歯科医院向け採用セミナー

【歯科医院】開業時のスタッフ人数は何人が適正?

歯科経営

歯科医院の開業において、バランスの良いスタッフ配置は経営の運命を左右する大事な要素。
診療の質を保ちながら効率的な運営を続けていくためには、診療科目や医院規模に合わせたちょうど良いスタッフ数を見極めなければなりません。

この記事では、歯科医院を開業する時のスタッフ構成について、具体的なデータと実例を交えながら解説します。

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歯科医院のスタッフ構成を考えるための基本とは?

日々の医院運営において、スタッフ配置は診療サービスの質と経営効率にダイレクトに影響するとても大切な要素。
診療科目、想定される患者さんの数、そして各スタッフの生産性を総合的に見ていくことで、もっとも効率的な人員配置が見えてくるでしょう。

これより先では、それぞれの観点から詳しく解説していきます。

診療科目とスタッフの関係

医院の診療科目によって、必要になるスタッフの専門性や人数は大きく変わってきます。
一般歯科のみを扱う医院と、矯正や口腔外科などの専門的な治療を行う医院では、求められるスタッフの資格やスキルセットが異なります

例えば、一般歯科の場合は歯科衛生士と歯科助手・受付スタッフ等を中心とした構成で運営していくことが可能です。

一方で、矯正歯科を主力とする場合は、矯正治療の経験が豊富な歯科衛生士や、専門的な知識を持つ受付スタッフが必要となります。また、インプラント治療を行う場合は、手術室での補助経験がある歯科衛生士の採用が不可欠です。

専門治療の経験を持つ歯科衛生士は、一般歯科と比べて必然的に少なくなります。
また、歯科衛生士自身の「専門分野の経験ばかりが積み上がっていき、不安を感じる」という思いから、潰しのきく一般歯科に転職するケースもよく見られます。

「歯科医院の平均スタッフ数は何人?」はよく聞かれますが、全国一律の“平均値1つ”で答えるのは実は難しいテーマです。
なぜなら、同じ売上でも「自費比率」「メンテナンス比率」「診療時間」「ユニット台数」「院長がどこまで手を動かすか」で、必要人数が大きく変わるためです。
そこで本記事では、平均値を1つ提示するのではなく、(1) ユニット台数から逆算する目安(2) 生産性(人件費率・チェア生産性)で判断する方法(3) 定着(辞めない仕組み)を前提にした人数設計の3つで、実務に落ちる形で整理します。

想定患者数と必要なスタッフ数の目安

1日あたりの想定患者数は、必要なスタッフ数を決めるために欠かせない指標です。
一般的な目安として、以下のような計算方法が用いられます。

まず“最低限回る人数”の考え方として、ユニット台数から逆算する方法があります。例として、ユニット7台・1DRの場合、最小執行人数を「合計8〜10名(DR1、助手1〜2、DH5、受付1〜2)」とする考え方もあります。
もちろん医院の診療モデルで前後しますが、「人が足りないのか/生産性が足りないのか」を切り分ける基準として有効です。

1日の想定患者数必要な歯科衛生士数必要な受付スタッフ数必要な歯科助手数
20名以下1-2名1名1名
21-40名2-3名1-2名1-2名
41-60名3-4名2名2-3名
61名以上4名以上2-3名3名以上

この数字はあくまでも目安なので、診療内容や診療時間、予約システムを導入しているかどうかによって調整が必要です。

スタッフ一人当たりの生産性を考える

スタッフ一人当たりの生産性も、歯科医院の収益に直接影響を与えます。
「生産性を計算に入れる」と言われると複雑な計算をするように感じられますが、基本的には以下のように時間ベースでの検討が行われます。

  • 診療アシストにかかる時間
  • 患者あたりの対応時間
  • 準備・片付けにかかる時間
  • 事務作業に必要な時間

一般的な目安として、歯科衛生士一人当たりの1日の診療アシスト可能件数は8〜10件程度とされています。これを基準に、必要なスタッフ数を算出してみましょう。

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開業時の歯科医院における最適なスタッフ人数

開業時のスタッフ構成は、ユニット台数や診療内容によって大きく変わってきます。
ここでは、医院規模に合わせたスタッフ配置について解説し、とくに専門的な診療を行うときの考え方についても触れていきます。

小規模歯科医院(1~2ユニット)の場合

小規模歯科医院では、最小限のスタッフ数で運営されているケースが多く、なんと開業時は院長ひとりでスタートしたという声も。

開業時は患者数やコストなどが予測しづらいため、実際に運営をしながら人員を補充していく選択をとる院長もいるようです。

職種人数主な業務内容
歯科医師1名診療全般
歯科衛生士1-2名診療補助、予防処置
受付・歯科助手1名受付業務、診療準備

この規模では、1人のスタッフが複数の役割を担当することが必然的に多くなります。
特に受付と歯科助手は兼務してもらうことで、人件費を抑えながら効率的な運営が可能となります。

中規模歯科医院(3~4ユニット)の場合

中規模の歯科医院では、より専門的な分業体制をつくることが可能です。

職種人数主な業務内容
歯科医師1-2名診療全般
歯科衛生士2-3名診療補助、予防処置
受付1名受付業務、会計
歯科助手2名診療準備、片付け

この規模では、各スタッフが専門的な業務に集中できる体制を整えることで、診療の質と効率をアップさせることができます。

専門性の高い診療科目を扱う場合の注意点

専門性の高い診療科目を扱う場合は、一般歯科とは異なるスタッフ配置が必要です。

  • 矯正歯科…矯正歯科の経験をもつ歯科衛生士が必要
  • インプラント…手術室担当の専門スタッフが必要
  • 小児歯科…子どもの対応に長けたスタッフ、もしくは保育士が必要

このような専門分野では、経験豊富なスタッフの確保が必須です。
さらに、経験やスキルに伴って人件費も高くなることを念頭に置いておく必要があります。

なお、スタッフ人数を決める際に「5人を超えると社会保険加入が必要」といった説明を見かけますが、実務はもう少し複雑です。
法人かどうか等で原則が異なるほか、短時間労働者の社会保険適用は段階的に拡大してきています。
人数だけで判断せず、雇用形態(週所定労働時間、月額賃金、勤務期間見込み等)も含めて社労士等と確認するのが安全です。

スタッフの人件費を最適化する方法

スタッフの人件費は歯科医院の運命を左右する大きな要因となります。
いちどスタッフを雇用してしまうと、正当な理由がない限り簡単には解雇できないのはすでにご存知でしょう。
また、給与の基準が定まっていないことがスタッフの不満のタネとなり、院内の人間関係に悪影響を与えてしまうこともあります。

人手の確保と給与設定は、慎重に検討することをおすすめします。
近隣の歯科医院の相場を調査したり、給与の額に対する根拠を用意しておくことで、院長自身の迷いと院内トラブルを避けられます。

反対に、人件費をきちんと管理することができれば、質の高いサービス提供と持続的な医院運営を実現することが可能となるでしょう。

人を増やす前に、次の観点で一度棚卸しをおすすめします。

  1. 忙しさの正体:本当にチェアが埋まっているのか/段取りや動線で詰まっているのか。
  2. 売上と人件費のバランス:保険中心なのに人件費が重くなっていないか。
  3. 役割の設計:増員するなら「誰の何を置き換えるのか(院長アシスト、メンテ枠拡張、受付のボトルネック解消など)」が決まっているか。
  4. ピーク基準の配置になっていないか:繁忙日の山に合わせて雇うと、平常日に余剰が出やすい。
  5. 余剰人員の生産性を上げる方法を具体的にシミュレーションできているか
  6. “人を増やす=売上が増える”になっているか:増員後に増えるべき売上(または生産性)が見積もれているか。
  7. 採用より先に変えられること:オペレーション変更、予約枠設計、マニュアル整備、業務の分解で解消できないか。

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人件費の相場と適切な配分

歯科医院における人件費の適正な配分について、職種別の給与相場をご紹介します。

職種経験年数月給の相場(万円)
歯科衛生士新卒22-25
歯科衛生士3-5年25-30
歯科衛生士5年以上30-35
受付新卒18-20
受付3年以上20-25
歯科助手新卒17-19
歯科助手3年以上19-23

上記の給与水準は地域や医院の規模によって変動することがありますので、一般的な目安として参考にしてみてください。

スタッフのスキルアップによる生産性向上

スタッフの生産性を向上させることで、人件費を最適化させることもできます。

  • 定期的な研修の実施
  • 外部セミナーの受講サポート
  • 資格取得に対する支援
  • OJTプログラムの充実
  • 業務マニュアルやシステムの整備

とくに、開業時は院長のタスクが山積みになってしまいます。
そんななかで教育制度を整えていくのはとても骨の折れる仕事。しかし、教育によってスタッフ一人当たりの生産性を高めることができれば、結果として人件費の効率化(=医院経営の余裕)につながります。

効率的なタスク管理と業務分担

業務の効率化を図るためには、タスク管理と業務の分担が不可欠です。
具体的には…

  • アポイント管理システムの導入
  • 業務の優先順位付け
  • 歯科衛生士・歯科助手間の適切な役割分担
  • 無駄な業務の見直し・削減

医院運営が軌道に乗るころに見直しを行うと効果的。
限られたスタッフ数で最大限の効果を上げられる体制を目指しましょう。

歯科医院スタッフの採用と教育

優秀なスタッフを採用して育成できれば、医院の長期的な成功に大きな影響を与えてくれます。
ここでは、効果を発揮する採用戦略と教育システムの構築について解説していきます。

効果的な求人方法と面接のポイント

もはや採用に困っていない方がめずらしいと言えるほど、衛生士不足が極まっている今。
この状況でも採用を成功させるためには、以下のような細かいポイントすべてに注意を払う必要があります。

  • 求人媒体の選びかた/歯科専門の求人サイトの活用
  • 求人票の作成/医院の特徴や待遇を明確にアピール
  • 自院での採用サイト作成/求人媒体に以上の情報量で他院と差別化
  • 面接での確認事項/技術力、コミュニケーション能力、チームワーク
  • 採用条件の設定/給与、勤務時間、福利厚生の明確化

特に面接時には、以下の点を掘り下げて確認することをおすすめします。

確認項目具体的な確認ポイント
技術力経験年数、得意分野、資格
コミュニケーション患者対応経験、チーム内での役割
向上心自己啓発の取り組み、キャリアプラン
人間性価値観、仕事への姿勢

新人スタッフの育成計画とOJTの重要性

新人スタッフの教育は、段階的なプログラムで実施すると効果的です。
一律で進めていくのではなく個人の習熟度に合わせることで、スタッフに不安を抱かせることなく着実に技術を身につけることができます。

基本研修(1週間)

  • 医院の理念と方針
  • 基本的な業務フロー
  • 安全管理と感染対策

実地研修(1ヶ月)

  • 先輩スタッフとのペア研修
  • 基本的な診療補助
  • 患者対応の基礎

実践期(3ヶ月)

  • 独立した業務遂行
  • 定期的なフィードバック
  • スキルアップ目標の設定

スタッフの定着率を高めるための取り組み

スタッフの定着率向上のためには、コミュニケーションに対する不安を抱かせないようにしたり、将来像を明確に示してあげることが重要です。

  1. キャリアパスの明確化
  2. 働きやすい環境づくり
  3. 適切な評価とフィードバック
  4. チーム内のコミュニケーション促進
  5. 福利厚生の充実

特に重要なのは、スタッフ一人一人の成長を支援する体制を整えることです。定期的な面談や研修機会を設けることにより、スタッフの不満解消と定着率を高めることができます。

スタッフ数の議論は、定着が前提です。採用できても辞め続けると、教育コストと現場負荷が増え、かえって人数設計が崩れます。
定着しない理由は大きく「業務負荷」「人間関係/コミュニケーション」「スキルアップ機会」「給与/福利厚生」「コンプライアンス不信」などに整理できます。
対策としては、マニュアル整備、教育支援、柔軟な勤務体制、給与設計の見直し、休憩環境など“仕組み”で解く方向が推奨されています。

まとめ:歯科医院の成功は適切なスタッフ人数から

歯科医院の開業時における適切なスタッフ配置は、経営の成功を大きく左右します。
多角的な面からスタッフ構成を検討し、より利益率の高い体制をつくっていきましょう!

  1. 診療規模に応じた適切なスタッフ数の設定
  2. 専門性を考慮した人材の確保
  3. 効率的な業務分担と人件費の最適化
  4. 計画的な採用と教育体制の構築
  5. 働きやすい環境づくりによる定着率の向上

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