずに作成・導入してしまうと、スタッフが仕組みを理解しないままスタートすることになり、適切に活用できないことがあります。
また、スタッフが評価の内容や結果に納得できなかった場合、モチベーションの低下を招いてしまうこともあるでしょう。
評価制度を取り入れる際には、内容について一緒に検討したり、スタートする日程をあらかじめ伝えたりすることが大切です。
5. 想像よりも労力が必要で、うまく機能させることができなかった
「いつも自院で働いてくれる歯科衛生士やスタッフに対して、しっかりと給料で返してあげたい。」
このような思いで評価制度を導入しようとした院長が多いと思います。
しかし評価制度を導入するためにはコスト費用がかかりますし、導入後の運営にも労力が必要です。
特に評価制度の導入後には、医院やスタッフの状況に応じて、定期的に面談や評価、効果の測定を行い、長期的に運用していく必要があります。
形だけの評価制度となってしまい、導入までの労力がムダになってしまわないよう、注意が必要です。
人事評価制度を機能させるための解決策5選
ここまで、人事評価制度が失敗してしまう原因について解説してきました。
スタッフのことを大切に思う院長の思いをムダにしないため、人事評価制度を機能させるための解決策について詳しくみていきましょう。
具体的な解決策としては、以下の5つが挙げられます。
- 院長が率先して人事評価についての知識と理解を深める
- 自院の理念や理想の歯科衛生士像を評価制度に組み込む
- 人事評価制度の目的を明確にする
- スタッフの意見も取り入れながら評価基準の作成・導入を行う
- 評価システムを導入する
それぞれの内容について、丁寧に解説していきますね。
1. 院長が率先して人事評価についての知識と理解を深める
人事評価制度の導入を成功させるためには、まず院長自身が人事評価についての知識を深めるところからスタートしましょう。
人事評価制度には、以下に挙げるような役割があります。
- 誰がみてもわかりやすい報酬体系を作る
- 歯科衛生士やスタッフの成長を促す
- 適正にあった配置を可能にする など
また評価制度の導入後には、院長は基準に沿って「できる or できない」の判定を行います。
そのため、評価のための基準づくりが最も大切になります。
これらを十分に理解した上で、「評価基準をどうするか」「自院のスタッフに求める人物像はどのような人なのか」を明確にしましょう。
誰がみてもわかりやすく、納得できる評価基準を作成し、スタッフが評価に納得できる仕組みづくりが大切です。
2. 自院の理念や理想の歯科衛生士像を評価制度に組み込む
人事評価制度を活用するためには、
- 自院の理念
- 理想とする歯科衛生士像
- どのような医院を作りたいのか
- どのような気持ちでスタッフに働いてもらいたいのか
- 患者さんに貢献するためには何が必要か など
これらのことを言語化することも大切です。
これらはあくまで一例ですが、院長が目指す医院の姿を明確にし、それを実現するための評価項目を作成していきましょう。
項目を達成するごとに、理想とする医院・歯科衛生士の姿に近づいていきますよ。
3. 人事評価制度の目的を明確にする
人事評価制度の目的には、以下のような内容があります。
- 給料に反映される基準づくり
- スタッフの適正箇所・スキルの把握
- 感情ではなく基準に沿った評価
評価の基準が明確になることで、客観的な視点から給料を設定できるようになります。
そのため
- ・自分では頑張っているつもりなのに、給料が上がらないのは何でだろう?
- ・今の給料の基準がわからない。院長は好き嫌いで給料を決めているのでは…?
- ・これからスキルを身につけても、ちゃんと評価してもらえるのかな?
スタッフがこのような疑問をもつ可能性を減らすことができますよ。
またステップアップの道標もはっきりと決まっているので、歯科衛生士自身が目標を立てて実践・勉強を重ねられます。
院長との定期的な面談を行い、進捗具合の確認やフィードバックを行うことで、歯科衛生士の技術力向上も見込めるでしょう。
歯科衛生士の努力や技術力をしっかりと給料に反映させることで「もっと頑張ろう!」という気持ちになり、成長を促すことに繋がっていきます。
4. スタッフの意見も取り入れながら評価基準の作成・導入を行う
人事評価制度の作成や導入を行う際には、院長が1人で行うのではなく、スタッフとのコミュニケーションを取りながら進めるようにしましょう。
その理由は、突然「これから給料は評価制度に基づいて決めます」と言われても、スタッフが戸惑ってしまうからです。
- そもそも人事評価制度とはどういうものなのか
- 院長がスタッフを査定するものではないということ
- 誰がみてもわかりやすい評価基準を作成すること
- スタッフ自身が目標を設定し、実践していくこと
これらの内容について繰り返し丁寧に伝え、スタッフの理解を深めていくことが大切です。
評価基準については、基本的には院長主導で設定していきます。
しかし、時にはスタッフの意見を聞きながら進めていくことで、コミュニケーションも活発になり、より自分ごととして捉えてくれるようになるでしょう。
また評価基準の内容には、
- 医院の理念
- 理想の医院像
- 目指してほしい歯科衛生士像
を取り入れます。
1から説明しなくても、医院としての考えをスタッフに浸透させることができますよ。
医院のスタッフが一丸となり、同じ方向を向いて進んでいけるのは、人事評価制度を取り入れるメリットの1つです!
5. 評価システムを導入する
ここまでの内容を読んでくださった院長のなかには、「人事評価制度を取り入れてみようかな?」と思っている方もいらっしゃると思います。
一方で、このようなことを感じている院長もいらっしゃるのではないでしょうか。
評価基準の作成ってどうすればいいんだろう?
なんだか大変そうだな…。
確かに、ゼロから人事評価制度を作り上げていくには相当な労力が必要となり、正直なところ大変です。
そこでおすすめなのは、人事評価システムを利用することです。
- 評価項目のチェックリスト作成
- 個々の評価シートの管理
- 日々の記録管理 など
人事評価システムを取り入れることで、これらの点において効率化ができるようになります。
一から評価項目を作成しなくて済むため、時間効率の面からみても評価システムを取り入れるメリットを感じられるでしょう。
また「□□ができれば給料が〇〇円上がる」のように、誰がみても評価が一目瞭然なので、感情を抜きにした評価が可能となり、評価にかかる時間も節約できます。
日々の治療や業務で忙しい院長にとって、評価システムはスタッフの評価・管理において役立つツールとなりますよ。
まとめ:ポイントを押さえて人事評価制度を取り入れましょう
今回は、人事評価制度に失敗してしまう原因と、その解決策のポイントについて解説してきました。
人事評価制度を取り入れたり運用したりするためには労力が必要ですが、メリットも多いことに気づいていただけたと思います。
人事評価制度を導入するメリットは
- 客観的な評価に基づいて給料を決められる
- スタッフのモチベーションが上がり技術力向上が見込める
- スタッフの適正がわかり、その人に合った配置が行いやすくなる
などがあり、医院の経営を良くしていくためのポイントが詰まっています。
「医院の理念」や「理想の歯科衛生士像」を評価項目に組み込むことによって、院長が直接指導する回数を減らしながらも理想の医院を作り上げることができますよ。
人事評価制度の導入に失敗してしまったことのある院長はもちろん、人事評価制度を取り入れてみたいと思われた院長も、人事評価システムを使って理想の医院づくりをしてみませんか?
人事評価システムを開発中です!
「人事評価システムが役に立つツールとなることは分かったけれど、どれを使えばいいの?」
このように思っていらっしゃる院長も、きっと多いですよね。
現在、なるほど!デンタル人事では、歯科医院向けの人事評価システムを開発中です!
システムの導入から導入後のサポートまで、幅広くお手伝いをさせていただきたいと思っています。
詳細は後日このサイト内でお知らせいたしますので、もうしばらくお待ちください!
質問や疑問点などがありましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。