こんにちは、なるほど!デンタル人事です。
歯科衛生士は若手が多いイメージがありますが、歯科衛生士の定年とは何歳なのでしょうか?
また、定年まで働いてもらうために必要な取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は
・歯科衛生士の平均年齢
・定年まで長く働いてもらうポイント
このふたつについてご紹介します。
ぜひ、最後までお付き合いください。
歯科衛生士は何歳まで働ける?
歯科衛生士は年齢制限が設けられていないため、定年は医院の規定に委ねられます。
また、歯科衛生士免許は国家資格ですが、免許返納の義務はありません。
歯科衛生士の平均年齢
次は、歯科衛生士の平均年齢をご紹介します。
令和4年(2022年)の全国調査では、
・歯科衛生士(正社員)の平均年齢: 36.5歳
・歯科衛生士(非常勤)の平均年齢: 41.1歳
平均年齢は30代半ばから40代とやや高めでした。
出産や育児のために一度仕事から離れても、復職して働く歯科衛生士は多いです。
しかし、2010年調査での歯科衛生士の正社員の平均年齢は33.3歳。
およそ10年で歯科衛生士の平均年齢は3歳ほど上昇しています。
さらに少子高齢化のため、若い歯科衛生士の人口は減り、現在活躍中の歯科衛生士の年齢はさらに上がっていきます。
これによって、この先歯科衛生士の平均年齢はさらに上がり、労働人口は減少し、将来危機的な歯科衛生士不足に陥る可能性が高まっています。
そのような状況になってしまっても診療を続けられるように、スタッフに長く働いてもらえる医院づくりを行いましょう。
長く働いてもらうための環境整備
スタッフに長く働いてもらえる環境を整えるためには、具体的にどのような施策が必要なのでしょうか?
一緒に確認していきましょう。
年代に沿ったキャリア開発支援
働きながら年代や勤務年数に応じたキャリアを築けると、歯科衛生士の安心感ややりがいにつながります。
キャリアプランに対応した学習サポートや資格取得支援制度などを設け、歯科衛生士のキャリア形成を支援しましょう。
新卒〜20代前半
歯科衛生士としても、社会人としても新人です。
歯科衛生士学校で学んだ知識やスキルを少しずつ実践に活かせるように、新人研修を行いましょう。
新人研修のプランを事前に立て、周りのスタッフにサポートしてもらいながら、新人歯科衛生士が安心して実務にチャレンジできる環境が理想です。
【研修内容例】
[1ヶ月目]
・受付・電話対応
・クリーンナップ(器具名称と使用方法、保管場所、消毒・滅菌、片付け)
・歯面清掃
[2ヶ月目]
・PMTC
・SRP
・歯周精密検査
[3ヶ月目]
・問診
・中等度歯周炎患者向け
・ブラッシング指導
20代後半〜30代
歯科医師のサポートや、後輩の育成・マネジメントなども任される機会が多い中堅ポジション。
歯科衛生士のライフステージに合わせて柔軟な働き方を選択できるように、医院側でのサポートが重要になってくる年代です。
大きなライフイベントである出産・育児で休職者や退職者が増える年代でもあるため、出産後もキャリアを継続できるように、福利厚生やサポート体制を整えておきましょう。
歯科衛生士長や主任といった上位の役職を目指してキャリアを積みたい衛生士には、認定歯科衛生士やインプラント認定歯科衛生士などの資格取得を支援するのもおすすめです。
[おすすめの資格]
①日本歯周病学会認定歯科衛生士
実は多くの歯科衛生士が認定資格の取得を目指しています。しかし、取得実績のある医院は限られているため、資格取得を目指して転職する歯科衛生士もいます。
②日本口腔インプラント学会認定歯科衛生士
インプラントの需要が増えている近年、歯科衛生士にとってはキャリア形成の選択肢として魅力的な資格です。
40代〜50代
歯科衛生士歴20〜30年の頼りになるベテランです。
歯科衛生士長や主任など、歯科衛生士の統括を行うポジションを設けても良いでしょう。
人間関係をスムーズに
歯科医院は個人経営のところが多く、従業員が少ないケースが一般的。
狭い環境の中では、些細なすれ違いから人間関係が悪化してしまうとなかなか修復できません。
このトラブルを防ぐには日頃からスタッフ同士の様子に気を配り、医院全体のコミュニケーションがうまくいくようにマネジメントを行いましょう。
また、スタッフ同士のトラブルだけでなく、院長とのトラブルもよくある問題です。
歯科医院の多くは個人経営。毎日顔を合わせる院長との相性が悪いと、スタッフは働きづらくなってしまいます。
「診療中の情報共有の際にあいまいな返答しかもらえなかった」
「忙しい時や余裕がない時に口調がキツくなる」
「こちらの言い分を聞いてくれない」
上記のように院長とうまくいかず、退職してしまうケースも。
こうならないように、院長が行うべき3つの取り組みをご紹介します。
人材マネジメントを学ぶ
人材マネジメントとは、経営戦略での人材配置や人材育成のことです。スタッフのチームワークを強固にします。
自院のシステムや自身の振り返りを行い、見直しと改善が必要です。
自分からコミュニケーションをとる
あいさつや雑談は自分から始め、積極的にスタッフとコミュニケーションをとりましょう。
院長先生から積極的に話しかけると、スタッフは「自分達を気にかけてくれている」と思うようになります。
医院をまとめる院長先生から率先してコミュニケーションを始めると、医院の雰囲気が明るくなり、風通しも良くなりますよ。
業務の効率化
効率化の方法にもいろいろありますが、オススメは
スタッフ間の役割分担を明確にさせること。
歯科医院は診療アシスタント、メインテナンス、受付業務、電話対応など、多岐にわたる業務種類を並行して行わなければなりません。
スタッフ間の役割を決めずに、その場その場で歯科衛生士に業務を任せていると、診療が回らなくなってしまう恐れもあります。
歯科衛生士には歯科衛生士しかできない業務があります。歯科衛生士業務以外の仕事はきちんと歯科助手に割り振り、役割分担を明確にしましょう。
スタッフの負担が減り、チームの連携が高まりますよ!
ライフステージに合わせて働ける環境づくり
長く働くためにはライフステージに合わせて働ける環境も必要です。
具体的な施策にはどんなものがあるか、チェックしていきましょう。
復帰支援制度
女性にとって妊娠・出産は大きなライフイベント。
出産後も問題なく仕事を続けられるようなサポートがなければ、退職につながってしまう恐れがあります。
福利厚生として、妊娠中の通院などに利用できる休暇制度や、妊娠中の体調に合わせて業務内容を調整できるような制度を設けると良いでしょう。
また、出産後の職場復帰やキャリア形成の支援として、時短勤務ができる制度を設けておくのもおすすめです。
育児中は子どもの体調不良による急なお休みはつきものです。他のスタッフにも協力を呼びかけ、医院全体でカバーできるように調整を行いましょう。
育児中のスタッフが気兼ねなく休めるような環境が理想だニャ!
退職金制度とマネー研修の導入
実例として、大企業並みの退職金制度を導入している医院についてご紹介します。
この医院では、マネー研修を毎年開いており、お金の運用やライフプランについてスタッフに学んでもらっています。そして退職金制度のメリットに気づいてもらい、長く働く意欲を高める、という流れを作っているのです。
このマネー研修と退職制度の組み合わせによって、定着率が上がっています。
まとめ
今回は、歯科衛生士の平均年齢と定年まで長く働いてもらうポイントについてご紹介しました。
将来的に危ぶまれている歯科衛生士不足。
歯科衛生士不足に陥ったとしても診療を続けられるように、スタッフが出産・育児を経ても長く働き続けられる医院を作りましょう。
なるほど!デンタル人事部では、スタッフの定着についてのご相談も承っています。
定着率を上げる取り組みや人事評価制度についてさらに詳しく知りたい先生、導入を検討されている先生はぜひお問合せフォームよりご連絡ください。