こんにちは、なるほどデンタル人事の迫田です。
突然ですが、院長先生の医院で働く歯科衛生士スタッフの平均年齢は何歳くらいですか?
採用するターゲットとして何歳くらいの方を採用したいですか?
最近は50代以降の方でも昔に比べ見た目も肉体も若々しく健康で元気の良い方が多いと感じる今日この頃。
歯科医院の診療時間も働き方改革や時代の流れにより、短くなったりと体への負担が少なくなっている傾向もあります。
50代の歯科衛生士を積極採用している歯医者さんも多いとのことで、50代以降のブランクのある歯科衛生士を採用するメリットについて深掘りしたいと思います。
歯科衛生士が足りないとの理由で、ブランク明けの歯科衛生士の採用を検討している院長もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、ブランク明けの50代の歯科衛生士を採用するメリットはかなりあります。
ブランク明け・50代以降の歯科衛生士を採用することで
- ゼロから教育しなくてよい
- 子育てが落ち着いている人が多いので、長期的に働いてもらえる可能性が高い
- 子育てや介護の経験をもとにしたコミュニケーション能力が高い場合も多く、訪問歯科専門として活躍する場合もある
このようなメリットが得られます。
・歯科衛生士の年齢構成
・ブランク明けの歯科衛生士を採用するメリット
・ブランク明けの歯科衛生士を採用する際のポイント
について順を追って以下にについて解説していきますね。
歯科衛生士の求人採用でお悩みの院長は、ぜひ最後までご覧ください。
歯科衛生士は歳を取ったら働けないのか?
歯科衛生士には、免許の返納義務はありません。
定年制は医院によって異なりますが、本人に働く意欲があれば何歳になっても働けます。
しかし、実際のところブランク明けや50代以上の歯科衛生士は、どのくらいの割合で働いているのでしょうか。
次の項目で、歯科衛生士の年齢構成について解説していきます。
歯科衛生士の年齢構成
令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況によると、令和2年末時点での就業歯科衛生士は14万2,760人とのこと。
年齢構成は、以下のようになっています。
年齢 | 割合 | 実人数 |
---|---|---|
25歳未満 | 10.5% | 1万5,025人 |
25〜29歳 | 13.8% | 1万9,688人 |
30〜34歳 | 12.0% | 1万7,182人 |
35〜39歳 | 13.3% | 1万9,047人 |
40〜44歳 | 13.2% | 1万8,840人 |
45〜49歳 | 13.5% | 1万9,232人 |
50〜54歳 | 10.5% | 1万5,051人 |
55〜59歳 | 7.4% | 1万608人 |
60〜64歳 | 3.7% | 5,251人 |
65歳以上 | 2.0% | 2,836人 |
年代のボリュームゾーンは、25〜49歳となっていますが、注目したいのは50〜54歳。
50〜54歳の人の割合は全体の10.5%、実人数にして1万5,051人です。
この人数は、25歳未満の人数とほとんど変わりません。
また、50歳以上の割合を合計すると23.6%、実人数は3万3,746人です。
就業している歯科衛生士の5人に1人以上は50歳以上ということになり、年齢を重ねても活躍している方がたくさんいることがわかります!
ブランク明け・50代以降の歯科衛生士を採用するメリット
ブランク明け・50代以降の歯科衛生士を採用するメリットは、以下のとおりです。
- ゼロから教育しなくてよい
- 子育てが落ち着いている人が多いので、長期的に働いてもらえる可能性が高い
- 子育てや介護の経験をもとにしたコミュニケーション能力が高い場合も多く、訪問歯科専門として活躍する場合もある
それぞれの内容について、1つずつ解説していきます。
ゼロから教育しなくてよい
結婚や出産のために現場を離れていたブランク明け・50代以降の歯科衛生士。
これらの人は、ある程度のスキルや経験がある場合がほとんどでしょう。
もちろん、ブランクがあるため
- 新しい知識を覚える
- 仕事の感覚を取り戻す
これらの時間が必要になり、即戦力として仕事をお願いすることは難しい場合もあります。
しかし、歯科衛生士として働いた経験があるため、新人教育ほどコストはかからない可能性が高いです。
ブランクのある歯科衛生士に限らず、仕事をするうえでは新しい知識を学び続ける必要があります。
スタッフ全員で研修を受けるなど、医院全体として学びの機会を提供できるとgood!
長期的に働いてもらえる可能性が高い
ブランク明け・50代以降の歯科衛生士のなかには「子育てが落ち着いてきたので、もう一度フルタイムでしっかり働きたい」と考える人もいるでしょう。
そのため自院にマッチした人材を採用できれば、長期的に働いてもらえる可能性が高いです。
また子育ての経験がある方も多いので、子どもの歯科検診の対応が上手な方も多いです。
子どもとの関わりに慣れているため、
- 声かけの仕方
- 口を開けるのを嫌がったときの対応
- 子どもが緊張しない空間づくり
など、親の目線から一緒に考えてもらうことで、保護者からの信頼も得られる可能性があります。
これまでの人生経験をもとにしたコミュニケーションができるのは、ブランク明け・50代以降の歯科衛生士の強みです。
訪問歯科専門として採用できる
50代以降の歯科衛生士は、訪問歯科専門として活躍している方も多いです。
なぜなら、自身の親も高齢になっており、訪問歯科の対応が上手な場合があるからです。
高齢化社会の日本では、自宅で治療や検査を受ける方がこれからも増えていくでしょう。
高齢者の健診や治療では、長時間大きな口を開け続けるのが難しくなるため、年齢に応じた専門的な対応も求められます。
親の介護の経験を活かして訪問歯科をお願いするなど、働き方の提案次第では50代が強みになることもあります。
ブランク明け・50代以降の歯科衛生士の採用時に気をつけたいポイント
ブランク明け・50代以降の歯科衛生士を採用する際に気をつけたいポイントについて解説します。
具体的なポイントは以下のとおり。
1つずつみていきましょう。
素直さがあるか
ブランクのある歯科衛生士を採用する際には、素直さがあるかどうかを確認しましょう。
前提として、信念をもって仕事をしたり、患者様と関わったりすることは非常に大切です。
しかし過去に歯科衛生士として働いた経験があるため、自分のやり方にこだわりを持っている可能性もあります。
その信念やこだわりが、自院として大切にしている考え方と合わなかったり、考えを改めようとしなかったりする場合には、トラブルに発展してしまうかもしれません。
採用前に、自院の理念や考え方をしっかりと伝えることが大切です。
そのうえで
- 適性検査
- 有期雇用期間
などを設け、理念や考え方に共感してもらえるかどうかを判断し、採用を検討しましょう。
体力的に問題なさそうか
歯科衛生士は立って仕事をする時間も多く、体力が必要な仕事です。
若い頃は多少無理をしても、乗り切れることもあったでしょう。
しかし年齢を重ねると、どうしても気力だけでは難しくなってしまいます。
- しっかりと睡眠をとっているか
- バランスの取れた食事をとっているか
- 適度な運動は行っているか
など、規則正しい生活で身体に気を遣っているかどうかもチェックしておきたいポイントです。
ブランクを克服する意欲があるか
数年間〜10年以上現場を離れていると、治療に関する常識や考え方が変わっていることも多いでしょう。
まるで浦島太郎のような状態だと感じることもあるかもしれません。
そのような状況のなかでも、謙虚で意欲的に学び直そうとする姿勢があるかどうかは大切なポイントです。
覚えるのに時間がかかったり、自信をなくしてしまったりする瞬間もきっとあるでしょう。
それでも前向きに取り組める気持ちがあるかどうか、面接時に確認しておきたいですね。
ブランク明け歯科衛生士の学び直しをフォローできる体制が整っているかどうか、医院としても今一度、見直しておきましょう。
自院のスタッフと馴染めそうか
どれだけ技術があっても、医院の雰囲気を乱す人を採用したいと思う院長は少ないと思います。
また医院全体の年齢層が若い場合には、ブランクのある歯科衛生士自身も馴染めるかどうか不安に感じることでしょう。
このような場合の対策の1つとして、面接とは違う場で、スタッフとの座談会を開くことが挙げられます。
座談会の具体的な内容としては、
- 1日体験
- 見学会
- お食事会への招待
- ランチ面談
などがあります。
このような催しを行うことで、
- ブランクのある歯科衛生士:医院やスタッフの雰囲気を事前に知れる
- 医院:ブランクのある歯科衛生士の人柄を知れたり自院で働く様子が想像できたりする
など、両者にとってメリットがある取り組みといえるでしょう。
採用に迷った際には一度、座談会の場を設けてみてはいかがでしょうか。
50代の歯科衛生士ならではの強みはあるか
年齢を重ねているからこその強みがあります。
- スタッフの教育ができる
- スタッフのまとめ役ができる
- 子育ての経験から、小児歯科で活躍できる
- 親の介護の経験から、訪問歯科で活躍できる
- 人生の経験をもとにしたコミュニケーションができる
これらは新卒の歯科衛生士には難しく、50代以降の歯科衛生士だからこそ活きる強みです。
また子育てや介護の経験が、小児歯科や訪問歯科で活きる可能性も高いです。
歯科衛生士としてはもちろん、人生の先輩として若いスタッフとのコミュニケーションを担ってくれそうかどうかを確認できるとよいでしょう。
ブランク明け・50代以降の歯科衛生士を採用するために医院ができること
ブランク明け・50代以降の歯科衛生士を採用するために、医院ができることは以下のとおりです。
それぞれの内容について、解説します。
求める人材を明確にする
求める人材を明確にし、求人を見たブランクのある歯科衛生士に「自分のことだ!」と思ってもらうことが大切です。
なぜなら、自分ごととして捉えられるようになると、応募が集まりやすくなるからです。
具体的には、以下のような文言を求人票に記載するとよいでしょう。
- 子育てが落ち着いた40代・50代の方
- 親の介護経験のある方
- ブランクがあるけれど、もう一度フルタイムで働きたい方
求める人材を明確にすることで「ブランクのある私でも働けそう!」と思ってもらえます。
反対に、当たり障りのない文章を記載するとターゲットに刺さらないため、応募がなかなか来ないという状態になってしまいます。
院長の考え方や社風を伝える
求人採用を行うためには、院長の考え方や価値観、社風などを求職者に伝えることが大切です。
なぜなら、これらの内容を伝えることで、院長の価値観や社風に共感した人からの応募が集まりやすくなるからです。
自院の情報を先に開示することにより、採用前後でのミスマッチや早期退職も防げます。
具体的には、以下のような内容を求人票に盛り込むとよいでしょう。
- 院長の自己紹介・考え方
- 具体的な仕事内容
- スタッフの1日の流れ
- 既存スタッフの人数や年齢構成
- 既存スタッフの人柄
- ユニットは何台あるか
- 専用ロッカーはあるか
- スタッフ専用のトイレはあるか
- 休憩室にWi-Fiや電子レンジはあるか
一見すると、業務には直接関係ないような内容も含まれていると感じます。
しかし院長が当たり前に思っていることでも、言葉にして伝えないと求職者には伝わりません。
医院で働くイメージができると、応募へのハードルも下がります。
自院に関するさまざまな情報を求人票に記載することで、信頼感や親しみやすさを感じてもらいやすくなりますよ。
しっかりと情報を伝えるための環境を作る
前の段落で、院長の価値観や社風を伝えると書きましたが「どうやって伝えればいいの?」と思った院長もいらっしゃるのではないでしょうか。
その答えは、自院の採用専用サイトです。
自院の採用サイトを制作することで、このようなメリットがあります。
- 自院のことを詳しく知ってもらえる
- 院長の人柄や価値観を知ってもらえる
- 自院の理念や考え方に共感した方からの応募が集まる
- 長く働いてくれる方が多くミスマッチが起こりにくい
- 求人サイトへ掲載するよりもコストを下げられる など
また求職者としても、医院の分析を行なったうえで応募ができるため、安心できるというメリットがあります。
採用サイトに記載する内容例は、以下のとおり。
- 医院理念
- 先生の想い
- 労働条件
- 福利厚生
- 採用後の1日の流れ
- 既存スタッフの年齢層
- 既存スタッフの紹介
- 教育体制 など
情報開示をする際には、できるだけ具体的に記載することがポイントです!
まとめ:求める人材を明確にしてブランク明けの歯科衛生士を採用しよう
今回の記事では、
- ブランク明けの歯科衛生士を採用するメリット
- ブランクのある歯科衛生士の採用時に気をつけたいポイント
- 採用のために医院ができること
について解説してきました。
ブランク明けの歯科衛生士や50代以降の歯科衛生士には、年齢を重ねているからこその強みがあります。
たとえば、親の介護経験を活かした「訪問歯科」や、子育て経験を活かした「小児歯科」などです。
自院に求める人材を言語化し、ブランクのある歯科衛生士も積極的に採用していきたいですね。
なるほど!デンタル人事では、歯科衛生士の求人採用セミナーを毎月開催しています!
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