世界中で「女性の活躍」への関心が高まっていますが、歯科業界でも同じように女性歯科医師の活躍が期待されています。
長きにわたって男性医師がメインだった歯科業界。
女性歯科医師が増えることで採用活動にはどのような変化があるかを見ていきましょう。
この記事では、歯科医師の採用を考えている院長先生へ、女性歯科医師採用のメリットややるべき対策をお伝えいたします。
女性の歯科医師は年々増えている
現在の女性歯科医師の数を見てみましょう。
【2000年】男性…83.2% 女性…16.7%
令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
【2020年】男性…74.9% 女性…25.0%
2000年〜2020年のあいだに、女性歯科医師の割合は10%近く増加しています。
さらに2023年の歯科医師国家試験では、合格者のうち半数近くが女性だったとか。
若い世代になるにつれて男女比が1:1に近づいてきていることがわかります。
今は歯科医師=男性というイメージが強いですが、将来的には女性歯科医師から治療を受ける光景が当たり前になりそうですね。
女性歯科医師を採用するメリット
今後は採用市場にも女性歯科医師の求職者が増えてくるでしょう。
彼女らを採用した場合、医院にもたらされるメリットは以下の3つが考えられます。
①独立開業によって退職する人が少ない
女性歯科医師は年々増えているものの、開業や分院長など組織のリーダーとなる道を選択する方は少ないと言われています。
令和2年に行われた調査では、診療所に勤める男性歯科医師の75%が開業している(院長を務めている)のに対し、女性の開業者は38%にとどまっています。
つまり多くの女性歯科医師が、勤務医として働き続けることを望んでいるようです。
【男性】開業医…75.3% 勤務医…24.6%
令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
【女性】開業医…38.3% 勤務医…61.6%
理由として考えられるのは、女性特有のライフスタイルの変化です。
女性には妊娠・出産のために働けない時期があります。
仕事を長期間休まざるを得ないことを考えると、開業医と比べても身軽な勤務医を希望するのにも納得ですよね。
一方、医院側にとっては嬉しい状況です。
歯科医師の退職理由でもっとも多い「開業」という可能性が少なくなるので、長く勤務してもらえる可能性が上がるのです。
患者から見ても、行くたびに担当医師が変わる不安定な医院より、同じ医師に長く診てもらえるほうが安心を感じられますよね。
さらに、医師の採用には大きな労力と費用がかかるうえ、退職時の穴埋めもそう簡単にはいきません。
長く勤めてもらえる女性医師を採用することは、医院にとっても患者にとっても大きなメリットがあると言えます。
②女性医師の診察を希望する患者がいる
患者の中には女性医師の診察を望んでいる方もいます。
それは、小さな子どもや介護施設に入居する高齢者、そして同性である女性の患者です。
必ずしも男女の括りで語ることはできませんが、女性歯科医師の声の調子やコミュニケーションの取り方によって優しさや親しみやすさを感じやすい傾向があるようです。
「あのクリニックは女性の先生がいるから行ってみよう」
数多ある歯科医院の中からこんな風に選ばれているとしたら、女性歯科医師を雇用することで大きな集患効果が得られるかもしれません。
初回来院時に医師を選べたら、患者のターゲット層も広がるかもしれません。
③審美治療で活躍できる
女性歯科医師は審美治療の分野でも人気があります。
美しさへの意識が高い方が多いので、「審美治療は女性にお願いしたい」と考える患者が一定数いるようです。
それ以外にも、
- コンプレックスを話しやすい
- デリケートな悩みもわかってもらえそう
- 仕上がりについて細かい要望も汲み取ってもらえる
上記のような需要もあり、成長を続けている審美治療市場では欠かせない存在になるでしょう。
実際に歯列矯正・ホワイトニングをメインで行なっている歯科医院は、「女性医師在籍」をホームページでアピールしていることが多いです。
審美歯科治療に重きを置いている医院の皆さまは、競合が動き出す前に女性歯科医師を確保しておくのも手かもしれませんよ。
女性歯科医師に「ここで働きたい」と思ってもらうためには?
多くのメリットをもたらす女性歯科医師の雇用。
では、実際に入職してもらうためにはどんな環境を準備すればいいのでしょうか?
勤務医として長く勤めるためのキャリアプランがある
先で述べた通り、女性歯科医師は勤務医として長く働くことを希望する傾向があります。
当然ですが、勤務医を選択する=キャリアアップに興味がない、ということではありません。
スキルや勤続年数に対応したキャリアプランをしっかり準備していないと、将来に希望を感じられず、退職に繋がりかねません。
衛生士のキャリアプランならあるんだけど…
このような医院も多いでしょう。
歯科医師は一般的な職業とは異なるぶん、わざわざキャリアプランを作らずに、面談等で待遇アップを決めている先生方も少なくないと考えられます。
とはいえ、初めから開業を考えておらず長く働きたい歯科医師にとっては、明確な将来像の有る無しは大きな問題です。
衛生士のように細かく作らずとも、数年単位で考えて提示ができれば求職者も安心できるかもしれません。
家庭の事情や本人の意向もありますので、話し合いながらキャリアを選択していける制度があるとより安心ですね。
産休・育休の制度が整っている
女性歯科医師にとっては気になる産休・育休制度。
もし将来的に出産を考えている方であれば、制度の整っていない職場を選ぶのは勇気が要りますよね。
資格職で再就職がしやすいとはいえ、できれば辞めずに長く務めたいと思うのが自然です。
もし前例が無かったとしても、求人には「前例はないが検討中」や「利用したいという方がいれば検討します」など、受け入れる意思を表しておくと◯です。
男性の育休取得も増えてきているので、男女ともにメリットがある制度です。
ぜひ、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
特に男性の育休制度を整えると、新しい取り組みを取り入れる医院として強力なアピールポイントにもなるでしょう。
歯科医師同士がフォローしあえる体制がある
子育て世代に共通する悩みといえば、子どもの事情での急な欠勤・早退です。
ある日突然、当日の朝に出勤できなくなってしまった時、フォローし合える体制があれば精神的な負担も減りますし、そのような医院は当然求職者からの人気も高い傾向にあります。
これまでの男性主体だった歯科医師業界には中々馴染みがないかもしれませんが、今は夫婦が助け合って子育てをする時代。
女性歯科医師だけでなく今いる男性歯科医師のパートナーも助かるので、人が辞めない職場づくりに向けて一歩前進できる可能性も高まります。
働き盛りの子育て世代が集まる職場は、より応募が集まる傾向があります。
院内体制を少しずつ変えていき、働きやすさの好循環を作っていきましょう。
女性歯科医師を狙って採用活動を行う医院もある
まだまだ男性が多い歯科業界。
そんな中、先手を打って女性歯科医師を採用しようという動きが一部の医院で起こっています。
では、どのようにして狙ったターゲットを獲得すればいいのでしょうか?
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